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25話

 はじめての転移=瞬間移動は不思議な感覚でした。

 今まで神様の手によって転移したときはどちらも意識を失っていて、気がついたらその場所にいたというもの。

 今回は、意識があるため、いきなり違う場所の視界が入ってくる感じで、ちょっと気持ち悪くもなってしまいましたね。

 何回か転移を繰り返せば慣れてくるとは思います。


 おっと、そんなことは今はどうでも良いんです。

 不本意ではありますが、ブブルル王国の王宮内部へ転移しました。


 そこしか意識して移動できる場所がなかったため、いたしかたなく。

 すでに全員避難しているようで、王宮内分はガランとしたもぬけの殻状態です。

 ますます上級モンスター出現の信憑性が増したというわけですね。


 誰もいないという状況はむしろラッキーで、王宮内をスイスイ進むことができ、あっという間に王宮の外へ出ました。

 外を見ると、この位置からでもわかるくらいにとんでもなく巨大な怪物が真っ直ぐブブルル王国王都を目指して進んでいます。

 ただし、空は飛んでおらず、地面をゆっくりと歩いているようです。

 見た目はラノベでよく見るようなドラゴン。ただし、想定していたものよりも巨大で、その大きさは飛行機くらいのサイズはあるのではないかと……。


「こんなのとどうやって戦えば良いの……?」


 途方に暮れながらも、ドラゴンに向かって走ります。

 進行速度を高速にする覚えたての、『ダッシュ』という空属性魔法を発動させてから。


「神様に感謝しなきゃね」


 脳内には知らなかった魔法がいくつも入っていたのです。

 おかげで、初めてでも発動方法や効果も最初から知っていたかのように発動ができました。

 まるで自分が新幹線にでも乗っているかのようなスピードで走ることができ、あっというまに王都の外へ出て、モンスターのすぐそばまで近づくことができました。

 使ったことなんてありませんが、念のために騎士団が使う刀を持ってきました。


「……うん、持ってきても意味がなかったよね」


 仮に刀で貫くことができても、人間で言えば蜂の針に刺された程度でしょう……。

 それくらいに上級モンスター=ドラゴンは巨大なのです。

 強力な毒が付与されている刀なんてものがあれば良いのですが、生憎この世界には付与効果がある刀は今のところ存在していないようでして。


 ドラゴンは、私のことにまだ気がついていないようで、真っ直ぐに王都へ向かっています。

 しかし、突然ドラゴンが止まったのです。


 ――コォォォォォォォオオオオオオオオオオオ!!!!


「え? ちょっと待って。そんなのずるい!!」


 私が大声で叫ぶものの、ドラゴンは全く気がつく様子もなかったのです。

 ドラゴンの体内から口を通して発動されたエネルギー砲のようなブレスは、ブブルル王国王都に向けられ放たれてしまいました。

 そして、あっという間のできごとです……。


 ――ズゴォォォォォォォオオオオオオオオオオオン……………………!!!!


「うわぁ……わわわわわわ!!」


 このあたり一帯が立っていられないほどの地震が襲います。

 それもそのはずで、それだけドラゴンの放ったブレスが強力で、地面が大きく揺れるほどだったのです。

 そして、被害にあった王都が炎で包まれていたのです。

 それだけでは止まらず、ドラゴンが放ったブレスは王都を貫通してその先に見える大きな山に衝突。山の一部が吹き飛んでしまいました。


「嘘でしょ!? あんな威力のあるエネルギーが直撃したら、絶対に助からないでしょう……」


 神様は大丈夫だとお墨付きで言っていましたが、心配になってきました。

 どちらにしても、私の使命は聖女としてモンスターを生まれさせないのが役目。

 つまり、出現してしまったモンスターはなんとかして退治しなければならないのです。

 逃げるわけにはいきません。身体中ガタガタと震えていて恐怖で動けないけれど。

 私は覚悟を決めます。

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