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ヴァンパイアとパンダ  作者: 怪獣大熊猫
エルフの国ミッドガルド
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ギルのお仕事

「おはようでござる!」

 忍者の朝は早い。まずは挨拶から。

「おはようございます。」

「おはよう。」


 出発する前に3人で一緒に民家を掃除する。

「立つ鳥跡を濁さずでござる。来た時よりきれいにするでござるよ。」

 元不法侵入者だけど偉い。


 掃除が終わるとちょうど朝飯時になったので、民家に鍵をかけて食堂へと向かう。既に労働者のエルフ達は朝食を済ませて仕事に向かったらしい。畑も牧場も朝は早いようだ。

 今朝のメニューはコーンフレークとリンゴのような果物、そしてステーキとミルクだ。朝からステーキとはパワフルだ。

「「「いただきます。」」」

「朝からステーキってなんかすごいね。私は平気だけど。」

「拙者も朝は強いでござるよ。」

「私はいつでも。」

 2人とも朝から重いものでも平気なようだ。日本だと朝が弱くて食べられない人もいたが、こちらでは朝からしっかり食べるのが普通なのだろうか。

「「「ごちそうさまでした。」」」

 食器を片づけて食堂のお姉さんに挨拶してから役場へと向かう。


 役場に到着するとギルも既に受付で書類整理をしていた。エルフはみんな早起きなのかな?

 民家の利用登録書類と鍵を渡し挨拶をする。

「おはようございます。」

「おはよう。王都への馬車は昼過ぎに出発するからゆっくりしてなよ。」

 そう言いながらギルは外に出る支度をしている。

「出かけるんですか?」

「生産品の出荷作業があるからね、僕も手伝いに行くんだ。」

「それなら私も手伝います。」

「拙者も手伝うでござるよ。」

「私もついていくよ。」

「そうかい?助かるよ。」

 どんな風に作業しているのか気になったので、出荷作業を手伝うことにした。一宿一飯の恩義もあるし・・・ご飯は二回食べたな。


 ギルと一緒にまず畑に向かう。畑ではエルフの男女が10人ほど集まっており既に収穫作業を行っている。

 キャベツニンジン玉ねぎジャガイモなどよく知った野菜・・・のようなものが栽培されている。模様や色が違いサイズがでかいが品種改良の違いだろう農業詳しくないけれど。中には見たこともない野菜もあったが、かなり多数の品種が栽培されているようだ。

 収穫は魔法で行われており、機械や農機具は使っていない。乗り気には見えなかったがミカも混ざって手伝っている。ミカの家にも家庭菜園があったし好きなのかな?これだと私は手伝えないな。

「エルフは魔法が得意でござるな。拙者は手作業の方が早いでござる。」

 アカネはすごい速度で次々に野菜を収穫している。身体能力が高いのは亜人種の特徴なのだろうか。こちらも私には真似できない。

 食堂のお姉さんが梱包作業と生産品のチェックをしていたので一緒に手伝った。

「すごい量ですねー。」

「王都の分はほとんどここで賄っているわね。生産拠点は他にもいくつかあるけれど。」

 収穫が終わると魔法で茎葉の掃除と整地を行い、農薬のようなものを撒くそうだ。除虫殺菌成長促進等の複合魔法薬を使っているがオーガニック由来で実際安全らしい。怪しいけど魔法便利だな。これなら少人数で問題なさそうだ。


 畑での作業は一通り終わらせてから次は牧場の方へと向かう。見回りしているみたいだがギルはこの町だと結構偉いんだろうか?

「ギルさんはこの町の管理をしているんですか?」

「僕が一番若いから雑用もろもろと手伝いをしているだけだよ。まあ若いからこき使われるなんてことはないんだけどね。エルフは長命だからそれほど年齢にこだわらないんだ。」

 たしかに誰も偉ぶっていなかったがギルの言葉通り上下関係はないのだろう。役割分担も自然と得意な事をやるように動いているらしい。創作のエルフは多種族に対して排他的なイメージだったが別にそんなこともないらしい。

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