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春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる  作者: 釧路太郎
ゴールデンウィーク編後半

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浜風が強いけど陽香と飲み物を買いに行く

 お弁当の見た目はとても良く、写真映えしそうな出来であった。味もそこまで悪いとは思えず、どちらも満足のいく出来だとは思うのだけれど、見た目の割には思っているよりもしっかりとした味ではなかった。お弁当という事もあって、もう少し濃いめの味付けにしておけば良かったと思ったのだが、もしかしたらこれは僕も知らないうちに彼女たちの影響を受けて行っているのかもしれない。

 ここ数日の事を思い出しても、食べていたものは味付けは物足りないと思っていた。それでも僕は美味しいと感じていたし、完成した料理に醤油や胡椒なんかをかけなくなっていた。

 それと、朝は大体真弓が起こしに来てくれていたのだけれど、その時の真弓はパジャマの下を脱いでパンツ丸出しの状態であったりしたし、寝る前に僕の部屋から漫画を持っていく沙緒莉姉さんはパジャマのボタンを一つもとめずにやってきたりもしていた。

 陽香はちゃんとしているのだけれど、時々屈んだ時にパンツが少しだけ見えていたり、階段を下りている時にしたから話しかけられた際に胸元が無防備に見えていたりもした。それでも、陽香は二人に比べると常識人だと思う。


 僕は陽香と一緒に自動販売機へ向かっていたのだけれど、お互いに何かを離すということも無く無言のまま歩いていた。

 その時間は別に苦ではなかったのだけれど、陽香も同じような気持ちだったのかもしれない。時折風にあおられたりもしていたのだけれど、僕たちは飛ばされるようなものも持っていなかったので、特に何も被害は無かった。陽香もスカートを履いていなかったので余計な心配はしなくてすんでいた。


「そう言えばさ、昌晃って連休中に学校の人と会ったりしてないの?」

「会ってないよ。僕がいつも家にいる事を知ってて聞いているよね?」

「同じ家にずっといるんだからそうなんだけどさ、もしかしたら私が寝ている間にどこかで会ってたりするのかなって思ってたみたんだよね」

「陽香が寝ている間って、完全に夜中じゃない。そんな時間に僕は出歩いたりはしないよ。そりゃ、ゲームやったり漫画を読んだりして起きていることはあるけどさ、外に出かけることはしないね」

「誘われたりもしてないの?」

「うん、僕に友達がいないのを知ってて聞いてない?」

「そんな事ないよ。だってさ、昌晃って男子とは話しているの見ないけど、女子とは結構仲良く話してるでしょ。クラスの人達だけじゃなくて、三年生の先輩たちとも仲良くしているって知ってるんだよ」

「三年生の先輩たちって、僕に用事があるんじゃなくて陽香の事を知りたいって言ってる人達なんだよ。陽香は知らないかもしれないけど、学校には陽香のファンが沢山いるんだからね。僕は陽香と仲が良いって思われてるからそういう人達に話しかけられることが多いんだよ」

「へえ、私のファンって本当にいるんだ。時々学校内でファンですって言われたことはあったけど、そういう人って他にもいたんだね」

「そうなんだよ。僕のクラスの男子だって陽香のファンばっかりで、僕が陽香と仲が良い事で嫉妬してるから僕がハブられているんだよ」

「え、それは申し訳ないね。でも、そんな事なんて気にしてないでしょ?」

「どうしてそう思うの?」

「だって、昌晃って男子と話すの好きそうじゃないもん。少しでも誤解を解きたいって思ったら自分からもっと歩み寄るもんなんじゃないかな。でもさ、昌晃ってクラスの女子とかとは仲良く話しているのに、男子とはそんな感じでもないでしょ。だから、男子に無視されても気にしてないんじゃないかなって思ったんだよね」


 陽香は僕が全く思ってもみなかったことをさらりと言ってのけた。でも、その陽香の言葉は僕の心に深く突き刺さっていた。もしかしたら、無意識のうちに僕は男子連中の事を全く相手にしていなかったのだろうか。それが本当だったとしたら、小学生の時も中学生の時も相手ではなく僕に原因があったと言えるのかもしれない。

 自動販売機からジュースを取るためにしゃがんでいる陽香は僕の本心を見透かしているような目で僕を見ていた。それは僕の思い過ごしなのだとは思うけれど、僕は陽香と目を合わすことが出来なくなっていた。


「ねえ、一人で全員分なんて持てないよ。昌晃が半分持ってくれないと困るんだけど」

「ごめん、ちょっと考え事してた」

「もう、そんなに悩んでるなら私が間に入って男子との仲を取り持ってあげようか?」

「いや、そういう事じゃなくてさ。もしかしたら、僕がいじめられてたのって僕に原因があったかなって思ってさ」

「それって、どういう意味?」

「昔の僕を思い返してみると、僕の態度も良くなかったんじゃないかなって思ってね」

「何それ、そんなのおかしいじゃない。昌晃がどんなことをしたのか知らないけどさ、そんな事でいじめる側を正当化なんてしたらダメだよ。どんな理由があったにせよ、いじめはやった方が悪いんだからね。だから、自分をそんなに卑下しちゃダメだよ。もしかして、自殺しようなんて考えてないよね?」

「そんな事は考えてないよ。でもさ、あの時にもっと違う態度を取っていたら今とは違う姿になっていたんじゃないかなって思ってね」

「それってさ、私達とは違う高校に行きたかったって事?」

「違う違う。そうじゃなくて、もっと社交的になって友達もいたんじゃないかなって事だよ」

「まあ、そうなってたかもしれないけどさ、そうなってたとしたら私達はきっと一緒に暮らしていなかったと思うよ」

「それって、別の学校だから一緒に暮らす必要はないって事?」

「まあ、それもあるんだけどさ。一緒に暮らしているのは別の理由もあるって事だよ」

「料理の事とか?」

「料理ね。そういう事にしておこうか」

「なんだよ。気になるようないい方しちゃってさ」

「そう言えば、昌晃のクラスの代表の林田さんってさ、なんでうちのクラスに入らないんだろうね?」

「林田さんなら、自習が好きじゃないって言ってたよ。陽香のクラスって基本的に自習ばかっかりだって聞いてるんだけど、それが関係あるんじゃないかな?」

「でもさ、ウチのクラスの人が言ってたけど、林田さんって中学の時は授業中でも自分のしたい勉強をしてたって聞いたよ。成績もいいから黙認されてるみたいなんだけど、今はそうじゃないの?」

「どうなんだろう。席が離れているからわからないけど、そんな感じはしないんだけどな」

「そうなんだ。昌晃っと林田さんってすっごく仲が良いのかと思ってからさ」

「そんなに仲良くなんて無いと思うけど。話すのだってクラス代表の手伝いをする時くらいだからね」

「でも、その時って林田さんの香りが昌晃についちゃうくらい一緒に居るのにね。それも、私達が公園でやってるみたいなことをしてないと、匂いって染みつかないと思うんだけどな」

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