100%不正解
46
「お察しの通り、ここは保健室よ。」
「・・ですね。」
「今日は、これから、ここで、ぼくのバイオメトリクスのバックアップを取る予定なの。この機械に、乗ってくれる?」
せいらんはそう言うと、ベッドの下、ぼくの足元あたりに、タ○タの体重計みたいなモノを置いた。
「・・はい?」
「これに乗ってくれる?すぐに済むから。足の裏をここにピタッとくっつけてね。はいどうぞ。」
「・・・。」
「はいどうぞ。」
「・・・。」
「はいどうぞ。」
「・・・。」
「あの、やっぱり、だめ?」
「だめです。」
「どうしても?」
「どうしても、だめです。説明が先です。せいらんさん、全部わかるように説明するって言ったじゃないですか。嘘ついたの?」
「嘘ついた訳じゃなくて、試してみただけよ。」
「・・・。」
「ごめんなさい。」
「ごめんなさいしてあげますから、説明して下さい。バイオメトリクス?バックアップ?なんなんですか?生体実験とか?暗黒組織に売り渡されるの?あ、もしかして、臓器売買?」
「違うわよ。全然違う。100%不正解。あのね、ぼくのバイオメトリクスをバックアップするのは、念の為。共存OKのはずなんだけれど、もしも、万が一、混ざり合ったり、一部欠損したり、一部書き換えが起こったりしたときに備えて、うちのシステムに保存しておきたいの。で、バックアップ後に、改めて、裏国データを、ぼくにインストールするって寸法よ。足から出して、手から入れるの。これ基本。ここまでで、分からないところは?」
「・・分からなさ過ぎて、分からないところが分かりません。」
「あら、困ったわね。典型的な劣等生の答えじゃない。」
「・・典型的な劣等生で、すみません。」
「仕方ないわね。もう一度ゆっくりと説明するわよ。」
せいらんさんは、そう言うと、またもや、ぼくの首の後ろを手刀でとんっと叩いて・・つまり、ぼくらは、また、気絶した。




