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ロシア大戦争

   ロシア大戦争



 1987年4月 モスクワ


 「総統閣下、今年はそろそろ例の時期ですな。」


 「ドイツには気づかれていないだろうな??」

 

 「まだ、ナチス秘密警察もドイツ国防軍も気づいていない模様です。」

 

 「決して油断するなよ、奴らは今の時期に世界が乱れることを必ず嫌って我が国を押さえ込もうとしてくるだろうからな。」

 

 「分かっております。まだ英米日諸国の諜報機関も気づいていません。力の落ちたドイツ程度が気づくはずもありません。」

 

 「ははっ。そうだなメンドレー。我が国こそが最強の国家でありユーラシアの王であるのだ。」


 「その通りであります。我が国の軍隊は既にソ連時代よりも数は少ないですが精鋭無比であります。そして、まもなく、我らの天下が転がってくるでしょう。」


 「ああ、そうだな。ドイツの怒り狂う姿が想像できるわっ。今こそ我が帝国の手に我が国が必要なものを。」



 モスクワでは、世界の二大列強を含めた主要国の知らないうちに戦争の計画が進められていた。

 ソ連崩壊から牙を研ぎ続けたロシア軍によってユーラシアを制圧するという大きな野望が。

 しかし、大きすぎる野望は我が身を滅ぼす可能性を考えないままに、彼らは自らの野望のために突き進む。

 かつて、ロシアがソ連に代わり、ソ連が共産主義を世界にまき散らそうとし、世界の不興を買ったように。

 再びロシアは世界への挑戦をしようとしていた。

 

 確かに、彼らの読みは半分当たっていた。

 確かに米独は力を失い、日本は冷戦から撤退した。

 英国やスペインは昔の栄光は既になく巨大な力は残っていなかった。

 しかし、彼らの読みが外れていたのはそれは時代の移り変わりであり、現地の人々が彼らの意思によって独立を守り切るという考えに変わっていたからだ。

 ロシアの考える我がロシアと言われる圏内にあるフィンランド、満州、トルコ、バルト諸国、ポーランド、イラン、西進を続ける中国である。

 彼らは中国を除いて、その国土国民を守るために対ロ戦争の用意を進めており、彼らは世界中からの救援が来るまで持ちこたえる訓練を行っていた。

 そして、ロシアはそれを読み誤ろうとしていた。

 しかし、戦争とは止められないものであり、極東、東欧で戦争が始まることになってしまった。

 


 1987年5月1日午前6時55分

 

 ロシア軍が満露国境を突破したのだ。

 ロシア軍は満州によって理不尽に奪われた土地を取り返すとして係争地に侵攻した。

 地上からはシベリア軍団と呼ばれる大量のロシア製戦車と60万人にも及ぶ大軍、大量の武装ヘリコプターである。

 そして、空からはミグ29と、スホーイ27などのロシアが誇る戦闘機群が満露国境を突破し、満州軍基地への攻撃のために満州の空に飛び出した。

 

 午前6時57分 王都大連 満州軍最高作戦司令部


 レーダーに光点が次々と現れ始める。

 満露国境付近のレーダーサイトからの情報が司令部にある巨大スクリーンに映し出されていた。

 国境沿いの地図にはたくさんの赤い点が迫っていた。

 さらには、衛星とインテリジェンスを使って周辺国の基地を警戒している満州空軍はロシア極東のミサイル基地からのミサイルの発射を確認した。

 

 司令部は騒然となり慌ただしくなった。

 すぐさまスクリーン左上にある巨大なランプが赤く染まり、警告音が響き始める。

 この時間帯の作戦司令部にいた指揮権が一番高い海軍参謀総長が警報ボタンを押す。

 司令部全体で警報音が鳴り響き始めた。

 


 午前7時


 満州国内で一斉に空襲警報が鳴り響いた。

 核ミサイルではないが、それと同等の緊急警報である。

 テレビは一斉に緊急避難放送を開始し、夜明けの街は騒然となった。

 首相官邸では、首相がバンカーに避難し、満州全軍に防衛指示が発令された。

 完全に大騒ぎであった。

 前線では既に銃撃戦が始まっていた。

 司令部からの連絡で自走砲や、国境沿いの要塞砲が一斉に砲撃を開始した。

 既にロシア軍の戦車部隊が迫っていたからだ。

 国境から100㎞ほど後方の基地では戦車部隊が国境に向けて緊急展開を始めていた。

 満州はこの日42年ぶりの戦争が始まってしまった。



 日本時間午前7時56分


 こちらも、極東で突如発生した戦争に対応するため大騒ぎであった。

 日本が誇る帝国軍情報部JDEXや、日本中央情報局JIA、皇家直轄のNINJAと呼ばれるマル秘機関まで、どの情報機関もこの攻撃の兆候を捉えることができなかった。

 そのため、戦争の準備は整っていても、戦闘のための部隊配置などはまだまだであった。

 さらに、これは57分に発射を確認したロシア極東軍のDミサイルと呼ばれる核ではないが、狙って撃てば、ある程度の範囲にそこそこな被害を与えることができるドイツが最初に開発した敵軍を効率的に核兵器ではない手段で殲滅するための兵器であった。

 これのメリットは数さえそろえれば都市攻撃にも艦隊攻撃にも戦車部隊攻撃にも使える点である。

 まぁ反対にコストがそこそこするのだが、ロシアは好景気を使ってそれをドイツから大量購入していた。

 そして、それが満州だけに向けて発射されたのなら満州軍が対応するので日本は同盟に従ってウラジオストクを海上封鎖し、陸軍の即応部隊と、空軍の派遣部隊を満州に派遣すれば良いのだが、そうはいかなかった。

 ミサイルの弾道では、南樺太と北海道が狙われていることが明らかであったからだ。

 さらに、青森県の大湊海軍基地、三沢空軍基地の方にもミサイルが飛んできていることが分かった。

 57分30秒に全国同時核警報システムが北海道地方と東北地方に警報を開始した。

 核ではないが、システムがミサイルの接近を感知して半自動的に発令した。

 日本でも42年ぶりの本土戦争での戦争が始まった。


 

 ロシア軍はほぼ同時刻に世界的に戦争を開始した。

 ベラルーシ、ウクライナ、バルト諸国、フィンランドである。

 ヨーロッパと極東でいよいよ戦争が始まったのだ。

 これらの戦線で違うのは極東では、世界5位の経済大国であるロシアは世界2位の経済大国の日本と近年急速に経済発展している世界10位であり陸軍戦力世界6位の満州にロシアが挑んだことだ。

 反対にヨーロッパで攻撃されたのはロシアの人口規模の10%以下のバルト諸国や、フィンランド、ベラルーシと、軍事をドイツに頼っているウクライナである。

 そして、この違いはヨーロッパで新たな波を表させ、極東で激しい戦闘を起こさせることになる。


 

 

 


 

 

 









不定期ですが、週1、2程度に1、2話程度更新していきますのでこれからもよろしくお願いします!

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