エピソード1 ミカエルの剣
『よくぞ来た。解放の戦士よ。』
「え」
その日、僕は運命的な出会いをした。
僕の名前は高司怜。15歳の高校生ダンジョン探索者だ。と言っても僕は荷物持ち。高校に進学し、同じクラスメイトで勇者のスキルを持つ幼馴染の子がいたためいろいろあって荷物持ちとしてその子のパーティーにいた。
けど僕はさっき追放された。冷淡な声で、見下されるような目で戦えないやつはいらないと言われた。僕は1人とぼとぼとダンジョンの帰路についた。だけど僕のことをよく思っていなかった同じクラスメイトの男子により僕はダンジョンでボコボコにされた。そしてあろうことかモンスターハウスに放り投げられてしまったのだ。
モンスターハウス、それはダンジョンでも屈指の危険地帯。モンスターが大量に現れるその部屋は一定数のモンスターを倒さない限り出られない。さらにモンスターハウスは隠し部屋となっており、まるで宝がありますよという感じで探索者をおびき寄せる。そして最も探索者が死にやすい部屋でもある。
そして偶然にもあいつらはそこを見つけ僕を投げ込んだ。既に骨のいくつかが折れており、助けを呼ぼうにも声をあげることすらできないほどに僕はボロボロになっていた。このままではモンスターたちに殺されてしまう。
だがいくら待てどモンスターが現れない。僕は痛みを我慢しながら部屋を見回す。すると壁際に台座のようなものがあり、そこには光り輝く剣があった。僕は這うようにその剣へと向う。身体が勝手に動く。どうなっているんだと疑問に思うこともなく僕の頭の中はあの剣を引き抜くことだけに集中していた。そして僕はやっとのこと剣に辿り着いた。その時、
『よくぞ来た。解放の戦士よ。』
「え」