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エピソードオルタナティブ1 ダンジョン配信者あかりん

「やっほー!みんなー!今日もあかりんのダンジョン探索配信やってくよー!」


"おー!"

"待ってましたー!"

"俺の唯一の癒し"

"今日もかわいい!"


彼女の名は佐々木明里。あかりんの愛称で呼ばれる新進気鋭のダンジョン配信者である。


「今日はオークのソロ討伐に挑戦しまーす!」 


"オーク!?"

"オークはだめだよ!あいつらゲーム通りの女好きなんだから!"

"でも倒せたら脱初心者って言われてるな"

"そうか!あかりんもうそろレベル20か!"


「そうそう!事務所からもOK出たし、そろそろ脱初心者したいなって思ってたの!それに今日はポーションもたくさん持ってきたし!」


そう言って数種類のポーションが入った『インベントリ』スキルの一覧を表示する。


"ハイポーションまであるやん!?"

"事務所!!!優遇しすぎだ!"


「違う違う!これは同期のかなみんが作ってくれたやつだよ!頑張ってって言われた!」


かなみんとは佐々木の事務所の同期であり調合スキルを活かしたポーション系で回復からサブアタッカーまでこなすマルチ系ダンジョン配信者である。


"あー、この前ハイポーション1万本作るまで終われません耐久やってたなw"

"ハイポーション1万てw"

"MPポーションがぶ飲みは笑った"


「まあそんなわけでしゅっぱーつ!」


"おー!"

"おー!"

おー!"

おー!"

おー!"

おー!"

おー!"

おー!"




そして佐々木はダンジョンを進んでいたのだが


「なんかほとんどモンスターいなくない?」


"ほとんどというか全くいないね"

"もしかしてイレギュラー?"

"けど組合からはなんも情報出てないぞ?"

"なんか嫌な予感がするな"

"あかりん今日は諦めて別日にすれば?"


「いや、ここは調査として進もう。もしイレギュラーだったら逃げればいいし。」


とその時だった。


ドドドド!!!


「お、ついに来たね!さあ···············え?」


足音のようなものと共に佐々木の探知スキルに映ったのは恐ろしい数のモンスター反応。


"まずい!"

"スタンピードだ!"

"あかりん逃げて!"


しばらくして現れたそのモンスター群に視聴者も大混乱に陥る。


「あ············あぁ。」


"だめだ!"

"あかりん!"

もはや終わりだと視聴者も諦めかけたその時


ドンっ!


大きな重低音が響き渡ると共に佐々木の視界も視聴者の画面も真っ白になる。


「ふぅ。なんとか間に合ったぁ。·················すみません。はい。精進します。·········え?あぁ」


何も見えない。だけどそこに男がいるという情報だけが頭の中を駆け巡る。そして次第に光は止み、その全容が見える。


「あのー、大丈夫ですか?」

「え、あ、えっと················スタンピードは!?」

「スタンピード?ああ、このモンスターたちですか?」

「ひっ!」


少年の姿が露わになるがそれどころではなかった佐々木の視界に大量のモンスターの死骸が入る。だがすぐに魔石となる。ダンジョンで倒されたモンスターは魔石となり、新たなエネルギー資源となっている。


「どこか怪我とかしてないですか?」

「え、あ、えっと、だいじょぶ、です。」

「それならよかった。それじゃあ僕は急いでるので。」

「え、あ、お、お礼を······って、はやっ!」


まるで光のようにどこかへと少年は行ってしまう。


「え、えーっと、とりあえず、今日は帰ろうか。」


その翌日、未曾有の大災害を食い止めた謎の少年は一躍、有名になる。

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