王都へ
ギルに連れられて王都行きの荷馬車の係留所にやってきた。馬車の騎手たちもみんなエルフのようだ。先頭の一台、一番年長者風なエルフの馬車に乗せてもらえるらしい。
「こんにちはー。」
「今朝話した王都に行きたがっているお客さん達だ。急ですまなかったが3人をよろしく頼むよ。」
「ああ、もちろん構わないよ。エルフ以外がこの町に来るなんて珍しいな。」
ギルがあらかじめ話を通しておいてくれたので、3人が乗るスペースは確保してくれている。
「マキです。よろしくお願いします。」
「和の国から来たアカネでござる。よろしくでござるー。」
「よろしく。・・・おや?そっちにいるのは森の賢者様じゃないか。」
「今はミカだ、世話になるよー。」
森の賢者・・・女神からの手紙にもそんなことが書いてあったな。特に確認していなかったがミカの事だろう。思えばこの町に来て誰もミカに驚いていなかったな吸血鬼なのに。アカネはミカを知らなかったようだがエルフ達は知っていたのか。まぁ近所の森だしさもあろう。
「ミカってやっぱり本名じゃないの?」
「はっはっは、気にするな。」
「あっはい。」
必要があればそのうち話してくれるだろうし無理に聞き出さなくてもいいか。
「それじゃ出発するぞ。」
「ギルさんいろいろありがとうございました。手紙は妹さんに必ず渡すよ。」
「ああ、妹は少し変わってるが君たちくらいの年頃だから仲良くしてやってくれ。」
この町には大人しかいなかったので子供のエルフは初めてだ。ギルの妹ならいい子だろうし楽しみだ。
王都までは馬車で3時間程度の道のりだったが道中アクシデントもなく無事到着した。王都では入国検査があるようなので荷馬車のエルフ達にお礼を言って別れた。
先に荷馬車の荷物チェックが行われるので、私たちの審査までは少し時間がかかるようだ。
「盗賊とか魔物があからさまに出てくるかと思ったけど何もなかったね。」
「ここら辺に魔物はめったに出ないでござるよ。盗賊もまずいないでござるな。」
「へーなんで?」
「ミッドガルドでは盗まなくても困っていたら食べ物は分けてもらえるし、それにエルフは強いからね。エルフに喧嘩を売る種族はほぼいないよ。」
ほぼってことは居ないわけではないのか。やはりドワーフと仲が悪いんだろうか。
そうこうしていると入国審査の手番が回ってきた。パンダはこの世界には居ないUMAのようなものだからちゃんと通してもらえるか少し不安だ。
「よろしくお願いします。」
「3人のお話は騎手の方から伺っておりますので問題ないですよ。荷物チェックだけさせていただきますね。」
名前聞いてなかったけど騎手の人ありがとう。
「アカネさんは武器をたくさん持っているようですがご職業は?」
「忍者でござる。ライセンスもあるでござるよ。」
アカネは免許証のようなものを提示している。審査官は魔法で書類照会しているようだ。
「はい確認しました。ミッドガルドへようこそ。」
「忍者って免許制なのか。」
「プロになるのは結構難関でござるよ。」
王都へ武器を持ち込むにはそれに見合う職業と免許が必要なようだ。私が武器を使うことはまずないだろうけど覚えておこう。
ひとまず無事に王都へ入ることができた。




