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はぐれ者の雪女

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


圧倒的にオチのない、供養本です。

雰囲気だけです。


私の部屋は洋室。四足の木製のベッドに白い壁。もう少し天井が近くにあったはず。しかし目が覚めると、木目を連ねた斑模様の天井。薄い敷布団に横たわっていた。旅館にでも来たようだ。最も、近日泊まり込んだ記憶は無いのだが。

あぁ、夢だ。元旦に見る夢が目覚めてもなお続いている。

体を起こして開け放たれた障子の外を。木々の黒さと対象的な白が深く、深く積もっていた。水墨画。という言葉が浮かんでは消える。この白と同じように。

遠くから木が軋む音がした。誰かが来るようだ。もしかしたらこの屋敷の主かも知れない。

「なんだ。もう起きたのか」

「……」

男は足をピッタリと合わせたまま、見下ろしてきた。

黒の短髪。双眸は涼し気な切れ長。と言えば聞こえは良いのかも知れないが、単に目付きが頗る悪い。此方が凍りつきそうな程。そしてこの寒い景色に不釣り合いな薄い浴衣を羽織っていた。

見詰め合う事数秒。先に口を開いたのは私だった。

「此処は?」

「お前、目が合っただろう」

質問の答えでは無いものが返ってきた。端から話す気が無いのかも知れない。だったら私も答える必要は無いだろうと口を噤んだ。その場で体育座りをして、この銀世界を見る。綺麗だ。とっても。今年は雪を見なかったから、なおのこと。

彼も何も言わなかった。黙って隣に座り込み、私と同じ様にこの水墨画を眺めている。

「元旦には、必ず見ますがね。この水墨画。でも今は余りにも現実的だ。で、此処は?」

夢じゃないようだ。指先が悴む痛みも、目の前に広がる銀世界も。余りにも美しく、しかし現実的だった。

「はぐれ(もん)の雪女の唯一の居場所」

「そうですか。昔から白装束の美人とは目が会いますけどね。関係あります?」

昔から背後より視線を感じた。振り返ると、女がじっと此方を見詰めてきた。目の覚めるような白装束。長過ぎる黒髪。そして何より血も凍てつく視線。でもそれだけだ。別に何かをされた訳じゃない。触る事は愚か、近づく事さえしなかった。

「あぁ……」

そう言うと、血の凍るような視線を一身に此方に向けてきた。見覚えがある。そう、私を熱心に見詰めてきた、あの女の視線と酷似している。

「帰す気はあります?」

「どうだろな。氷漬けにして、飾るかもな」

雪女の話が書きたくて。

あと、目付きが最悪な美丈夫が書きたくて。

こうなりました。


雪女は代々女しか生まれないから、浮いた存在だといいなぁと。

女の子の過去も一癖ありそうだなと。


リベンジしたいです。

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