嘘嘘
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目が覚めたら、保健室だった。
「ぼく、大丈夫?痛かった?怒ってる?ごめんね。」
「あ・・あの・・ここは・・」
「大丈夫?痛かった?怒ってる?ごめんね。」
「あ・・あの・・どうして・・」
「大丈夫?痛かった?怒ってる?ごめんね。」
「・・大丈夫です。痛くないし、怒ってもいません。ゆるします。」
「あぁ、よかった。ぼくに嫌われたら、わたし、生きていけないから!」
「・・せいらんさん。」
「ん?なに?なにか疑問点でも?」
「ここは、どこで、どうしてぼくは気絶したんですか?それと、今、なんじですか?それと、せいらんさん、今、嘘つきましたよね。」
「ここは、保健室で、わたしが手刀を叩きこんだから、あなたは気絶したの。時間は3時過ぎ。それと、わたしは嘘、ついてません。」
「・・また、嘘ついた。」
「ついてないってば。」
「また、噓嘘ついた。」
「うそうそって何?ついてないって。ぼくに嫌われたら、わたしはほんとに生きていけないのよ。ふふ。」
「・・・・。」
「ため息ついた?」
「つきました。訳わかんないし。何も教えてくれないし。それに・・」
「それに?」
「ちょっと・・怖い。」
ぼくらがそう言うと、せいらんさんは、まるで驚いたようにちょっと瞳を見開いた。ぼくらが寝かされているパイプベッドの手すりをギュッとつかむ。細い指が白くなるほど、強く。
「・・ごめんなさい。そうよね。うん、わかった。全部、わかるように説明するね。」




