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春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる  作者: 釧路太郎
ゴールデンウィーク編前半

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嵐の後の静けさ

 僕は久しぶりに陽の光を浴びて目が覚めた。いつもは窓から離れた壁際にベッド置いているので朝陽が僕に差し込むことは無いのだけれど、今日は真弓の部屋の窓際で寝ていたのでカーテンの隙間から入ってくる朝陽が僕を優しく起こしてくれていたのだ。

 元々僕の両親が使っていた部屋のカーテンなので落ち着いた色合いのカーテンではあるのだけれど、こうしてみると元気で明るいイメージのある真弓の部屋としては似つかわしくないようにも思えてきた。

 僕らが一緒に住むようになって一か月以上経っていると思うので、もう少しワガママを言って模様替えなんかしてもいいのだとは思うのだけれど、真弓も陽香もあまりそう言った事には関心が無いのか遠慮しているだけなのかわからないが、もう少し自分の好きなように変えてもいいのにとは思う。


 このまま陽の光に包まれてもうひと眠りするのも良い事なのだろうと思うのだけれど、一緒の部屋で寝るという約束はこれで果たしたと思うので僕は寝ているみんなを起こさないように静かに部屋を出て顔を洗うことにした。

 物音を建てないように静かに行動してそっと入口を閉める時に気が付いたのだが、沙緒莉姉さんと真弓はまだ気持ちよさそうに寝ているのだけれど、陽香の姿はそこにはなかった。二階のトイレにもカギはかかっていなかったし、リビングにもキッチンにも陽香の姿は無かった。

 洗面台のある脱衣所にいるのかもしれないと思って僕は一応ノックをしてみたのだが、案の定そこに陽香がいたようで中から返事が返ってきた。


「おはよう。ちょっと顔を洗おうかなと思ってるんだけど、リビングに行ってるから使い終わったら教えてね」

「あ、昌晃おはよう。私も顔を洗ってただけだから入っても大丈夫よ。もう終わって出るところだからね。鍵も開いてるよ」

「じゃあ、入るね」


 陽香の言った通り鍵はかかっていなかったのですんなりと中に入ることが出来た。そこにはいつもと違って前髪をあげておでこを出している陽香の姿があった。この一か月の間にも色々な姿の陽香を見てきたとは思うのだけれど、おでこを出している姿を見るのは初めてのような気がしていた。


「ちょっと、変な顔してどうしたのよ?」

「変な顔って言われてもな。ちょっと驚いただけだよ」

「驚いたって何が?」

「何がって、その、さ」

「え、何だろう。でも、私はあんまり化粧とかしないからスッピンもよく見てると思うし。どうしたの?」

「いや、陽香がおでこ出しているところを始めてみたような気がするからね」

「え、ちょっと待って。うそ、何で見てるのよ。信じられない。この変態」

「いや、言いすぎでしょ。それに、そんなに見られたくないの?」

「ほんと信じられない。最低。バカ。なんでそんなところを見ているのよ」

「なんでって、僕と陽香の身長差を考えてもそこに視線が行くのは当然というか、何もおかしいことは無いと思うよ。それに、陽香が入っていいよって言ったんだよ」

「そうかもしれないけどさ、昌晃にはデリカシーってもんがないのかな。普通はそういう事思っても言わないと思うんだけど。もう、恥ずかしすぎて無理」

「別にそんなに恥ずかしがることでもないと思うけど。全然変じゃないよ」

「なんでそんなこと言うのよ。私だけおでこが狭いって思ってるんでしょ?」

「そんなこと思ってないよ。それに、沙緒莉姉さんと真弓のおでこと比べても狭いのか広いのかわからないし」

「なんでわからないのよ。それって、私達に興味がないって事なの?」

「いや、そう言うわけじゃないし。そもそも、おでこが狭くて困ることってあるの?」

「困ることなんてないけど、何となく恥ずかしいじゃない。もう、ずっと隠してたのに何で見るのよ。最低だわ。今日は一日何もしたくないよ」

「そこまで落ち込むことでもないと思うけど。それにさ、改めてじっくり見てみると、陽香って小顔だよね」

「改めてじっくり見るなって。でも、小顔だと思う?」

「うん、沙緒莉姉さんと比べても真弓と比べても陽香の方が小顔なんじゃないかな。前から何となく思っていたけど、上から下まで見ても小顔に見えるよ」

「それってさ、褒めてくれてたりするの?」

「褒めるって言うか、羨ましいなとは思うよ。小顔の方が可愛い子多いしね」

「へえ、昌晃も可愛いとか思うことあるんだ。意外だな」

「意外ではないと思うけどね。陽香の事を可愛いって思ってる人はクラスにもたくさんいるし」

「え、それってどういう事?」

「どういう事って、そのまんまの意味だよ。そのせいで僕はいまだにクラスの男子にとけ込めてないしね」

「あれ、昌晃ってクラスで浮いているのを私のせいにしてるのかな?」

「陽香のせいってわけじゃないんだけど、間接的にはそうかも」

「ちょっと、それって気になるんだけど。聞かせてもらってもいいかな?」

「別にいいけど、その前に顔を洗ってもいいかな?」

「そうね。じゃあ、私はリビングで待ってるからさ、詳しく教えてね」


 僕は顔を洗いながらも陽香に今まで内緒にしていたことを話すことにした。別に隠していたわけではないし、直接陽香が何かをしたという事でもないのだが、クラスのみんなが単純に勘違いをしていて、その誤解が解けた後も僕を取り巻く環境が変わっていないというだけの話なのだ。


「え、そんな事でクラスの男子から仲間外れにされていたの?」

「そうなんだよ。ま、僕は中学の時から仲間外れにされることが多かったから気にしてないんだけどさ、陽香が勘違いされてたら可哀想だなって思って訂正はしてあるんだよね。たぶん、陽香も僕といとこ同士なのかって聞かれたと思うけど、僕のいう事だけじゃ何も信じてくれなかったんだよ」

「へえ、私のクラスも昌晃のクラスも中学のクラスに一人ずつ増えただけだから自己紹介とかも特になかったしね。そこで誤解を解ければよかったんだけどさ、その機会が無かったんなら仕方ないのかな」

「いや、僕はちゃんと自己紹介をしたし、陽香ともいとこ同士だってのは伝えてるんだよ。でもさ、クラスの男子たちが陽香に一目惚れしたみたいで外部受験同士なのに一緒に登校しているのはおかしいって変な文句をつけてきてさ、それに乗っかったクラスの男子と一緒になって僕を無視するようになってるんだよね。でも、僕はそんなの中学からだったから気にしてないんだけどね」

「いやいや、気にしないとダメでしょ。それに、私ってそんなにモテてるの?」

「他のクラスはどうか知らないけど、僕のクラスでは陽香の話題が良く出てるよ。クラスの女子からも色々聞かれて答えられることは答えてるけど、男子からも女子からも陽香は人気があると思うよ」

「もしかしてなんだけどさ、昌晃ってクラスの男子より女子と話すことの方が多かったりする?」

「そうだけど、それがどうかした?」

「多分なんだけどね。私と一緒に登校しているってのも少しは関係あるかもしれないけど、クラスの女子と仲良くしているってのも菅計あるんじゃないかな。むしろ、そっちの方が男子から仲間外れにされる理由としては大きいかもよ」

「でもさ、僕から話しかけたりはしてないんだよね。どっちかって言うと、女子の方から話しかけてくることの方が多いかも」

「もう一つ聞くんだけどさ、お昼は一人で食べているの?」

「最初の頃は一人で食べてたんだけど、途中から僕が一人で食べてるのを面白がった女子が一緒に食べるようになったかな」

「多分それが原因だよ。昌晃ってさ、ハーレム系のアニメの主人公ポジションじゃん。そんなのって他の男子からやっかまれても仕方ないと思うな。もしかして、クラスの女子のパンツとか見たりしてるんじゃないの?」

「そんなんじゃないし。それに、クラスの女子はパンツとか見せないでしょ」

「なんだか怪しいな。今度私が昌晃のクラスに行って一緒にお昼ご飯食べようかな。おかずも同じのにして匂わせってのをやってみようかな」

「それはやめた方がいいと思うよ。陽香が変に誤解されちゃうかもしれないしね」

「確かに。変な誤解されても面倒だもんね。でもさ、私の事で困ったことがあったんなら早く言ってくれたら良かったのにね」

「今度からそうするよ」


 陽香はそう言うと、ソファの上で体育座りをしながら窓の外を見ていた。僕もつられて外を見たのだが、昨晩の嵐の影響でいつも以上に庭に小枝や葉っぱが落ちているようだ。午前中のうちに庭の掃除でもしようかなと思って視線を戻すと、陽香はパジャマの下を履いていないという事に気付いてしまった。

 なんでだろう。いつもの陽香は小さめのパジャマを着ていたのでさっきまで全く気が付かなかったのだけれど、今日はいつもよりもかなり大きめのサイズのパジャマを着ているのだ。たぶん、僕が着ても少し大きいサイズのパジャマだとは思うのだが、その大きいパジャマに隠れていた部分が体育座りをしていることによってハッキリと確認することが出来たのだ。

 僕は先程陽香に言われた言葉を思い出していたのだが、確かにクラスの女子のパンツは見たことが無いと思い返していた。僕はクラスの女子のパンツは見たことが無いのだが、目の前にいる陽香のパンツは何度も見たことがあるし、沙緒莉姉さんに至っては自分から見せてくることが多いのだ。真弓は時々偶発的に見えることがあるのだけれど、普通にしていれば見えることなんて皆無だと思うので、それでも見てる方なのだとは思う。

 不思議なもので、僕は陽香のパンツを見たいわけではないのに見えてしまっているし、陽香も僕がパンツを見ているという事に気が付いていないようだ。おでこを見られるよりも恥ずかしいのではないかと思うのだけれど、それを陽香に伝えるという事はお互いにとってよくない事だとは思う。

 それに、時々学校で見かける陽香は階段を上る時も下りる時もスカートを押さえていたりするので見られないという意識はしているようだ。では、なぜ僕の目の前ではそれをしないのだろうか。その答えは誰にも分らない。


 僕はどうしても視線の端でピンクのパンツを見てしまっているのだけれど、そんな事を知らない陽香は庭の心配をしているようだった。

 僕はハッキリと見ているわけではないのに、陽香のパンツについている小さなリボンが気になってしまっていたのだった。

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