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異世界帰還録  作者: 夜縹 空継
第三章:アルカラド編
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第二十二録:問題提起 二節「今後について」

二日後──俺たちは再び集まった

ただ…場所はラルカラドにある国軍本拠地。

ウルの言う通り彼らは俺たちを見つけ手紙だけよこした

その手紙も読んですぐに火も立たず炭になり消えた。

それに、この本拠地に入るにもわざわざ店の地下を経由してやってきた。

…徹底した隠蔽、よほど教会に知られたくはない様子。


「かなり手間をかけた案内だったね!」

「だなぁ…」

通された部屋は簡素ながら清潔感のある

広い部屋、そこのソファに座り騎士を待つ。

膝の上ではコイスケが香箱座りで寛ぐ。

「ほーどんな話をされるんじゃろな?」

「…おおかた、ヤテンラさんの保護の申し出

 お二人を匿うとかだと思いますわ」

「だよねー…もしこんな事いわれたら二人はどうする?」

冗談混じりに問うてくるネローズ。

保護か…確かに安全かもしれない

閉じこもっておけば教会もで出しはできない。

だが、答えは──


「嫌だ」

「嫌じゃ」

夜天羅と声が被った…ずっと閉じ込められてきた彼女を

また縛るような真似はしたくない。

何の為に俺がいる、何の為に力がある、全部…夜天羅を

守るために一緒に過ごす為にある。

「ま、そうよね〜」

「そーだよねー!」

「ヤテンラ、ヤテンラは自由!」

暇で戯れていたブランカとドロシーは俺たちを支持してくれた。

ネローズは俺と夜天羅の答えがわかっていた様子だ。


コンコン…扉がノックされ開かれた。

現れたのは──騎士ゴルドー。

「ゴルドーさん!?」

思わず驚いて声が出た、あのロッカとリブラーと

名乗った二人が現れるものだと…。

「お久しぶりです!ヨリツグ殿、ヤテンラ殿!」

「どうもなんじゃ」

「これはまた…大物が来たね!」


ゴルドーさんは空いている一人掛けのソファに

腰を下ろすと早速話を始めた。

「では…集まって頂いたのは他でもない

 ヤテンラ殿の魔王ノ宿木についてです。」

早速本題だ…ここで今後の動き方が決まる

俺たちはゴルドーさんの言葉に耳を傾けた。

「…私どもとしては、共に行動してほしいと思うのですが

 魔王ノ宿木が本当にあるとなるとそうはいきません…」

「魔王ノ宿木がいた…その事実は教会が動くに値します

 以前…城にアルバート教皇が予告なしの謁見で

 魔王ノ宿木について進言がありました」

「ヨハンナ過激派の筆頭ですわ…」


「…その進言ってやつは?」

おおかた予想はつく…しかしだ

それを受け入れる気はさらさらない。

「…魔王ノ宿木をヤテンラ殿を殺すと……」

「やれやれろくでもないね!」

同意だ、人の恋人を何だと思ってやがる。

静かな怒りが俺の中で渦巻く。

だが…国としてはどうなんだ?

わざわざ秘密裏にこの場を用意したんだ

少なくともゴルドーさんたち騎士は肯定ではないはずだ。


「もちろん、我が国王様は要求を突っぱねました

 しかし…家臣たちはそうではありません

 否定派と肯定派に分かれています今は否定が7割、肯定が3割ほど」

当たり前だ、夜天羅は魔王などにならない…

けれどそれは俺の主観だ。

この世界の住人からすれば魔族

それも魔王になり得る素質を持った者。そう映るだろう…


「不本意ですが私どもは表は教会に与する形になっています

 今回…魔王ノ宿木が確定してしまった以上は

 肯定派が増える可能性があります。」

「ちょっとちょっと!あのやり方は非合法でしょ?

 流石に信用できる訳ないじゃない」

確かに…あれはヨハンナ過激派の暴走と言っていい

勝手にそれも国王の客人に手を出したとなると問題も問題だ。


「そうです、それにシモダ殿の件をおいそれと話は出来ないはずです。

 本来の予定ならシモダ殿の口から国王様に進言するはずだった…

 しかし聖痕を看破され教会の関与を隠しきれない」

「なら俺と夜天羅は今まで通りでいいのか?」

「そう…ですね、私ども近衛騎士で教会…いえアルバート教皇一派の

 "聖人指定"を剥奪出来れば従う必要も組織を壊滅させることができます」

厄介だ…この先も教会は刺客を送り込んで来るはず

必要以上に警戒しなければいけない。


「一つ…謎が解けたよ、僕たちが依頼で出会った

 4等級の彼らは教会の奴らに騙されたんだろうね

 高度な詐欺師も納得がいくね!」

彼らを危険は承知でなんなら使い捨てるつもりで

あそこに送り込んだのか…

最悪、霜田さえ生きていれば他はどうでもいい。

聖職者の風上にも置けない。


「ゴルドー殿の事情はわかったのじゃ…本当に旅をしてよいのか?」

「はい、今回はシモダ殿を救出する為に

 部下のロッカとリブラーが戦闘をしましたが

 本来なら現状は国も教会も表向き手を出せない状況です。」

ゴルドーさんが言うならこの手が出せない状態はそうそう崩れないんだろう。

…少し、帰りを急ぐ理由ができたな。

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