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転生しました!悪役令嬢 9




さて。何故ここまで私が『魅了』に対抗する術が無いと思っているのかというと、だ。


『魅了』という能力(ギフト)について、私の(ラノベ)の知識だけでなく、この世界でどのように作用するのか、『こちらの情報』を探して調べたのだ。


これには、『筆頭婚約者候補』という立場が大いに役に立った。

皇宮の禁書を閲覧する権利を得たからだ。




まず、『能力(ギフト)』というものは、この世界で一般的に『認識』されていない。

この能力を本当に存在しているものとして知るのは、『神殿』と『皇家』だけだ。

秘匿されているのだろう。


300年程昔、『能力(ギフト)』は気軽に調べることができたし、人々もそういうものがあると認識していた。


だが、悪い人はいるもので。



能力(ギフト)』を持つ者を誘拐し、私利私欲の為にそれを使わせる輩が、皇族•貴族•裕福な民に、相当数いたそうだ。


能力(ギフト)』は、言い換えれば『神の祝福』だ。

ごく限られた人に与えられる、特別な能力。


だから、この状況は、神の怒りに触れた。


『神の怒りに触れ、人々は能力(ギフト)を取り上げられた』と、皇家の歴史書の中にあった。勿論禁書である。


うーん…練り上げられてるな。

(ラノベ)の作者さん、やり過ぎです。抜け道が無いじゃない。


「聖女が、『魅了』の『能力(ギフト)』を持つということを皆に知らせて、注意を促すのは、現実的ではない、わね……」



私は、誰に聞かせるでもなく呟いた。


聖女には特別な能力があるよ、皆に自分を愛させる能力だよ、と言ったところで、そんなの個人的な心の動きじゃないか、ということで終わってしまう。

『神が与えた大きな力』だと言ったところで、秘匿情報を公開した罪に問われるのは私だ。


では、皇家の皆様に注意を促すのは?


……やってはみるけど、その危険性と魔獣の大規模侵攻(スタンピード)を秤にかけたら、秒で魅了の危険性は排除されるだろう。


『好意を持たせる』だけだというのも厄介だ。

危険性を証明するのが難しい。

例えば、エドウィンに言ったところで、「私の心はそんなに簡単に動かない」と言って終わりだろう。



となると、やはり。

私は、逃げ道を準備しないといけない。

独りの力で生きていけるよう、今の状況を利用して、今できる、最大限の準備を———

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