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死の勇者TS陰子は異世界帰還者である  作者: ぎあまん


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一挙更新はここまで。

次からはカクヨムに追いつくまで一日一話(希望)更新になります。


 そんなわけで千鳳からいろんな種類の銃のレクチャーを受け、撃ちまくり、目隠し組み立てができるようになるまで遊びまくっている間、俺はほとんど外の世界に興味を示さなかった。

 その間、本が恋しくなったから帰ると霧が言い出し、転移でタワマンに送った。海遊びをするときは改めて迎えに行く予定だ。

 Lは屋敷の一画を作業場兼研究所として譲り受けたので色々と準備を始めた。もともと、その知識と技術力を色々なところから狙われているというのでこのままここに居座ることになるかもしれない。

 アーロンはこの島の警備責任者として警備状況の確認を行いつつ、アメリカとガイルの引き渡し計画を練っている。

 どうやらこちらがガイルを確保したことがメデリ・カルテルに漏れてしまったらしく……まぁ、行動を把握していたとしたら推測は容易か……奪還のための部隊を動き始めているということだ。

 そういうわけでアーロンは連中に欺瞞情報を撒きながら安全に引き渡す作戦を練っている。

 ガイルの報奨金はアーロンの会社が総取りということになっているので彼もやる気十分だ。

 剛はアーロンの部下と一緒に訓練に明け暮れている。アーロンの会社に勧誘されているようだが、いまのところその気はなさそうだ。

 目隠し組み立てができるようになったころ、ガイルの引き渡し作戦が決行された。向こうもなかなかのやり手でアーロンは完全に出し抜くということはできず、カルテルの連中と戦闘になった。

 だが、戦闘に入ったのが島の警備エリアだったのが運の尽き、鷹島に介入されて相手の船は沈み、死亡するか捕獲されてアメリカにガイルのおまけとして引き渡されていった。

 執事が強いのはお約束だよな。

 その間、エロ爺は何をしていたかって?

 ずっと俺の近くで見学していたよ。

 やっぱりエロ爺はエロ爺だ。

 さて、そんなわけで射撃場と整備室だけの日々は終わりを告げて霧を呼んで海遊びに興じることにする。

 泳いでBBQしてスイカ割りしてBBQして素潜りしてBBQして水上バイクしてBBQしてウォータスキーをしてBBQをしてスキューバダイビングしてBBQしてウォータボールしてBBQしてフライボードしてBBQして……。


「いや、どれだけBBQするつもりよ」

「運動の後の肉はうまいよな」


 しかしさすがにやり過ぎた感はある。もう誰もBBQに見向きもしなくなった。


「とはいえマリンスポーツがやり放題なのが軽く引くんだが?」


 ここ、無人島だよな?


「お嬢様が退屈なさりませんよう、万全の準備をしております」


 と、おかわりの肉を持って来た鷹島が答える。

 遊具が尽きないのもそうだが、どれだけ食べても食材がなくなったとか言われないことにも驚きだ。


「いざというときのための備蓄は十分にありますので」

「最終戦争が起きた時のシェルターにでもする気かよ」


 俺の言葉を鷹島は微笑で受け止めた。

 否定しないってことは本当にそうだったりしてな。

 ……いや、いざというときにどうやってここまで移動する気なんだか。


「とはいえ、そろそろ夏休みも終わりだな」


 この南の島暮らしもおしまいだ。

 オークションに比べると圧縮してお送りしたが銃と海で遊んだという以外に特に語ることもない。

 後半は水着で過ごすことが多かったから、俺も霧もほどほどに日焼けしたな。

 帰ったらビューティースライムに浸かろう。そうしよう。


「ところで、織羽は夏休みの宿題はしたのかしら?」

「……現実なんてなくなってしまえばいいのに」


 俺の切ない願いは届くことはなく、帰ってから三日間は不眠で宿題をがんばることになった。

 夏休みが終わって始まる二学期は特筆すべきことはなにもなかった。

 亮平のクラン作りに資金を提供し、ときどき南の島に戻ってLとあれこれを作ったり意見を交わしたり、霧と占いで近場に発生したインスタントダンジョンを次々と潰したりした。

 俺としては大人しめな日々だったとは思うが、帰ってすぐが慌ただしかっただけということなのかもしれない。

 俺の精神がようやく、変化した自分や世界に対して受け入れる体制ができた、ということなのかもしれない。

 よくわからない状況に対してはとりあえず武力でマウントを取っていく姿勢だということなのだろうか。我ながら救いがない脳筋思考だ。

 とはいえ語ることのない、あるいは準備の期間だった二学期が終了してすぐのこと。


 その事件はクリスマスイブの夜に起こった。

 まったく、サンタが運んでくるには大きすぎる事件だ。




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[良い点] 面白いです! [一言] 「庶民勇者は破棄されました」から来ました!あっちの小説がとても面白くてこっちの小説も興味があったので読み始めました! 実際に読み進めてみてとても面白いです! 体調…
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