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てのひらが燃える
54 てのひらが燃える
「はじめまして。こむらさきよ。面倒なことに巻き込んじゃって、ごめんなさいね。もうすぐ、自由にしてあげるから。」
「あ、いえ。でも、あの・・」
「なに?」
「えっと、言うとおりにしても、いいかなって・・」
「え?どういうこと?嫌がってたんじゃないの?」
「なんか、言ってることは胡散臭いけど、まぁいっか・・的な気持ちになってたから・・」
「・・へぇ、そうなの。」
「は、はい。」
「何故、まぁいっか的な気持ちになったのか、理由を聞かせてもらえる?」
「えっと・・せいらんさんたちのこと、信頼はしてないけど、信用はしてるから・・」
「意味がわからないわね・・」
「・・ですね。」
「まぁいいわ。どちらにせよ、やることは同じだから。でも、同意が得られて、良かったわ。」
「え?今、なんて・・」
「おしゃべりはおしまいよ。」
黒縁メガネのこむらさきさんは、ポケットから取り出した、カードリーダーみたいな機械に、ぼくのてのひらを押し付けた。その瞬間、押し付けられたガラス面が光って、すごく眩しくて、頭がキーンとなって、そして、ぼくのてのひらが、燃えた。




