第二十録:vs.グングニル 一節「機竜」
相手の出方を見る為に俺たちは一度合流。
激しい煙がグングニルを包み姿が見えない。
「…ダメですわ、手応えがありませんわ」
「同じくね、相当強度の高い神聖防御よそれに
魔術防御も内側に施されているわ二重の防御ね」
「都市防衛の要…その名に恥じぬようじゃのう」
「あぁ…俺が殴ってもダメージは
与えれなかった衝撃でよろめいただけだな。」
グングニルのその強固さは異常だ。
現状、攻撃が通らない。
なら…当初の予定通りに時間稼ぎに徹する
「レミリア、ネローズ、俺への被弾は気にしなくていい
ガンガン魔術をグングニルにぶつけてくれ」
「な!何をおっしゃいますの!?」
「気にするなって無理じゃない?」
「いや…旦那様は大丈夫じゃよ」
「ちょ、夜天羅まで」
焦る二人を横目に俺はストレッチを始める
今から…実戦で初めて使うそれは─
「解魔の瞳を全力で使う」
「それは!あぁなるほど…」
ネローズは納得した様子を見せる。
レミリアも一応は理解してくれた様子だ。
解魔の瞳はその出力を上げれば上げるほど魔に関するものを分解する
それは自身で扱う魔力による強化さえも対象だ。
一見はデメリットに見えるがきちんとメリットもある
出力を上げれば上げるほど肉体強度が
増してゆく、全力となればかなりの強化になる
「さぁ…おでましだぜ」
煙の中から現れたのは無傷のグングニル・クレイドル。
[…決めた、貴様らから殺す]
グングニルからは圧倒的な殺意の圧を感じる
どうやら本気にさせてしまったらしい。
(しかし…コイツらのデータは施設に閉じ込めた際に
徹底してスキャンして情報収集した…なぜ誤差がでる)
[…まぁいい、塵すら残さない]
「へぇ!!」
「な!変形した!?」
…どうやら、ここの研究者はロマンを
求めるバカが多かったみたいだな。
グングニルクレイドルは複雑な
変形を迅速にこなして人形に至る。
全長は14か16メートルぐらいだろうの巨躯
両腕には銃が握られている。
[…死ね]
構えた銃から連射される無数の弾丸。
夜天羅、レミリア、ネローズは家屋を盾に防御
俺は、走り前進する。
(このっ!人間風情が!弾丸を避けようとすらしない!?)
解魔の瞳を全開放した今の俺は魔術の使用を
引き換えにした身体強化、弾丸などただの豆鉄砲
グングニルはスラスターを吹かして
家屋の間を縫い後退してゆく、追いかけっこが始まる
「ハハハ!さっきの威勢はどうした!?怖いのか?」
[……]
「だんまりかよ!図星か!!」
背の高いビルに身を隠したグングニル
俺がそのビルの正面に来た瞬間
ビルが倒壊した押し潰そうと降り注ぐ瓦礫。
全てがスローモーションに見える
落ちて来る瓦礫を足場に駆け上がった。
その先から鋭い熱線が襲いかかる
「ハッ!」
身を翻し避ける、グングニルの姿が見える
手にはマシンガンではない武器を握っていた
…あれがエミリーから聞いていた内蔵装備"罰光"太陽に
匹敵する熱線で辺りを無に返す
超兵器、それを─。
「連射できんだよなぁ!」
雨霰の様に降り注ぐ熱線、辺りの家屋が溶ける
破壊の限りを尽くすその姿は
都市防衛用の機体とは思えない、純白の皮を被った化け物だ。
降り注ぐ熱線が止む
いくら連射が可能とはいえチャージは必要だ
タイミングを見計らってグングニルに接近
グングニルも俺の接近を察知、剣を振り下ろしてくる。
ガァン!!鉄が弾ける音が響く。
[!!?]
「なんだよ!驚く必要ねぇだろ!」
俺は事前にゴーレムを倒した場所から剣を拝借していた
魔術強化を使えない今は刀を使えない、だから使い捨ての武器がいる。
幸いなことに武器ならその辺に落ちている。
[っそんなガラクタなど!!]
激しい剣戟が続くが俺の剣が悲鳴を上げ始める
打ち込む事に、攻撃を受ける度に鉄にヒビが刻まれてゆく。
ガキィン!!遂に剣が折れた。
それを隙と捉えたグングニルは
俺へ剣を振り下ろす、辺りに塵風が巻き起こる
[き、貴様!!]
「白刃取りってやつだ!!」
グングニルの剣の側面を両手で挟み止める
(なんだこのパワーは!?動かん!!)
「っせーの!!」
[!!?]
俺は渾身の力を使い剣ごとグングニルを
横に横転させる、これは予想外だったのか反応が遅れる。
その隙を逃さず夜天羅が弓を絞り放つ
ネローズ、レミリアも魔術を使用、一定の場所へ集中砲火。
黒煙を上げるもののすぐに体勢を立て直し
後ろに後退する。
火力を集中的に浴びせた場所には─
「亀裂ができたのじゃ!」
「あぁ、でも─」
その亀裂がみるみると修復されていく
自己修復機能…もっと深刻なダメージじゃなければ意味がない。
「厄介ですわね!」




