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春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる  作者: 釧路太郎
高校生編1

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陽香が急に近付いてきた

 陽香が公園に寄ってから帰りたいと言ってきたのだけれど、まっすぐ帰らない時は沙緒莉姉さんや真弓に聞かれたくない話があるんだろう。どちらかの部屋で話せばいいだけの話ではあるけれど、なんとなく二人が近くにいると話せない、そんな話があるんだろうなとは思う。

 陽香は公園のベンチに腰を下ろしたので、僕は少し離れて同じベンチに座った。誰もいない公園は日が傾きかけていることもあって何かもの悲しげではあるが、いつもとは少し違う場所に感じて特別な場所に来たような気にもなってしまっていた。


「昌晃ってさ、クラスの副代表になってるんだよね?」

「うん、そうだけど。それがどうかした?」

「私のクラスってさ、基本的に授業が無くて自習ばっかりなんだよね。それは別にいいんだけど、私もクラスの副代表にならないかって言われちゃったんだ。もちろん、それは断ったんだけどさ。そこでちょっと気になったんだけど、副代表って何をするの?」

「これと言って決まってはいないと思うけど、僕の場合はクラス代表の林田さんの手伝いとか多いかも」

「それって、学校の中だけだよね?」

「うん、休みの日に林田さんに何かを頼まれたことってないよ。それがどうかした?」

「いや、どんなことしてるのかなって気になっただけなんだよね。その手伝いってさ、水曜日に一緒にお昼を過ごすことも含まれてるの?」

「一応そうなってるね。お昼を食べながらクラスの事について話したりしてるよ」

「クラスの事について話すのに二人っきりになる必要ってあるのかな?」

「どうなんだろうね。僕はあんまり気にしてないけど、林田さんってちょっと個性的だからクラスの中でも浮いている感じだし、一目があるとあんまり集中出来ないんじゃないかな。休み時間も他の人と話してるところをほとんど見たことが無いしね」

「昌晃は他の人と話をしたりするの?」

「相変わらず男子とは話したことないけど、吉川さんと今井さんは僕に話しかけてくれるよ。二人とも陽香と仲良くしたいみたいなんだけど、今度話してみたらどうかな?」

「その二人とは今日話したよ。お昼休みが終わる前に少しだけど、なんか面白い二人だったよ」

「そうなんだ。全然知らなかったな」

「だろうね。昌晃が林田さんと二人で何かしてる時だったからさ」


 陽香はいったん立ち上がって僕の前に立っていた。太陽を背にしているので少し眩しく感じていたが、いつもよりも優しい表情をしているように見えた。


「昌晃ってさ、誰にでも優しいけど、特別な人っていないの?」

「特別な人?」

「そう、あなただけの大切な人」

「そんな人はいないけど」

「じゃあ、大丈夫なんだね」


 陽香は何かを確認するように言うと、僕の肩に右手を回してから僕の太ももの上に腰を下ろした。体重をかけていないという事もあるのだろうが、それほど重さを感じることは無かったのだけれど、ズボン越しに陽香の重さとわずかな体温を感じていた。陽香がこんなに近くにいるのは初めてのような気がするのだけれど、今まで嗅いだことのないような心が落ち着く匂いがしていた。


「昌晃ってさ、自分の足の上に誰かを乗せるのが好きなの?」

「え、なんで?」

「だってさ、家でゲームをしてる時とか映画を見てる時に真弓を乗せてることが多いでしょ。どんな感じなのかなって思ってね」

「それは真弓が寂しがり屋だからなんじゃないかな。僕から呼んでるわけじゃないし」

「そうなのかもしれないけどさ、嫌だったら断ったりするでしょ。でも、それをしないって事は嫌じゃないって事だよね。今も断られたりしなかったしさ」

「断らないんじゃないくて、驚いて何も言えないって感じかな。今もドキドキしてるし」

「そうなんだ。昌晃ってこういう事に慣れてそうだなって思ってたんだけどな。私の方がどきどきしてると思うけど、それは確かめさせてあげないからね」

「確かめたりはしないけどさ、いつまで乗ってるつもり?」

「もう少しだけかな。耐えられないくらい重かったりする?」

「そんなことは無いよ。真弓と同じくらいなんじゃないかなって思うけど、そんなに重さ変わらないでしょ」

「女子に体重の事を聞いちゃダメだよ。確かに、私と真弓ってそんなに変わらないと思うけどね。でも、この体勢は辛くない?」

「僕は座ってるだけだからそうでもないけど、陽香が辛いなら下りた方がいいんじゃないかな」

「そうだね。じゃあ、後少しだけにしようかな」


 陽香は左手も僕の肩に回したので正面から抱き着かれる形になってしまった。制服越しに感じる陽香の重さはそれほどでもなかったのだけれど、僕の耳元に陽香の顔があることで息遣いも感じてしまい、僕はわずかに緊張してしまっていた。


「ねえ、今度から水曜日は私がお弁当を作ってあげようか?」

「なんで?」

「水曜日は林田さんと二人でお昼を過ごすんでしょ?」

「そうだけど。それと陽香のお弁当に何か関係があるの?」

「昌晃が二組にいないんだったらさ、私も水曜日は吉川さんと今井さんと一緒にご飯食べようかと思ってね。自分で作ったオカズを交換した時に反応が見れるんじゃないかなって思っただけだよ」

「そうなんだ。前に吉川さんと今井さんに陽香の作ったハンバーグを取られたことがあったよ」

「へえ、お弁当の交換とかもしてたんだ。昌晃って結構そんな感じなんだね」

「そんな感じって何だよ。僕が交換しようって言ったんじゃなくて、陽香がお弁当作りを手伝ってるって言ったら取られただけだよ。そう言えば、それからしばらくしてオカズを取られることも無くなったけどね」

「それってさ、美味しくなかったからって事かな?」

「違うんじゃないかな。おかずを交換するのが良くないって思っただけだと思うよ」

「それならいいんだけどね。じゃあ、そろそろお家に帰ろうか」


 陽香は僕から離れると、ベンチに置いてあったリュックを背負って僕に背を向けて立っていた。相変わらず太陽が正面に来ているので眩しいのだけれど、陽香の制服のスカートがリュックに引っかかっていて捲れあがっていた。

 僕の目には夕日と同じような色のパンツが映っていた。


「昌晃もさ、あんまり女の子の匂いをさせてちゃダメだからね」

「女の子の匂い?」

「うん、私とも吉川さんとも今井さんとも違う匂い。真弓はそう言うのに敏感だから気を付けた方が良いよ」

「どういう事?」

「あのね、昌晃は気付いて無かったようだけど、昌晃の制服からとってもいい匂いがしてたんだよ。誰の匂いかはわからないし、どうしてそんな匂いが付いたのかわからないけど、私が上書きしといたからね」


 陽香はそう言ってはにかんでいた。僕は何となくその顔を困らせて見たくなってしまって、スカートが捲れあがっていることを教えてあげると、陽香の顔は夕日のように赤くなっていたのだった。

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