第一回放送-2
初回掲載日時は2021年12月12日でした。
本編との分離を試みた際、保紫先生からのおハガキ的コメントまで誤って削除してしまいました。
申し訳ありません。コメント内容の大意(つまり、質問)は、番組内で取り上げていますので、許してください。
♪ チャラッチャチャッチャチャチャラー(デケデケドンデケデケドン)チャラッチャチャッチャチャチャラー(デケデケドンデケデケドン)
♪ チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャラッチャッチャララー、チャッチャー(デンドンデンドンデンドンデンドン)
《中略》
♪「パァアンツー」チャッチャー「イッチョマーン」
『パンツイッチョマン』とは、文明を守る為、日夜裸一貫で戦い続けるヒーローが登場する、音声多重総天然色3D脳内構築活劇なのだ!
ナレーター(以下、「>」と表記): 連続特別企画『イッチョマン・RADIO』、よもやの第二回が始まりました。今週も私ナレーターが、DJを務めさせていただきます。そして、第二回のゲストも、最勝寺蔵人先生です。
♯ パチパチパチパチ(ナレーターの拍手)
最勝寺(以下、「最」と表記): あ、どうも。……ちょっと質問なんだけど、オープニング曲の後、なんかナレーションが入ってなかった? いや、君の声ではなくて……あれは……次回予告の人?
>はい。前回放映後、次回予告の声の方が「お休みかと思っていたけれど、面白そうな企画やっているじゃない。ボクも出させてよ」とノリノリで申し出てくれましたので、出ていただきました。代わりに、放送では、前回話題にもなった「パンツを脱いだら」の部分が中略されています。
最: あ、そうなんだ。まあ、音楽カットはどうせみんな読み飛ばしているから問題ないけれど……。もう一つ、質問。前回ラストが、CM前のアイキャッチだったけど、CM後のアイキャッチは音無しのシルエットだから、ラジオじゃ再現できなくで却下したの?
> そのとおりですが、シルエットの方はほら、スタッフが黒画用紙切り抜いて作ってくれていますよ。先生の「検索!」ポーズです。
最: なるほど。シルエット演出無しで良かった。俺は裏方だから、本来前に出るべきじゃないもんな。
>そう。その貴重な機会を今回もがっしり掴んで、有効利用していきましょう! ガシガシ質問ぶつけていきますね。というわけで、早速最初のコーナー入っていきましょう。「『パンツイッチョマン』のヒロインは誰だ!?」
♪ パァーンツー(チャッチャー)イッチョマーン
最: 慣れてくると、微妙に間延びする曲だね。……まあ、読者には関係ないか、読み飛ばしてもらったらいいんで。いちいち脳内再生すると間延びするので、注意して下さい。
> くっ。「読者」を「リスナーさん」で上書きしたかったんですが、そうすると後の話が繫がらなくなるので、ここは仕方なく放置ですね。発言を消し去るほどの権限はこちらにないので。
最: ああ、ごめんごめん。で、何だっけ? ヒロインについて?
女神モエ: 貴方の世界には萌えが足りません。
最: あれ? 何!? 今の声?
> えーと、女神モエ様です。『パンツイッチョマン』の作品として足りない部分を、お告げによって示してくれたわけですね。
最: 待て、待て……女神モエ? そんなキャラ知らないぞ! もうっ! 黒猫ニャーンといい、女神モエといい、勝手にキャラ増やすの止めてくれない? 管理する方の立場も考えなさい!
>でも、黒猫ニャーンについてはもうお墨付きですよね? だって、前に黒猫ニャーンのテーマ、歌ってくれたじゃないですか!
最: あれは……まあ、君が楽しそうに、というか、真剣に黒猫ニャーンについて語っていたから、話題を変える為に、仕方なく歌っただけで……
>リスナーの皆さんは聞いていない場所での披露だったので、振り返って調べなくても良いですよ。でも、楽しい曲でしたね。確か……あれ? 何だっけ
最: ♪ネーコネッコネコネコー、黒猫ニャ~~ン!
>ああ、それそれ! ありがとうございます。
最: くっ、迂闊だった。「これくらい覚えておけよ」とちょっと苛立って歌ってしまったが、それは罠だったか……。
>そういうつもりはなかったんですが、結果的に、先生が改めて認めてくださって良かったです。しかし、黒猫ニャーンという化け物は実際に存在しまして――
最: あー! っと、そんな事より番組を進めないと。ほら、ディレクターさんだっけ? あの人が怒ってるよ。
> あ、そうでしたね。……ちなみにディレクターは「歌うな」と言ってますから、私ではなく先生に怒っているようですね。
最: まあ、いいや。ヒロインだったな。そういえば、保紫さんからのリクエストでもその話題があったぞ。
>おお、先生の方にもおハガキ届いていましたか!? で、ヒロインの候補として挙がっているのは、登場順に、銀子先生、ファンタスティック・チェリーこと桜ちゃん――
最: あ、そこはファンタスティックなんとかは無しでいいよ。もうその名で呼ばないから。
>はい。では、単に桜ちゃん。そして、ハルさん――
最: あ、その、ハルさんって、誰? 保紫さんも言ってたけど。
>なるほど。仰っていたとおり、登場人物の管理ができてませんね。ハルさんは、なりすまし詐欺の被害になりかけたお婆さんですよ。
最: ああ、あの人! ……ん? ばあちゃんがヒロイン候補っておかしくない?
>ま、さ、に、そこ! ちょい役のお婆さんなのに、スタジオ調査によると、萌えキャラ投票で一時有力候補と言われていましたから。……って、これは「ちょい役でも魅力的」という足し算的な意味じゃないですよ。他に候補が居ないっていう引き算的な意見ですから!
最: ……はぁ。さっきから、モエって言うけどさぁ、そんなに俺の作品にモエはない? むしろ、俺は燃えがなきゃ物語が進まないところがあるんだけど。
>いや、無いわけではないですが……意外ですね。先生が萌えを意識していたなんて。
最: そうだよ! 例えば、パンツイッチョマンとノーパンマンの戦闘シーン。暗くて狭い廊下での戦いって、緊迫感あって燃えるじゃん。あれはむしろ映像では表現しにくい――
>ちょっと待ってください。先生の仰る「モエ」って、熱血の方の「燃え」ですよね?
最: うん。……他にあるの?
>そりゃあダメだ。萌えの意味がわかってないんだから、できるはずがないですよ。
最: え? 何!? 別の意味? どういう事?
>漢字は……萌黄色の「萌え」です。
最: ……うん、わかった。そう言えば見たことがある。意味は?
>意味は……カワイイって事です。
最: だったら、「カワイイ!」で良いじゃん!
>そんな事を言われても、私が広めたわけじゃないから知りませんよ!
最: ……萌という漢字自体は万葉集で見た覚えがあるぞ。草……というか苔っぽいものが生える表現だったような……
>だから、そういう小さな物がポヨッと生える感じの可愛らしさですよ、「萌え」は。
最: ふーん。……そんなの必要なんだ?
>あ、もう、興味無くしましたね。必要ですよ。少なくとも現代の娯楽作品を語る上で重要な要素らしいです。
最: あっそ。わかってると思うけれど、世間の顔色を窺ってちゃ、『パンツイッチョマン』なんて書かないから。
>はい、そうですね。先生にそれを求めたのが間違いでした。でも、それを意識していなかったのに関わらず、銀子先生の株はあるタイミングで急上昇しましたよ! と、その前に、先生はアンチ銀子派のようですが、何か理由はありますか?
最: アンチってほどじゃないけれど、銀子先生がヒロインと評されるには釈然としないものはあるな。だって、そもそもは脇役なんだぜ?
>脇役からヒロインへの出世! 良いじゃないですか。
最: 脇役って言っても格があってだなぁ。……うーん、何か別の作品で例えた方がいいかな?
>あ、最近の作品じゃ権利的に問題があるので、大昔の昔話で例えてください。
最: うーん……じゃあ、竹取物語から――
>はい、いわゆる「かぐや姫」の昔話ですね。
最: うん。あの話、かぐやが途中で貴族に無理難題ぶっかけるでしょ? その時に登場する貴族は、いわゆる脇役だけど……
>いや、それくらいならむしろ、出世あり、ですね。ライバルを押しのけ、難関を突破し、姫を手に入れるのはいわば王道ですよ。
最: うん。かぐや獲得に挑戦した候補ならね。でも、銀子先生のそもそもの立ち位置は、その貴族の付き人の一人に過ぎないわけ。それがいきなりメインを張りだしたら、やっぱ「何故」と混乱あるでしょ?
>確かに……。でも、それは先生の中での話で、リスナーさん――いや、ここでは視聴者さんでいいのか――視聴者さんにとっては、ヒロイン候補として最初は脇から登場した、という認識でいいのじゃないでしょうか?
最: ……確かに。読者がどう読もうと自由だもんな。
>では、銀子先生のヒロイン化は納得いただけた、と?
最: それ以降は本人たちの頑張りというか、動き次第だな。……そう言えば、人気急上昇したきっかけは?
>養老家の事情が説明され始めた、第五話『ウェディングベルと黒パンツ』からです。
最: ……ん? じゃあ、銭か? 空想世界でも銭のある奴が有利なのか!?
>お金、というよりか、お嬢様というのがハッキリしたからじゃないでしょうか?
最:でも、養老家の設定は最初からあったから、確か初期から「地元では有名な資産家の娘」的な紹介はしていたはずが、それではダメだったのか?
>うーん、それだけでは、正直イメージが湧かなかったのではないでしょうか?
最: つまり、結局は銭だったわけだな? どれくらい金があり、権力があるかがわかると人気も高まるわけだ。……だったら、あの人はどうだ? 名前は確か……毒花さん。あの人は、単体で比較したら、銀子先生の父親、養老統よりお金持ちだぞ!
>毒花さん? そういう人、居ました?
最: ほら、桜ちゃんが石塀を壊した時の家の持ち主。うまく脱税とかしてるから、お金は持っているんだよ。
>……それって、資産家のお婆さんですよね? ハルさんといい、お婆さんばかりじゃないですか!?
最: そんな事を言われても、日本は高齢化社会だから仕方ないじゃん。むしろ、これでも人口比率から言えば若者ばかり登場させているぞ。
>たぶん、視聴者のみなさんは、そこまでリアリティを求めていないと思います。
最: 俺もリアリティにこだわっているつもりじゃないけど、自然とそうなっちゃうんだよ。
>では、毒花さんは選考外として、銀子先生の対抗候補である桜ちゃんについてのお話を伺いますね? たった一話の登場ですが、桜ちゃんの存在感は傑出しており、再登場の声は大きいです。露出が増えれば、今はリードされている銀子先生に追い着き追い越す余地はあります。
最: そっちはアレか? パンツだな? ジャイアントスイングした時にパンツ丸出しだったり、吸盤男にグイグイやっているあたりにパンチラだったりしたから、人気があるんだろ?
>アニメならそういう理由もあり得ますが、音声多重総天然色3D脳内構築活劇では、ちょっとその可能性は低いと思います。単に、魅力的なキャラクターだったから、だと思います。
最: ふーん。……ただ、桜ちゃんには「出るか出ないかわからないビーム」という不安定要素があるからねぇ。正直、扱いづらいんだよ。
>でも、そのランダム要素が斬新だという意見もありましたよ。
最: いや、ホントに。自分でも斬新だと思うよ。困るくらい。ランダムっぽい要素じゃなく、本当にランダム要素だからね。『イッチョマンRADIO』だから言うけど、桜ちゃんが「出るか出ないかわからないビーム!」って、言った後、俺がサイコロ振って1の目がでたら成功、という仕様なんだよ、あれ。
>え!? ……そんなやり方で話を繋げられるんですか?
最: だから、大変なんだよ。また6分の1という確率が微妙で、「基本的には成功しないな」と思って成功しない展開を考えていると、スコンと的中させちゃって、慌てて「えーと、どうしよう……」となる。……本当に初回から決めてくるとは予想してなかった。そこはある意味、ヒーローとして持っている、と言えるのかもしれないが……。さっきの毒花さんと国税局のやり取りなんか、余波で生まれたからね。世界に波風立てちゃって、大変なんだよ。
>サイコロで決まるって、TRPGのリプレイ小説に似ているんですね。その要素を取り入れてみた感じですか? あ、リスナーさんの中にはTRPGというゲームに馴染みのない方もおられるでしょうから、簡単に説明すると、コンピューターに頼らず人と人との対話で進めていくRPGが、TRPGです。
最: 世間的には、RPGってジャンルは、「キャラクターが成長するゲーム」として捉えられているけれど、そもそもは役割を演じるゲームだからな。人によっては「ルールのできたおままごと」と説明する場合もある。
>そう言うと、遊ぶのが恥ずかしくなりますね。私としては、プレイヤーの行動が無限に広がる自由度の高いゲームという認識ですが。
最: でも、恥知らずじゃないと楽しめないという部分はあると思うな。興味を持った人は「TRPG 遊び方」で検索!
>はい、ありがとうございます。脱線していましたね。『パンツイッチョマン』はリプレイ小説的ですね、という話でした。
最: うーん、どうだろう。発想としては明確に意識せず、単にサイコロ振ろう、と安易に決めちゃっただけだから、TPRG要素の融合とは考えなかったかな。それに、リプレイ小説って、もちろん色んな書き方があるけれど、セッションの内容をそのまま文章にするわけじゃないからね。
>そうなんですか?
最: うん。もちろん手法はそれぞれだけど、ダラダラ話しているのをそのまま書いても読み辛いから、必ず編集入るよね? その時に「ここのダイス振りで失敗したけれど、成功させた方が面白いな」とか「そもそもダイス振りがない方が話の筋がわかりやすいな」とか気付いて、そのように編集することもありうる。これは、リプレイを捻じ曲げている悪い行為ではなく、むしろ小説を書く者としては正しい姿勢だと、俺は思う。
>……では、先生も、出るか出ないかわからないビームのサイコロの出目を無視して、お話を進めればいいのでは?
最: だよねぇ! ……でも、それしちゃうとサイコロ振る意味ないじゃん。だから、俺はもうサイコロの神様に従おうって決めた。
>それでお話の筋が捻じ曲がってしまってもいいんですか?
最: よくはないが、……元よりグチャグチャじゃん、この小説。だから、いいかなーって。
>なんだか、自分に課した試練に立ち向かっていて偉いのか、作品の質の向上に無頓着なのか、よくわからないですね。
最: どうなんだろうねえ。まあ、読者が楽しめていたら、それでいいじゃん。
>はあ、そうですかねえ。……では、銀子先生と桜ちゃん以外の候補として――
最: あ、ちょっと待った。リプレイ小説との比較についてもうちょっとだけ話をさせて。
>はい、いいですよ。
最: リプレイを小説化する時に、ダイスの出目を変更する事があるだけではなく、それ以前のTRPGのセッションの最中に、GMがサイコロの出目を無視する事がある。
>え! そうなんですか? それってゲームの公平性を台無しにしませんか?
最: うん。だけど、そもそもTRPGってゲームというより、マスターがプレイヤーを接待する即興劇みたいなところがあって、公平性より楽しめる事の方が重要だと思うんだよねえ。……もちろん、厳密なルールのもと、マスターとプレイヤーたちが戦う、という遊び方をするのも自由だけど、おそらく、俺の言った内容に近い遊び方をしている人が大多数だと思う。そうなると、プレイヤーたちが運悪くダイスの出目が悪かった時に、マスター側は本来成功している敵側の攻撃の判定を却下して、攻撃失敗と変更する場合もある。
>うーん。それを聞いてしまうと、もう純粋にゲームとして遊べないですね。GMの手のひらの上で転がされている感じで。
最: 大丈夫。世間もそういうところあるから。自分の人生でも、周りに動かされているところって多いじゃん。そこが嫌! と反発したりストレス抱えたりするよりかは、そうわかっていても楽しめるマインドが重要なのかもしれないな。……ともかく、出るか出ないかわからないビームは、TPRGリプレイ的ではあるけれど、それよりもずっとひどい、という事がわかってくれれば良い。
>……それって、桜ちゃんを出したくない、という言い訳ですか?
最: ははは、どうなんだろう。知ってのとおり、俺が出したくないと思っても出てくることがあるのが『パンツイッチョマン』だからな。 ……で、さっき言いかけていた、この二人以外のヒロイン候補って誰?
>あと、穴穿きさんがいます。最新話に登場したラスボスっぽい謎の美人ですね。
最: ああ、そういや、保紫さんも言ってたな。……でも、まあ、穴穿きはないかな? そもそもなかなか出て来ないからねぇ。格としては、スピンオフで話ができるほど立派だけど。
>では、出番を増やしてみては?
最: うーん、難しいなあ。ちょっと俺、近寄りがたい美人には弱くて、声掛けづらい。
>キャラに圧されるって、ひどい作者ですね。
最: 否定はしないが、その欠点より注意すべき点が多々ある、という自負はある。
>胸を張って言う事ではないですよ。それでは、これまでの話をまとめると、銀子先生有利の状況だ、という読みでいいのでしょうか?
最: まあ、そうだねえ。不本意ながら。でも、本気を出したら、正ヒロイン的なキャラクターを今からでも出せると思うよ。
>お! よもやの新キャラが一気にヒロインレースのトップへ上り詰めるのですか?
最: いや、そういう感触じゃなくて、それくらいヒロインレースには興味なく描いているから、って事なんだよ。百点満点の試験なのに十点台で競ってるから、五十点取れるキャラで圧勝できる、って感じ。
>それは、従来のファンからすると苛立つ展開でしょうね。そういえば、恋愛関連の質問もありましたので、次のコーナーに移りましょう! ……大分時間が押しちゃいましたね。では、コーナータイトルも『とにかく押せ押せ。パンツイッチョマン!』
♪ パァーンツー(チャッチャー)イッチョマーン
最: コーナータイトルから、意図が読めないのだが、どういう方針なの?
>これは、同じ方から大量に届いたパンツイッチョマンに対する質問についてまとめた、特設コーナーです。
最: ん? 先週、既にパンツイッチョマン周りの質問コーナーあったよね? それと重複しない?
>そのとおりです。実際、「本名は?」「年齢は?」という、先生が公開しないと言った情報についてのご質問が重ねて送られてきていました。
最: その人、読み飛ばし過ぎているんじゃないの? だったら、ここで答えてもまた読み飛ばしそうなんだけど……。
>その可能性はありますが、とにかくすごい熱意なので、幾らかは聞いてあげてください。えーと、これなら答えられますか? 「年収は?」
最: (笑)いや、答えられません。って言うか、年収を聞いてくるって、これは見合いかよ? 一応、それ以外にも答えておくと、前にも少し言ったけど、稼ぎはある。でも、他人様の作品のヒーローの一部で見られるように大金持ちではないね。……服着てないから、丸分かりか。
>いやいや、お金持ちでもそういう嗜好はあって良いと思いますよ。実行すべきかは別ですけれど。(笑)……そして、恋愛関係の質問です。「パンツイッチョマンさんは既婚者ですか? そうでなければ、恋人はいますか?」
最: それも、見合い臭がするが……いや、見合いならこんな質問しないよな。じゃあ、何と言うか、恋愛前のめり的な質問って感じだね。……あ、質問に答えていなかったな。えーと、ノーコメントです。
>しかし、通常、お話には何らかのロマンス要素があるものですが?
最: だね。でも、俺はそういうの苦手で……。前回話した翠さんの『@ラクター』も、実はそっちがメインだから、正直に告白すると、俺、一部しか読んでないんだよねえ。なので、興味を持った方も、このノリを期待して訪れるなら止めた方がいいと思う。
>えーと、そもそも、翠先生からのご指摘で、タイトル名を一部変更したので、もう検索では、正しい場所にはたどり着けないと思います。……しかし、翠先生、今の発言で驚き、怒り出さないといいですけれど……。
最: 一応、「アドバイスはするけど、それをどう使うかは自由です。確認もしません」と言ってあったので、たぶん大丈夫……なはず。
>では、次。「パンツイッチョマンさんがパンツを脱ぐことはないんでしょうか? ――」
最: いや、あるわけないじゃん!
>いや、先生、まだ続きが……「もし、脱ぐのがナシでも、ずらすのはアリだと思います!」
最: いや、なし!! (爆笑)……いやー、俺が言うのもなんだけど、下品な質問者だね? 放送的にはアリなの?
>まあ、深夜放送は下ネタがある意味売りでもありますから、セーフです。
最: そうか。じゃあ、いいよ。面白いし、ピーにならず流せて良かった。
>他にも「好きな食べ物は?」とか――
最: 子供のしそうな質問だな。ノーコメント、というか、知りません。
>子供といえば、こういう質問も含まれていましたよ。「子供たちがお昼寝している時間にこっそり現れるとかいう、胸アツ展開はないですか?」
最: ……ちょっと待って。それ、どこの誰から来てる?
>あ、すいません。投稿者の紹介が未だでしたね。えーと、「東京都の長命金娘」さんからです。
最: ……それ、銀子先生じゃない?
>ええっ!! 「養老銀子」、「長命金娘」……確かに似ていますが……。でも、銀子先生ってゴツゴウ・ユニバースの人ですよね。こっちの人ではないですよ。
最: そうなんだけど、俺だって、ここの住人ではないんだから、あっちの人が混入しない、という理屈は通らないな。
>そ、そうだとしたら、登場人物も聞いているって事ですか? だったら、今後の展開とか、本人にネタバレするから聞けなくなりますよ!?
最: 確かに、ややこしい事態だな。……いや、こういう定義にすると乗り切れるぞ。「銀子先生は夢を見ている形式で、ここにアクセスしている。質問も夢パワーで送られてきた」と。で、夢だから番組内容は目覚めたら忘れてしまう。
>なるほど。本編に影響が出ないなら、良かったです。特別企画なんかしちゃったせいで、本編がグチャグチャになったらどうしよう、と焦っちゃいました。
最: 大丈夫、大丈夫。そうなったら、ここの部分、後からズバッとカットしてなかったことにするから。
>ええーーっ! それは、この日のためにした努力が水の泡で悲しいです。
最: 大丈夫。その悲しい感情も全てズバッとカットできるから。
>そ、そうかもしれませんが……。嫌だなあ、そのニマニマ笑い。まあ、これらの質問が銀子先生からとわかったら、もう答えなくていいですね。……というか、十分答えましたから、次へ行きましょう。次は――って、あれ? あの女性、もしかして、銀子先生じゃないですか?
最: ん? どこ? ああ、あのディレクターさんの近くにいる女性? 何かを書いた紙を掲げているね。
>「わたし、毎回の入浴シーン可です」――って、やっぱり銀子先生だ! 先生が余計な事を言ったから、具現化の道が開いちゃったんじゃないですか?
最: ……お銀つながりか。そうやって、レギュラー化を図るとは。出番が増えれば、チャンスも増えるからな。直情的に見えて、なかなか策士だな。さすがは養老家の息女というところか。
>感心していないで、先生、なんとかしてくださいよ!
最: しかし、スタッフたちに違和感はないようだが……。
>それは、先生が承認した影響でしょう?
最: いや、承認はしていなくて、単に可能だと言っただけだが……。いや、その曖昧さを塗り替えてきていたのか? ……ん、なんだかこの感覚、さっきもあった気がするぞ。こっちは、「優・良・可のうちの可だ」と言ったつもりなのに、明言しなかったせいで、「優のお墨付き、いただきました!」と受け取られる感覚……うーん、なんだっただろう?
>先生、そんな事より、銀子先生なんとかならないんですか? 下手するとこちらにまで入って来て、勝手におハガキ読み出すかもしれませんよ!
最: ふむぅ。あっちは違和感なく馴染めているが、君には抵抗感がある、と。……これは、君のキャラが立っているから侵蝕への抵抗力を有しているのか、あるいは私が傍にいることで侵蝕の手が届かないからか……
>もう、今はそんな分析いりませんって。しかし、銀子先生、ここまで進出してくると、もはや妖怪ですね……
> 妖怪!? あ、そうか! さっきの似た感覚って、黒猫ニャーンだ。こっちはちっとも承認してないのに、ゴリ押しされた感覚。ふう、思い出せてすっきり……というか、その手法を取り入れての侵蝕か? これはもはや、異能と言ってもいいかもしれないな。
>あ、また銀子先生からのカンペ指示が……「強敵との戦いで、パンツイッチョマンさんの服が破れる事はありますか?」――
最: ありません! って、パンツしかはいてないから、破れるのパンツしかないじゃん。パンツ破れたら、モロ出しの決まり手の流れだろ。ダメダメ!
>先生、このままでは進行に問題が……
最: いや、彼女を無視して進められるはず。おそらく銀子先生は、自分の夢を都合良く変えられる才能の持ち主なんだろうな。その能力を以てして、この空想世界に侵蝕している。でも、この部屋には定義者たる俺がいるから、扉を越えて入って来させない事は簡単。気にせず進めよう。
>そもそも、放送中に人の出入りがあってはいけない場所ですからね。
最: そうそう。その認識も彼女のこちらへの侵入を阻むはず。恐れるべきは、さっき君が言った、出演者として直接こちらに具現化する展開だが、それは俺が「ない」と断言して、可能性は潰した。だから、安心して。
>では、気を取り直して、次のおハガキは……ん? 先生、これ、おかしいですよ。さっきなかったおハガキが……
最: どれ?
>「パンツイッチョマンだけでなく、パンツイッチョウーマンは登場しないのですか?」
最: 出ません! 理由は説明するまでもないよな。
>東京都の「吸盤男」さん。これって、桜ちゃんが捕まえた人じゃないですか?
最: うーん。……それっぽいな。
>他にも「パンツは黒パンツだけ、販売すれば良い」とか「実は世の中の大半の人がパンツなどはいていないでしょう」とかいうおハガキが。こちらは「花鳥風月さんに出逢うにはどうしたらいいですか?」――あ、そう言えば、花鳥風月さんだけでなく、ゴツコウ・ユニバースのヒーローについて教えてください、という質問もどこかにありましたよ。
最: この状況で、なおも番組進行しようとする姿勢や善し、だけど……。最後の、花鳥風月に関しての質問は誰から?
>これは……「ファンシー・SAKURA」さんからです。桜ちゃんですね。
最: だな。そうか、彼女は花鳥風月のファンだったもんな。ま、いずれにせよ、これはもうアレだな。ワイプするしかない。
> ワイプ? ワイプって何ですか?
最: ゴツコウ・ユニバースとスタジオに、想念のルートができちゃったね。俺の一言が悪かったのか、銀子先生の執念の仕業かは良くわからないが、もう再起動してやり直すのが早い。パソコンも取り敢えず困ったら再起動、って言うじゃん。
> はぁ。パソコンの再起動はわかりますが、番組の再起動? ですか? どういうことでしょう。……って、先生、また片手を挙げて……「検索!」している場合じゃないでしょう!?
最: 指を立てるんじゃないよ。指を鳴らすのさ。
♯ パチン!
♪ チャラッチャチャッチャチャチャラー(デケデケドンデケデケドン)チャラッチャチャッチャチャチャラー(デケデケドンデケデケドン)
♪ チャッ、チャッ、チャッ、チャッ、チャラッチャッチャララー、チャッチャー(デンドンデンドンデンドンデンドン)
《中略》
♪「パァアンツー」チャッチャー「イッチョマーン」
『パンツイッチョマン』とは、文明を守る為、日夜裸一貫で戦い続けるヒーローが登場する、音声多重総天然色3D脳内構築活劇なのだ!
ナレーター(以下、「>」と表記): 連続特別企画『イッチョマン・RADIO』、よもやの第二回が始まりました。今週も私ナレーターが、DJを務めさせていただきます。そして、第二回のゲストも、最勝寺蔵人先生です。
♯ パチパチパチパチ(ナレーターの拍手)
最勝寺(以下、「最」と表記):はい、どうも。今回は次回予告の人の導入が入ったんだね。
>あ、よく気づかれましたね。やっぱりあの渋い声だと丸分かりですか?
最: ああ、うん。まあ、色々とわかる。じゃあ、早速最初のお題、どうぞ。ヒロインについてだっけ。
>ええ、そうです。よくわかりましたね。というわけで、早速最初のコーナー入っていきましょう。「『パンツイッチョマン』のヒロインは誰だ!?」
♪「パァアンツー」チャッチャー「イッチョマーン」
最: 実質、銀子先生と桜ちゃんの一騎打ち状態で、今のところ、出番の多い銀子先生がヒロインレースで優勢、といったところだな。以上。
>……えーと、非常にまとめられてわかりやすく、先生らしくないのですが、……それで終了ですか?
最: あ、まだ、あった。銀子先生は想像以上に押しが強いので、桜ちゃんファンの方々は応援頑張ってください!
>はい。他にも候補としては――
最: あ、それはもう大丈夫。紹介するまでもない存在。次のコーナー行きましょう。
>気持ち悪いくらい展開が早いですね。では、次のコーナーは、お一人で多数の意見を――
最: そうか。ワイプというか、ループになったようだな。えーと、その人の意見はもう良くて、先週、言っていたコーナー進めてください。それがあるから、俺はまた登場しているんだし。
>そうでしたね。では、こちらのコーナーを先に済ませましょう。「最勝寺先生から物申す!」
♪「パァアンツー」チャッチャー「イッチョマーン」
>はい。このコーナーでは、最勝寺先生の方から、みなさんへ主張したいことを取り上げていこうと思います。
最: そうそう、これこれ。言いたい事はいっぱいある。なんでもいいんだよね?
>はい。『パンツイッチョマン』に関することであれば、ですけれど。
最: じゃあ、一発目。いつも一話毎の最後に付けている語句説明、いらなくない?
>うーん、私に聞かれましても、正直どうお答えしていいのか……。ただ、寄せられたご意見の中には、確かに、登場人物紹介・語句説明について言及されている内容はあまりありませんでしたね。
最: でしょ? だから、いらないんじゃないかなーと俺は思う。そもそもは、自分の中で、キャラの名前を忘れた時に参照しやすいように作っていこうとした文書が元で、それにキャラの背景を足したら、読み物として許容できるレベルになるかなーと思って出したんだけど……。
> はい。それの何が問題になったのでしょう?
最: キャラの背景を書き始めたら、止まらないところがあって、最初は「忘れないうちに文字として残しておこう」と思ったんだけど、忘れるなら忘れる程度の内容だったと捨てられるな、と。逆に、おもしろい重要な内容なら、わざわざ文字に残さなくても覚えているし。でも、一番の理由は、負担が大きいってことだな。もちろん、一話分を書くより、というか、一話を分割した前編などの分割部分を書くより負担は小さいけれど、ゼロではない。例えば、一週のノルマの三分の一くらいの負担としよう。初めの頃は、そのちょっとした負担が気にならないけれど、毎回重なってくると重くなってくる。だって、三週スパンで考えると、追加で一週分の負担を背負っていることになるからね。
>うーん。仕事でも、似た状況はなくはないですね。善意で「あ、これは私がやっておきます」と言ってしまった作業が、こちらとしては「今回は」というつもりだったのに、いつの間にか「あの人の作業」と押し付けられているようなものですか?
最: うん。そんなものかなあ。それに加えて、なんだかタダ働き感がある。いや、一週分の本編についてもギャラは発生していないけれど、語句説明は特に、なんか作業として認識されていない感が、俺の中にはあるな。あと、だいたい後編は長くなりがちだから、そこに加えて負担が増えると、次週の掲載分がやたらと重くなるのもあるな。
>そこは、先生の配分の問題があるんじゃないですか?
最: うん。だから、身の丈に合ったことをしてないな、と実感している。それに、あの語句説明の存在がなければ、タイトルの「不定期連載」って部分、省けるじゃん? だから、後半戦は語句説明を失くして、タイトルから「不定期連載」外そうかなーって考えている。
>そうなると、タイトルは『パンツイッチョマン』になるわけですね。
最: それじゃ、ちょっとタイトルが丸裸感あって、パンツイッチョマンは恥ずかしくなくても俺は恥ずかしいので、「文明の〇〇 パンツイッチョマン」になるかなあ。
>〇〇の部分は、何を入れるか考え中という事ですか?
最: うん。それか、そのままで行くか。確か、少年漫画家の大御所の短編集で「〇作」とタイトルに使われているのあったね?
>私は存じ上げませんが、また権利的にややこしくなるので、実名発言はお控えください。というか、むしろ、その話は掘り下げないでください。
最: わかりました。まあ、とりあえず、そんな事を考えています、という報告でした。
>はい、ありがとうございました。……正直なところ、私はその語句説明部分を読んでいないので、なんとも言いようがありませんが――
最: え? 読んでないの?
>はい。私が読み上げる部分がないので……。え? 読んだ方がいいんですか?
最: う、ううん。……そうか、じゃあ、相談したところで意味ないな。次の、言いたいことに移らせてもらうね。
>まだ、ありますか? はい、どうぞ。お話しください。
最: 次は、『パンツイッチョマン』をもっとこういうふうに描写したかった、という話なんだけど……。
>おお。いいですね。先程の話題より建設的な気がします。
最: 建設的かどうかは自信がないが、もっと一話毎の文明議論をバカバカしくしたかったなあ、と。毎回パンツイッチョマンの名乗り口上がお決まりになっているように、「パンツイッチョ文明論」も名物にしたかった。一応、文明について言及しているけれど、真面目な部分があったような気が……。
>あ! あまり覚えていないご様子ですね。
最: へへへ。色々考えていると、何を書いたのか、考えただけでまだ文章にしていないのか、わからなくなるところがあってね。読み返せばいいのだけれど、面倒くさいから、読み返さない事が多い。だから、誤字脱字がそのまま残っているんだね。
>いや、そこで同意を求められても困ります。努力してください。
最: 次、パンツイッチョマン・ロケがしたい。
>都合が悪いと、話を逸らすタイプですね、先生。……で、ロケですか? 東京から離れた場所で撮影する、っていう意味ですね?
最: うん。パンツイッチョマンに、北九州……うーん、大宰府あたりに行かせたいなあと思っている。
>その理由は?
最: パンツイッチョマンの口上で「文明の防人」って言わせたいから、だな。俺は、ちょっと型にはめられるのが嫌な所があって、毎回「文明の守護者」と統一はしたくなかったんだよな。おそらく、一般的には決まり文句があった方がいいんだろうけど。
>はあ、まあ、型にはまっていない方だというのは作風を見ればわかります。
最: だからと言って、「毎回異なる口上」ってのも縛られているじゃん? だから、基本は「文明の守護者」でいいんだけど、状況に合わせて変わることもある、というか変わって名乗ることの方が多い、となっているわけ。その変わった口上として、さっきの防人を思いついたけど、これってやはり大宰府行かないと使えないよなー、と思って。
>うーん。聞いていて、正直なところ「どうでもいいなあ」と思っていたのですが、おそらくそういうどうでもいいつまらない事の積み重ねが『パンツイッチョマン』なんですね。
最: そうかもね。……でも、ここで公表したからもう大宰府へ行かなくてもいいや。
>え? 今、大宰府の近くでお住いのリスナー、ずっこけていますよ。
最: 北九州はもう一つ、長崎でも口上のネタがあって――
>あ、もういいです。それを言うとまたロケの芽が潰されるので。ですので、長崎の近くにお住いのリスナーの方々、近くにパンツイッチョマンが現れるかもしれませんよ! 楽しみにしておきましょう。
最: じゃあ、次ね。
>え! まだあるんですか?
最: うん。次は、君への要望。
>え! 私に? はい、お聞きします。
最: 今のところ、ちゃんと守ってくれているけれど、今後話が続く中、パンツイッチョマンの事を「イッチョマン」と省略せず、「パンツイッチョマン」とフルで伝えてください。技名でのイッチョマンは良いですが、個体名はパンツイッチョマンです。
>はい。そこは原稿でも指摘されていた部分なので、気を付けていた箇所です。……よろしければ、その理由をお聞かせ願えますか?
最: これは、磁石ロボットヒーローに対する敬意ですね。
>えーと、また作品名をそのまま口にされたので、こちらで修正しておきました。
最: うん、よろしく。で、その磁石ロボットヒーローは、技名としては、「イッチョマン・スラップ」のように名前の一部を切り離して使われていたけれど、作品内での個体名としては常にフルネームで呼ばれていたらしい。その徹底ぶりが見事だなあと思って、『パンツイッチョマン』でも、あやかろうと思った。
>へえ、そうだったんですね。……対象となっているのは古い作品のようですが?
最: うん。俺も観たことはないけれど、「色んな作品からたくさんロボットが登場するゲーム」の解説部分に、そのような内容が書かれていて、その解説を書いた、原作を全部見直して確かめたゲームスタッフへの敬意も含まれている。
>はい。今回もゲーム名をガッツリ出されていたので修正しました。とにかく、オチャラケ作品でもそれなりにポリシーを持って励め、という檄ですね。ありがとうございます。
最: いえいえ、こちらもこれからもよろしくお願いします。
>では、もう、言いたいことは終わりましたか?
最: うん、今のところ、思い出せるのはこんなもんかな。
>それでは、今度は、こちらから、先生への質問、よろしいでしょうか? 先生からのお話を聞いていて、思いつきました。
最: はいはい。いいですよ。
>「パンツイッチョマン」とフルで呼ぶように、という指示の他に、「フロントラットスプレッド風」という描写もこだわりがあるようですが、これはどういう意味なのでしょうか?
最: ああ、それね。それは、そもそもフロントラットスプレッドというポージングは、大胸筋をムッと見せる技ではあるけれど、ビルダーからすると、「背中を広げる」というイメージが大切なようなんだね。だけど、実は、パンツイッチョマンのポージングにはその意図が弱い。だから、ボディビルダーからすると、訴えが弱いポージングに見えているんです。
>へえ。そうだったんですね。……説明がないと丸っきりわからないですね。きっとボディビルダーの方もわからなかったと思いますよ。
最: でも、このちょっとした情報に、パンツイッチョマンの正体を知る鍵が隠されているんだよねぇ。
>え! そうだったんですか? ……何でしょう?
最: それは、本物のフロントラットスプレッドではないということから、パンツイッチョマンはボディビルダーではない、という事実です!
>……は、はあ。ドヤ顔されても、ちょっと困りますね。それって、パンツイッチョマンの謎が100あったとしたら、99.5に減ったくらいの価値しかない情報ですね。
最: そうだとしたら、こんな情報をあと二百集めたら、謎が解明されるということだな。
>……それだけのヒントを提供してくれるのですか?
最: 断る!
>ですよね。……リスナーの皆様、申し訳ありません。もし先生の発言で期待した方がいらしたら、私が代わってお詫びします。大した情報ではありませんでした。あ、あと、もう一つ、質問です。これは、リスナーの皆さんも気にされているかもしれません。パンツイッチョマンは第六話で前半戦終了と宣言されているので、全十二話で終了ということでしょうか? それとも第一シーズン終了というだけで、第二シーズンに続く余地があるのでしょうか?
最: ハハハ。人気ドラマみたいだね。……でも、知ってる? シリーズ化を目標に始まったドラマでも人気がなかったら次はないんだよ。『パンツイッチョマン』もそんなに人気ないでしょ?
>えー! そんなつれない事、言わないでくださいよお。おハガキの中には、「養老家についてもっと掘り下げてください」という内容などもありましたから、スピンオフ的に背景世界を掘り下げて行けば、もっともっと続けられますよ。
最: うん、まあ、それはそうなんだけど。……えーとね。正直に言うね。まず、『パンツイッチョマン』を書き始めた時、すぐに「あ、このパターンは延々と長期連載できるやつだ」と思った。小悪人を出して、パンツイッチョマンに平手打ちさせておけばいいんだからね。でも、穴穿きさんが暗躍していると決まってから、「ずっとは無理だな」と考え直した。
>どうしてですか? 続けられそうですが。
最: 理論上はね。でもね、いくら表面的に事件を解決し続けていても、根本をずーっと叩けないなら「無能じゃん」となるでしょ? パンツイッチョマンもノーパンマンも、事件の裏側があるのに気づいていて、それを放置するようなヒーローではない。それに季節感を出してくると、年齢は取らないのにクリスマスは何回もやってくる、って、どうも作者的に気持ち悪い。そこを無視して長期連載できる人は、やっぱりそういう才能ある人なんだなーと思い知らされた。
>しかし、先程言ったように、『パンツイッチョマン』が一時中断しても、他のゴツゴウ・ユニバース作品が展開される余地はありますよ。
最: 面倒くさいからヤだ。あと、本来書く予定だった『ボーダーストライダー』のダーフィトくんをいつまでも待たしておくわけにはいかないし。……ちなみに『悪魔の乗りし船』ではガラムレッドさんが、俺が酒を飲む度にジロジロ見てきて急かしてたな。
>その感覚はわからないですけど、あまり他人に言わない方がいいですよ。変な奴だと思われますから。
最: うん、自覚している。だから、できるだけ人目に付かずに生息したい。……まあ、つれない態度だけじゃ悪いので、実現は別にしておいて、構想だけをお話ししておくと、現時点で『パンツイッチョマン』は第三シーズンまでは続けられると思います。個別のエピソードは詰まっていないが、大きなテーマとしてはそれくらいの備えはある。
>おお! それは期待できますね。我々は、その第三シーズンがやって来ることをお祈りしておきます。……では、次のコーナーは、先程後回しにした、熱烈ファンからの―――
最: あー、もうそれはいいよ。うん。というか、番組がもうそろそろ終わりで良い。
>え? それほど、尺は取れていない気がしますが。
最: いや、大丈夫だって。この私が言うんだから、問題ない。もし続けても、俺が全カットするよ。
>ひどい脅しですね。……でも、先生が仰るなら、我々は従うしかありません。
♪ パンパンパパンパッパッッパパンツ―、パンパンパンッツー(テレレレレレレレ)……
>エンディングテーマが流れてきました。これで、イッチョマン・RADIOは終わりますが、……寂しいですねえ。語句解説を止めるなら、これを代わりに――
最: 断る。こっちの方がもっとイヤ。
>えー! 私は楽しいんですけどねえ。 では、来週からは通常運転に戻ると?
最: それなんだけど、『パンツイッチョマン』は一週間か二週間かお休みして、短編の小説を書こうかなと思っている。
>え! そうなんですか? その間、私たちはお休みですか?
最: そうなるね。こんな文章ばっかり書いていると、普通の小説スタイルに戻れなくなるかも、という不安が少しあって、そのリハビリを兼ねての短編小説。リスナーの方は、ご興味があるようでしたら、そちらでお茶を濁してください。ただし、小説一週間分の分量を書くのに、リハビリが手間取ると二週間かかるかもしれません。その場合は、来週の定刻にアップする内容はないことになります。そうなるなら、活動報告に記載しますので、そちらをご確認ください。
>そうかあ、お休みかあ。それはそれでいいのですが、なんか時期的にはズレてますね。年末年始にお休みを貰えた方が良かったです。
最: わがまま言うねえ。こっちは休みなしで書いているのにさあ。でも、年末年始に『パンツイッチョマン』だったら、特番感あるから好きなんじゃない?
>業界的には、年末年始の放送って録画だから、お休みはお休みなんですけどね。……おお、一月一日元日が土曜日ですね。その深夜に『パンツイッチョマン』! うーん、新年からイッチョマン・スラップが轟く! 勢いがつきそうな一年ですね。
最: はい。そうなれるように、努力します。
>それでは、これで終了です。また別の機会にイッチョマン・RADIOでお会いできるといいですね。おやすみなさい。
最:おやすみなさい。