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走馬灯よ永遠に
弟子は走馬灯を見ていた。人間は走馬灯のなかに生存の可能性をさぐる
日本で学生をしていたこと
鈍臭さがたたり、店長の頭を便器にダンクしてしまいバイトを一日でクビになったこと。
その帰り道に異世界にいた師匠に召喚されたこと。
お互いが何が起こったか把握できず、ビビリ倒したこと。
師匠とともに言葉を学び、飯を食い、修行をしたことを、得意になって放った
「必殺フレイムボール」
彼の作った火球は黒服たちの親分の髪を消しとばした。残ったのは一直線ハゲである。
短い走馬灯は彼を救うことはなかった。