パンダにできること
まだ慌てる時間じゃない。ミカに魔法とか教えてもらえばいいのではないか?不老不死なら時間は無限にあるし。魔力はあると手紙にもそう書かれている。
「師匠!」
「え?なんで師匠?」
「魔法教えてください!」
「パンダって魔法使えるの?見たところ適正皆無だけど。」
「終局魔法とかいうの覚えられるって書いてあるし行けるんじゃないのかな?」
「あれ魔法って名前だけど厳密には魔法じゃないし、ギフトありきの魔法習得は適正関係ないと思うよ。」
自分のことながら何もわからないので転生マニュアルを見直す。
「なるほど魔力がある以外は普通のパンダなのか。」
「森で見つけたのはでかい魔力に気が付いたからだし、魔力量的に強いと思ったから蹴っ飛ばしたのだ。私は悪くない。全部神って奴の仕業なんだ。」
「まじかよ神最悪だな。というか蹴らないでください。」
「神の送り込んだ転生者なんてどうせ碌な奴じゃねぇんだ見つけ次第やるぞ!」
手紙が送られてきたから知り合いなのかと思ったが仲悪いのかな。
「それはさておき頑張って鍛えれば強くなれるんじゃないかな?」
「吸血鬼の不死性は肉体の不変性も含まれてるから成長しないよ。というかパンダって鍛えると強くなるの?」
「不老不死の落とし穴!」
「それな。友達もできないし。」
多分それ不老不死関係ない。
パンダの芸といえばブランコ・滑り台・自転車に乗るなど知ってるのはその程度だ。竹を掴んだり木に登ったり割と器用なイメージはあるが。 試しに鉛筆を借りて握ってみたが、指の器用さは人間に遠く及ばないとわかる。二足歩行も速くはないし道具を使うのも得意とは言いがたいように思える。




