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「ヴィレーナ殿の魔法をバケモノなどと言って本当にすまぬ」

「私も同じく。ヴィレーナがいない間、明らかにモンスターの仕業だと思いバケモノだと思い込んでしまった。すまなかった」


 国王陛下とキーファウス殿下が揃って頭を下げてきます。

 そんなことで謝られたら、これから私が謝ることについて、絶対に許されなさそうだと思ってしまいますよ……。


「全く気にしていません。私自身も驚きすぎていましたし……。それよりも、その魔法で壊してしまった山はどうしたら良いのかわからなくて……。一生かけて弁償するつもりです。大変申しわけございません」


 破壊された山がどこの国の領地なのかはわかりません。

 もしもブブルル王国の物であれば、過剰に請求されることも覚悟しなければです。

 しかし、どういうわけか国王陛下はなにごともなかったかのように不思議そうにしながら手で頬を掻いています。


「倒すために致しかたなかったのだろう? 国、いや、世界のためにやったことで賠償請求するわけなかろう」

「え!?」

「おそらくブブルル王国南方方向に位置する山脈だろう。あのあたりはモンスターの住処と言われ、人が関与することのない場所だ。誰の領地でもない。強いて言えばモンスターの領地だろうか」


 よく考えてみたら、ここは地球ではなく異世界でした。

 本で調べたところ、星の大きさも地球よりも遥かに大きいようで、土地も有り余っているそうです。


「つまり、上級モンスターだけでなく、手のつけられなかったモンスターの住処まで一掃してくれたということか……。本当にヴィレーナ殿には感謝しかない」


 また国王陛下とキーファウス殿下が揃って私に跪いてきました。

 だからその体勢はやめてほしいんですって!


「どうか立ち上がってください。自然を破壊してしまったことには変わりありませんし、褒められることではありませんので」

「ヴィレーナはもう少し、自分が成し遂げたことを誇りにおもっても良いと思うのだが」


 キーファウス殿下はそう言いながらもなぜか嬉しそうな表情をしていました。


「だが無念な結果も否めない。ブブルル王国王都はモンスターの攻撃により壊滅してしまったそうだな。いったい何人の命が犠牲になってしまったことか」


 社畜生活をしていたとはいえ、私にとっては故郷のような場所でした。

 ショックは大きいのです。


「数百大規模で馬車がこちらの王都へ向かっているのを確認しました。おそらくブブルル王国の住人たちかと」

「ふむ。私はどのみち間もなく国王を引退する。ここはキーファウスに今後の判断を任せることにしよう」


 キーファウス殿下は、すぐに口にしました。


「彼らは被害者です。移民希望は受け入れ、新たな仕事も提供できるよう力を入れる所存でございます」


 それはきっと、ゴルザーフ国王も含めて受け入れるということでしょう。

 こちらの国の住人になるにあたり、素直にこちらの国王陛下のいうことを聞いてくれるかどうかいささか疑問はありますが、さすがに状況を考えたら大丈夫かなと安易な考えを持っていました。

 もちろん数日後、誰よりも早くメビルス王国に到着したゴルザーフ国王の態度を見て、ここにいる全員があっけにとられてしまったことは言うまでもありません。


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