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春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる  作者: 釧路太郎
始まりの春休み編

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真弓は大人になりたい

 昨日よりは長くお風呂に入っていたのは特に理由もないのだが、後がつかえているからという理由で僕は早々に脱衣所から追い出されてしまった。男子よりも女性の方がお風呂にかかる時間も長いと思うので仕方ないと思うのだけど、髪を乾かす時間くらいは大目に見てもらいたいものだった。ただ、それの文句を言うには僕も長くお風呂につかりすぎてしまったとは思うのだけれどこのままでは風邪をひいてしまうかもしれない。脱衣所からドライヤーを持っていって髪を乾かすことも出来るのだろうけれど、あいにくドライヤーは一つしかこの家にはないし、それを持っていったところでまた脱衣所に持ってこないといけないというのは面倒だった。僕は、そっと新しいタオルを手に取ってみんながゲームをやっているはずのリビングへと向かうことにした。

 陽香に追い出された僕は皆と少し離れてソファに座っていたのだけれど、先ほどまでみんなでやっていたゲームではなく父さんと母さんが真弓のやっているゲームを見守るという構図に変わっていた。さすがにまだゲームに慣れていない僕の両親が真弓の相手をするよりも、真弓がやっているのを見て学んだ方がお互いのためにもストレスなく遊べるというものなのだろう。オンライン対戦ではあるのだが、真弓はどのレースも中位以上でゴールしているようだった。


「今日は昨日よりもだいぶ長く入ってたんだね。何か考え事でもしてたのかな?」

「いや、何も考えずにボーっとしてたら結構時間が経ってたみたいなんですよ。陽香に早く出るように催促されるまでそんなに時間が経ってるとは思わなかったんですよね。でも、昨日と違って真弓が一緒に入ってこようとしなかったってのが理由としては大きいかもしれないです」

「そうなんだ。でもさ、昨日だって真弓は本当に一緒に入ろうとは思ってなかったかもしれないよ。背中を流してあげようとは思っていたみたいだけど、あの子も立派な女の子なんだから男の事は一緒のお風呂に入ろうなんて思ってないはずだからね」

「じゃあ、アレは真弓なりの冗談だったって事ですかね?」

「真弓の本心はわからないけれど、きっとそうだと思うよ。今まで女だけの三人姉妹だったから男の子である昌晃君との距離感が掴めてないだけだろうしね。真弓の中では私や陽香と同じような感覚で接しているだけなのかもしれないからさ。それにしても、真弓にちゃんと髪を乾かせって言ってた昌晃君がちゃんと髪を乾かしていないのは良くないんじゃないかな。何か乾かしたくない理由でもあるのかい?」

「いや、僕だって髪を乾かしたいとは思ってたんですよ。思ってたんですけど、陽香が早くお風呂から出て譲れって言ってきたんで慌てて出てきたんです。僕も長風呂し過ぎたってのはあると思うんですけど、髪を乾かすちょっとの時間くらい待ってくれても良かったんじゃないかなって思うんですよね。まあ、陽香が急ぎたい気持ちもわかるんで文句なんて言わないですけど」

「昌晃君は面白いね。口では文句を言っているつもりはないみたいなのに、出てくる言葉は文句に近いものがあるよ。でもさ、陽香だって嫌味で言ってるわけじゃないんだから悪く思わないでね。きっと、陽香も次に私がお風呂に入るのをわかってても早く出てくることは無いと思うからね。それと、ドライヤーを使いたいなら私のを貸してあげようか?」

「私のって、沙緒莉姉さんはドライヤー持ってるんですか?」

「もちろん持ってるよ。マイナスイオンが出るちょっといいやつをね。もしかしたら、昌晃君の髪が綺麗にまとまるようになるかもしれないよ」

「僕の髪の長さでまとまるってのは一度見てみたい気もしますけど、そんなのは無理だと思いますよ」

「まあ、その長さじゃそうかもしれないね。じゃあ、私の部屋に行こうか」

「え、なんでですか?」

「なんでって、ドライヤーで髪を乾かしたいんでしょ?」

「乾かしたいですけど、ここに持ってきてもらうんじゃダメなんですか?」

「ええ、それはちょっと面倒かも。持ってくるのは別にいいんだけど、使い終わったら部屋に戻しに行かなきゃいけないからさ」

「そうかもしれないですけど、お風呂に入る前に着替えを取りに行くついでに持っていけばいいと思いますけど」

「う、それは正論かもしれないけど、そんな事を言ってると私のドライヤーを貸してあげないよ。陽香がお風呂から上がったらすぐに使おうと思ってるかもしれないけど、私は陽香がお風呂から出てきたらすぐに準備してお風呂に入っちゃうからね。まあ、昌晃君が私のお風呂を覗きたいって言うんだったら脱衣所を使ってもいいんだけど、私の下着姿だけじゃ満足出来なくて裸も見たくなっちゃったのかな?」

「それは違います。じゃあ、仕方ないんで沙緒莉姉さんの部屋に行きますよ。それだったらいいんですよね?」

「そうだね。大丈夫、昌晃君が心配しているような事はしないから安心してくれていいよ。お姉さんは大人だからね」

「あ、大丈夫ですよ。ちょっと待ってくださいね」


 僕はぶどうジュースを飲み終わったコップをキッチンに持っていって軽くすすいでおいた。このまま真っすぐ沙緒莉姉さんの部屋に行ってもまた下着姿を見せつけたりして沙緒莉姉さんは僕の反応を楽しむつもりなのはわかっていた。だから、僕はそれにちょっとした抵抗をすることにしたのだ。


「真弓、ゲームやってるところを悪いんだけどさ、これから一緒に沙緒莉姉さんの部屋に行かないか?」

「え、なんで沙緒莉お姉ちゃんの部屋に行くの?」

「僕は髪を乾かしたいんだけど脱衣所は陽香がお風呂に入ってるからまだしばらく使えそうにないんだよね。でもさ、このままじゃ僕も風邪を引いちゃいそうだし、真弓だってちゃんとしたドライヤーでセットしときたいでしょ?」

「うーん、真弓はもう髪も乾いているからその必要は無いんだけどさ、昌兄ちゃんがそう言うんなら一緒に行ってもいいんだけど、沙緒莉お姉ちゃんの部屋に入るのはまだ真弓には早いかもしれなんだよね」

「え、どういうこと?」

「だってさ、沙緒莉お姉ちゃんの部屋って大人な匂いがするんだけど、真弓はその匂いが少し苦手なんだよね。だから、沙緒莉お姉ちゃんの部屋じゃないなら真弓はついていくよ」

「そんな事を言わないで頼むよ」

「でもな、沙緒莉お姉ちゃんの部屋の匂いっていい匂いなんだけど刺激が強すぎるんだよね。そうだ、昌兄ちゃんが脱衣所に入れないって言うんだったら、真弓がドライヤーを持ってきてあげるよ。それだったらいいでしょ?」

「おお、それはいい考えだ。ぜひ頼むよ」

「任せてね。じゃあ、行ってくるよ。そのお礼も楽しみにしてるね」

「俺は何がいいかな?」

「じゃあ、ちょっといい?」


 真弓は僕の耳に両手を当てて他の人には聞こえないような小さな声で囁いた。その声はとても小さいのだけれど、何か覚悟を決めたような力強さも感じていた。


「沙緒莉お姉ちゃんがやってた事を真弓が代わりにしてあげるね。目を逸らしちゃいやだよ」

「え?」

「お兄ちゃんは男の子だからそういうの見たいんでしょ。真弓のじゃ物足りないかもしれないけど、特別だからね。陽香お姉ちゃんには内緒だよ」


 僕は驚いてしまい声を出してしまったのだけれど、真弓は嬉しそうに僕を見てニコニコしていた。それを見ている沙緒莉姉さんの顔は少しだけ怖かったけれど、これだったら沙緒莉姉さんの部屋に行っても変わらないのではないかと思っていた。むしろ、真弓の相手をしてしまう方が良くないように思えてしまうのだが、それはどうなんだろうか?

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