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ヴァンパイアとパンダ  作者: 怪獣大熊猫
ドワーフの国ニザヴェリル
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夢の世界で魔力解放

 アルゴノーツは畑の警備を終えてホームへと戻った。ホームに戻る頃には夜も更けていたので、装備品を外して早々に眠る準備をする。クエストは無事達成できたので晴れやかな気持ちで眠ることができそうだ。

「少々トラブルもあったがクエストは無事達成できたな。」

「オスカルには久しぶりに会ったけれど元気そうでよかったでござるよ。しかしゲッツ殿が許してくれたとはいえ、みんなにも迷惑をかけてすまなかったでござるな。」

「アカネの身内なら私たちにとっても関係者だし、気にしなくていいよ。」

「その通りだ。我々の間に遠慮はいらないさ。」

「承知したでござる。この件についてはこれ以上は言わないでござるよ。」


「夜も遅いことだしギルドへの報告は明朝、エルと合流する前にすればいいだろう。明日の朝も早いし眠るとするか。」

「そうだね。おやすみー。」

 ベッドルームへと移動しそれぞれがベッドで眠ろうとしていると、ミカが私のベッドにやって来た。

「どうしたのミカ?」

「朝に鍛えてあげるって言っただろ。魔力操作の訓練をしよう。」

「え?今から?」

「ユグドラシルの修行でやっていたように、五感を遮断したほうが魔力操作はやりやすいから、マキの夢の中で練習するぞ。」

「夢の中になんて入れるの?」

「私は大概の事は気合でできるぞ。一緒に寝るだけで夢の中に入れるから早く寝よう。」

 ミカは私のベッドにあがり、仰向けで寝ていた私のお腹の上に乗っかった。

「それじゃあおやすみマキ。」

「うん、おやすみ。」

 ミカが何かしたのかも知れないが、私はいつも以上にすぐに眠りに落ちた。


 目を覚ますと・・・と言っても夢の中なのだが、真っ暗で何もない空間に私は浮かんでいた。

「おーいマキ聞こえるか?」

 声のした方へと振り返るとミカも真っ暗な空間に浮かんでいた。真っ暗なのにミカの姿がちゃんと見えるのは不思議だけど夢の中だしそんな事もあるか。

「聞こえてるよミカ。」

「よし、早速魔力操作の訓練をしようか。」

「よろしくー。」

「訓練といってもユグドラシルのところでやっていた魔力操作の延長だからまずは復習だな。」

「うん、やってみるよ。」

 ユグドラシルのところでやったことを思い出しながら、まずは瞑想して自分の体を纏う薄い膜のような魔力を感じ取る。次に感じ取った魔力を放出したり消したり動かしたりする。暇なときに練習していたので、ここまでは簡単にできるようになったな。

「よしいいぞ。基本的な魔力の操作はできるみたいだな。次は魔力を玉状にして私に向かって発射してくれ。ポーズとかそれっぽくするとイメージがしやすいぞ。」

「おっけー。」

 私は胸の前で両手を向かい合わせて、魔力を凝縮するようなイメージで魔力の玉を作った。作った玉をボールを投げるイメージで放り出すと、魔力の玉は放物線を描いて落ちていった。

「あれ?まっすぐ飛ばないなー。」

「魔力放出は使う者のイメージが影響するからな。マキがボールを投げるイメージで発射したから、そんな感じになったんだろう。」

「なるほど。それなら大砲みたいなイメージならまっすぐ飛ぶかな?」

 再び魔力の玉を作り、今度は大砲のように撃ち出すイメージで発射する。すると魔力の玉はミカの方へとまっすぐと飛んで、ミカの体に当たって消えた。

「おー、まっすぐ飛んだね。」

「ひとまず成功だな。次は魔力放出を推進力に変えた移動の練習だ。私がやって見せるから真似してみて。」

 ミカはユグドラシルとの戦いでやっていたように、大量の魔力を放出してすごいスピードで縦横無尽に動き回っている。推進力はまるでロケットのようだ。

 私もミカの真似をして魔力放出による移動を試みる。一応のろのろと動き回ることはできたが、全然スピードが出せないな。

「まあ最初はそんなものだろう。私は見ているからしばらく練習してみなよ。魔力操作が上手くなればスピードも出せるようになるから。」

「うん頑張るよ。」


―――数時間後

 ずっと練習していたので少しコツがつかめてきてスピードも上がって来た。ミカのように動くのは無理だけど、雀くらいのスピードで飛べるようになった。

「結構時間が経っているけど、まだ練習していて大丈夫なのかな?」

「ユグドラシルのカプセルでも数分が数時間に感じていただろう?五感を遮断して超集中状態になると時間の密度のようなものが濃くなるんだよ。人は死の間際に人生の走馬灯を見るみたいな話を聞くけど、そんな感じだ。たぶんな。」

「なるほど。なんとなく分かったけど、朝まではまだ時間が有るって事だね。」

「好きなだけ練習するといいぞ。」

「よーし、トンビくらいの速さになるまで練習しよう。」


―――さらに数時間後

 目標通り体感でトンビ程度の速度で動き回れるようになった。夢の中だけど結構簡単にできるようになったな。

「とりあえずこんなものかな。夢から醒めてもこのくらいの速度で動けるのかな?」

「今は五感を遮断した超集中状態だから簡単にできているけど、目覚めた後はこうはいかないだろうね。イメージはつかめたと思うからあとは実際に練習するしかないね。」

「流石にそう簡単に空は飛べないのか。頑張って練習するよ。」

「毎日夢の中でイメージトレーニングするのも効果があると思うよ。私は最初からできたから練習とかしたことないんだけど、トレーニング方法はユグドラシルに聞いておいたんだ。」

「ユグドラシルのトレーニング方法だったのか。そういえばミカは人に教えることはできないって言ってたもんね。」

「そういうわけで私が実際にやったわけじゃないから保証はできないけど、効果があるらしいからやってみなよ。」

「うんありがとう。今日のところはこの辺にしておこうかな。実際に使えるかどうか試してみないと、イメージだけ上手くいってても仕方ないしね。」

「お疲れ様。夢の中だからこういうのもなんだけど、おやすみマキ。」

「うん、おやすみミカ。」

 私は夢の中で再び眠りに落ちた。

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