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逆ハーと破滅からの脱出 1




魔獣の大規模侵攻(スタンピード)は、聖女の力で封じられた。



ミク様は、成功したのだ。


半年の神殿での修行で、己の力を見事に操って見せた。

ただ、あの凄まじい魔力は、常人より少し多いかな、程度まで少なくなってしまった。



その後、我が公爵家が後見となり、養女に迎え。

中途からになるが、ミクは学院に通うこととなった。

私の、義妹として。



そして、例の『逆ハー』が始まった。

自分とエドウィン様のことばかりで、すっかり忘れてた。



ミクは、すでにエドウィン様と、召喚の時にいた将来有望な神官、トリフィル様を籠絡している。



エドウィン様は、神殿ばかりに聖女を関わらせるのを嫌った皇帝陛下によって、ミクの『相談役』となった。

最初の2ヶ月くらいは嫌そうにしていたが、今はもうミクにべったりだ。

自分はもう学院を卒業しているので、毎日ミクを皇宮に呼び寄せている。

たまに見かけるエドウィン様の表情(かお)は、それはもう甘い。

———私に向けていたものよりも。



予想していたとは言え、あまりの変わりっぷりにドン引きである。

もう、滑稽過ぎて怒る気もしない。

『魅了』恐るべし。怒りさえ起こさせないとは。


「お義姉(ねえ)様~!」


満面の笑みで、こちらに駆けてくるミク。


公爵令嬢としては失格の振る舞いだけど、現代日本人だった我が身としては、眉を顰める程でもない。

懐いてくる姿は、小動物のように可愛いし。


軽く笑みを浮かべて、手を振ってやる。


そんなに急ぐと転ぶよ、と思っていると、案の定石畳に足を取られ、躓いている。

あっ、倒れそう、と思ったら…ほら、安心と安定の攻略対象者。


さっと腕をミクの腹部に回して、片手で抱え上げる。



はい、お分かりですね。

騎士団長子息、侯爵令息ナイアス様だ。



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