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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悪役令嬢好きの女神の世界

♡しあわせの国♡

婚約破棄ものです!

途中で変な鍵かっこがでてきます〜ニュアンスでお読み頂けますと幸いです!!(´∀`*)

よろしくお願いします!♡

「ロザリンド!貴様との婚約を破棄する!」

「まあ!」


 王立学園卒業パーティー、皆が笑いさざめき別れを惜しむ中、この国の王子エドワードは婚約者である公爵令嬢ロザリンドに婚約破棄を突きつけたのだった!

 エドワードの腕にはピンク頭の女がへばりついている。

 ピンク頭は珍しい聖魔法に目覚めた平民で、その力を鍛え国に取り込まんと、この学園へ送られたのだ。


 入学前には仲睦まじかった婚約者の二人。

 しかしある時期からエドワードはロザリンドを蔑ろにし、ピンク頭を侍らせるようになり——


「貴様はこのマリアをいじめたそうだな!」

「こわかったですの〜シクシク〜」


 泣き真似をするピンク頭もといマリア。

 

「わ、私…そんな…っ…!」

 あまりのことにふらつくロザリンド。

 周りには大勢の人。同窓生、その家族、ロザリンドの両親になんなら国王夫妻まで。

 しかし皆、無表情でこのやりとりを見つめるだけ。ロザリンドは一人で耐えるしかない。


 するとそこへ——……


「では、私の元に来てくれないか?」


 唐突に現れたイケメン。それは……


「ブルブル王子殿下!」


 隣国の王子だった!!


「この国へ留学に来て、あなたが学園を案内してくれた時から、知的で美しく素敵な女性だと思っていた。

 交友を重ねるごとに思いはつのったが、あなたはエドワード殿の婚約者。諦めるしかないと思っていたが——どうか、私と結婚してくれないか?」


 さしだされるブルブル王子の手。

 ロザリンドは思わずその手をとるが——…


「「ふっ」」


「!?」

 

「「残念だったなロザリンド!!」」


 どうしたことか、ブルブルとエドワードから同時に同じ言葉が飛び出した。


「「このブルブルの体はすでに私——エドワードが乗っ取った!!!」」


 なんということだろう!

 エドワード王子は魔法でブルブル王子の人格を消し去り、己の人格を上書きし操作していたのだ!!


「「もともとこの男ブルブルは怪しいと思っていたのだ!

 留学の世話役にロザリンドを指定したりやたらつきまとってべたべたと!

 そしてロザリンドもまさか絆されるまいと思っていたがまさか!まさかだ!この男の手を取るなどと!

 しかしこの男本来の人格はすでに消失した!人格を剥奪し私が乗っ取ったのだ!貴様の愛した男はもういない!

 貴様に救いの手などないと知るがいい!貴様は私の手の内で踊るしかないのだよ!フハハハハ!!」」


「まあ!」


 たしかにエドワードは国一番、いや世界史上でも類を見ない魔力量と実力を備えている。

 他者の人格をのっとり操るくらいできるだろう。


「「それだけではない!」」


 ざざっと躍り出る男性数名。


「第二王子ルシル!!」

「義理の弟ベンジャミン!!」

「護衛バディアス!!」

「騎士団長ミッチー!!」

「モブ男爵子息!!」

「庭師の息子!!」

「魔王!!」


「(×7)全員中身は私、エドワードだ!!!!(×7)」


「そ、そんな…!!」


 おののくロザリンド。

 いくらエドワードでも、そんなに大勢の人間を一度に操ることなどできるのか?

 いいやできるのだ!

 エドワードは器用だった!!


 エドワード、ブルブル、他の男たちは全員一糸乱れぬまったく同じ動き同じ表情で同じ言葉を語る。


「(×9)全員ロザリンドに懸想しあわよくばと狙っていた者たちだ!だがすでに皆私の手におちた!!

 ロザリンド、貴様が誰を選ぼうが全て私だ!!フハーーーハッハーー!!!(×9)」


「そ、そんな…!!なぜそのような…!!

 殿下は婚約破棄なさったのでは?」


 そうだ。ロザリンドに気のある男を邪魔する。それではまるで……。しかしエドワードはピンク頭をへばりつかせ婚約破棄をしたのだが……?


「(×10)マリアもすでに私だ!!!(×10)」


「なっ…!!」


「(×10)やたらすり寄ってくるこの女、殺すかと思ったが、ブルブルと親しくしているロザリンドに胸を痛めていた私は、これを使えばロザリンドの心に妬心がうまれ、愛を再確認してくれるのではないかと考えたのだ!

 しかしロザリンドはこの女を処分しようともしない!おためごかしの嫌がらせをするばかりで、これは表面を取り繕い、嫉妬しているふりをして本心では他の男のもとに逃げようとしているのだとわかった!!

 だから貴様に近づく男どもすべてのっとったのだ!あとこのピンク頭は元の人格でそばに置いておくと秒で殺しそうだったから仕方なかった!(×10)」


 かわいそうなピンク!!


「(×10)そしてそれだけではない!!(×10)」


「!!?」


「(×♾️)この国の人間全ては私だ!!(×♾️)」


 なんたることか!!

 会場にいた全員がエドワードと全く同じ動き、表情で同じ言葉を放ったのだ!!


「(×♾️)貴様を逃がさぬためこの国の全ての人間を支配下においたのだ!!

 ロザリンドにブルブルの世話を言いつけた父上ももちろんな!全く許せぬ!!

 諦めるが良いロザリンド!!(×♾️)」


 会場の全員がロザリンドを一糸乱れぬ動きで囲んでフハハハハとぐるぐる回る。

 王様も王妃様もロザリンドの両親も学友も警備兵もみなぐるぐる。

 実は会場の外、国中でも皆が同じ動きを同じ喋りをしているのだった!


 「(×♾️)わかったかロザリンド!どんなに嫌がっても貴様は私と共にあるしかないのだ!!

 王命による婚約など破棄してやる!

 私が私の意思、私の名の下で貴様に命じる!!

 ロザリンドよ!私の妻となり永遠の愛を誓うのだ!!(×♾️)」


 ピタッととまり、全員の指がロザリンドにつきつけられ

 そしてロザリンドは——……



「喜んでお受けいたします!!!!」



 満面の笑み、顔を赤く染めて答えたのだった!


「(×♾️)なっ!!?(×♾️)」


「ですが殿下、皆様でお声を出されるといささか耳がいとうございますわ。物理で。お一人でお声をいただけますか?」

「あいわかった」

 応じる王子。

 エドワード一人がロザリンドの前に進みでる。


「なぜだ?ロザリンド。君は——私から逃げようとしていたのでは?」

「いいえ?私の心は常に殿下にありますわ」

「しかし——ブルブルの手を取ろうとしていたではないか!」

「それは知っていたからですわ。

 ブルブル殿下の中身が——エドワード殿下だと」


「(×♾️)なっ!!?(×♾️)」


「殿下!」

「すまんつい。しかし——知っていたとは!?」


「ええ、私殿下を愛するあまり、その一挙手一投足を見逃したくなく、女神様にたまわりました〈監視録画魔法〉にて、殿下の全てを見ておりましたの。

 ですから、ピン…マリア様を殿下が利用しようとしていたことも、皆様の人格をのっとったことも知っていました。

 ですからマリア様を処分することはなかったのですわ」


「それで寝ているうちに足の指を切断する程度のことしかしなかったのか」


「さようですわ。でもそれもまだマリア様がマリア様のうちのこと。

 中身がエドワード殿下になられてからは、おっしゃる通り周りの目を誤魔化すためのささいな嫌がらせしかしていません。学園にはまだご本人のままの方が多うございましたので」


「それで寝所に馬の首を投げ込む程度のことしかしなかったのか」


「さようですわ。」


 そう、ロザリンドは知っていたのだ。

 さきほどマリアがシクシク〜などとやっていた時驚きふらつき、周りを見渡したのは、あのエドワード様がこんなことを!!シクシク〜なんて!!キャーー!!とときめきがとまらず、思わず周囲に同意を求めんとしていたのだった!


「そうか…たしかにマリアは役にはたったのだ。

 妙な魂をしていたので自白魔法をかけたらテンセイシャといって、よその世界の魂が元の人格を乗っ取ったのだと白状した。

 それを参考に他者の人格に己を上書きする魔法を開発したのでな」

「まあ…!殿下のお役に立ててマリア様も本望でしょう…♡」

「しかし!」

 

 エドワードが、きっとロザリンドをにらみます。


「ブルブルのことはどうだ!?奴の手を取ろうとしたではないか!?」


「それは…エドワード殿下をずっと拝見してはおりましたが、お声にだされぬお心のうちはわかりません。何を目的にこのようなことをされているのかまでは、わかりませんでした。

 わからぬまま、エドワード殿下はエドワード殿下マリア様とお二人で行動され、私とご一緒して頂けることはありませんでした。」

 ふっ、うつむくロザリンド。

「ですから、エドワード様に久しぶりに手を差し出され、嬉しさのあまり、外見がブルブル殿下とはいえ思わず手を取ってしまったのですわ……♡」


「ロザリンド…♡!!!」


 きゅん!

 頬を染め恥ずかしげにするロザリンドに、これまた頬を染め胸を抑えるエドワード。


「でも私、すこし怒ってますのよ?私の心をお疑いになられるなんて……。いいえ、私がいたらなかったのですわね。申し訳ございません……」

「何を言うロザリンド!私の心が弱かったのだ!すまなかった……!」

 

 ロザリンドの手を取りひざまづいて許しをこうエドワード。


「婚約破棄も驚きましたわ」

「それもすまなかった。王命などでなく、私の心そのもので君に求婚したかったのだ。許してくれるだろうか?」

「もちろんですわ」

 

 微笑むロザリンド。


「だって、私以外みんなエドワード殿下だなんて……!こんな素敵な国にして頂いたのですもの♡!!」

「ロザリンド!!♡」


 ひし抱き合う二人。


「殿下が沢山で嬉しいですわ。でも…このように触れ合うのは、本当の殿下お一人がようございます…♡」

「ロザリンド……♡」


 二人は見つめ合い——…


「ロザリンド、どうか、エディーと…♡」

「エディー様……♡」


 熱い口づけをかわしたのだった!!

 きゅん!!♡


**************************************


 さてそれから——


 実質二人きりの国で仲睦まじく幸せに暮らした二人。しかしへたに隣国の王子や魔王を巻き込んだため事態は早々に他国に知れ渡り、国民すべての精神をのっとるなどなんたる邪悪悪鬼羅刹の所業かと、人民を解放するべく連合軍による聖戦がしかけられることとなった。

 その戦いが、そして二人がどうなったのか——他の国がどうなったのか、二人の子供がはたして()()()()でいられたのか——……


 ——それはまだ、誰も知らない——!


 そして実はこの世界が乙女ゲームをもとに女神が創造したもので、悪役令嬢好きの女神がざまあのための冤罪防止監視録画魔法をロザリンドに与えたのだが、まさかの使い方とあまりの事態にこんなはずではと頭を抱えていることもまた———…

 誰も知らないのであった!!


♡完♡









お読み頂きありがとうございました!(´∀`*)


なろうで婚約破棄され令嬢何人いるんだろってタグ検索したら15800ほどで、うわーすげーナウルの人口(13000)より多い!てなって、私も増やさなきゃ!!てかきました♡…が…破棄はしました……一応!!めざせパラオ!(18000)

ラブ!(´∀`*)

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― 新着の感想 ―
声を出して笑うために部屋を移動しました 目的の部屋に猫がいたので、隣の部屋で無事に笑えました あ、いま出てった
[良い点] 想像を絶するまさかの展開。 それで良いのかロザリンド。 それで良いのかエドワード。 2人が顔を赤らめる♡たび、割れ鍋に綴じ蓋な2人にうぐっと笑いが漏れてしまいました。 おためごかしの嫌が…
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