エピソード2 帰還
「それにしても僕がスタンピードを止められたなんてなぁ。」
『当然である。誰が鍛えてやったと思っているのじゃ。まあまだまだだじゃがな。』
「師匠は厳しい。」
『当然であろう。』
そんな話をしながらダンジョンの入り口へと向かう。
あの日、僕はこのミカエルの剣という神器と契約した。そして神器に宿るミカエル師匠に鍛えてもらいこのダンジョンの『最下層の先』まで攻略した。
「あー、久しぶりの地上だぁ。」
『そうかマスターにとっては一月ぶりじゃな。』
「うんうん。一か月ぶり・・・・・・・・・って僕、一か月お風呂入ってない!」
『・・・・・・・うん?』
そこで僕は気づいた。自分が一か月モンスターと戦い続けた激臭男になっているということに!
「やだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!こんな臭さで外歩けないぃぃぃぃぃ!!!!!!」
『あ、えーっとぉ、』
「そうだ!途中の階層にあった湖に行こう!!!!そうすれば・・・・」
『危ない!!!!』
僕が急いで方向転換して湖の階層に行こうとした時、もの凄いスピードで何かが激突してきた!!!まずい!完全に油断してた!僕はすぐさま戦闘態勢に入ろうとしたがすぐにその必要がないことに気づいた。
「お兄ちゃん!!!!!!!!」
「怜!!!!」
一か月ぶりに聞く見知った二人の声に僕の涙腺が刺激される。
「ただいま」
「「おかえり!」」