後日譚 黄蛇の親分
「がっはっはっは」
事の顛末を青年から聞き、豪快に笑い飛ばすがたいのいい男がいた。筋肉隆々の身体に歴戦の傷が入った顔が高らかに笑う。
「助けに入ったときには、全て終わった後だったようだな」
「全く面目ない」
顔つきが変わる。
「ところで女」
それまで弟子とともに震えながら正座した師匠が顔をあげる
「この度はありがとうな。部下の命を救ってもらったようだ」
もともとは自分のせいではあるが、あの青年は報告しなかった。
「望みがあれば、聞くぞ。もっとも俺たちができる範囲でだが」
「いえのぞみなんて何も」
「まあゆっくり考えな。で、小僧」
「はいぃ」
「今後は街中で魔法ぶっぱなすような真似をすんな」
予想を反しての笑顔だった。青年によると、あの後、髪を剃りあげたことで、娘さんからパパカッコいいと言われたそうだ。
「あ、そうだ。師匠」
おもむろに弟子が言った
「次の街までの護衛を頼んだらどうです?」
かくして、師匠と弟子の旅は続くのであった
ご愛読者ありがとうございました。
日刊
回ごとに視点を変えるなどの実験でした。
読み返してみると粗が目立ちますね。
より良い作品目指して頑張ります。