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はなださん
38 はなださん
「んん・・。ぼく?ここで何してるの?」
「あ!ごめんなさい。あっさむしようとして、迷っちゃって・・」
「・・給湯室行く途中で、ここに迷い込んだ?ありがちね。」
リクライニングを起こして、アイマスクを外して、メガネをかける。
「ごめんなさい・・。」
「いいのよ。わたしの寝顔、覗き見してたことなんて、怒ってないわよ。」
「・・いや、怒ってますよね・・ごめんなさい。」
「覗き見、してたの?」
「・・はい。してました。」
「ふふ。正直ね、ぼくは。いいわ、ゆるしてあげる。ビンタなんてしないから、こっちにいらっしゃい。」
「ビンタ?するの?」
「しないから。」
「ほんと?」
「さあね。」
完全に、揶揄われてる。でも、眼鏡なしの可愛いさんを瞬間的にでも見られたから、すごくラッキー。
「ここは仮眠室。当然だけど男子禁制なの。今日は突発事故ってことで、仕方ないけど、今後は、ここに入って来ては駄目よ。わかった?」
「はい。」
音もなく、近づいてくる青色車輪車椅子。ぼくらの横に並んで、一時停止。
「わたしは、はなだ。一緒にアッサムティー、飲みましょう。」




