アカネ正式加入
日が傾いてきたので今晩泊まる民家へと戻った。アカネが(不法侵入だが)掃除してくれていたので片づける必要はなかった。
「ところで二人の目的はなんでござる?」
「観光旅行だよ。アカネはここで何してたの?」
「武者修行の旅で立ち寄ったでござる。誰も近寄らない危険な森があると噂を聞いてきたのでござるが、そんな気配はなかったでござるな。」
「ミカの森のことかな?」
「しばらく森から出ない間にそんな噂に変わってたのか。」
「私たちは明日荷馬車に乗せてもらって王都に行く予定だけどついてくるの?」
「もちろんでござるよ。ミカ殿の強さを見て盗むでござる。」
「私は構わないけどミカも本当にいいの?」
「断ってもついてきそうだし一緒に行った方がいいよ。」
「それでは改めてよろしくでござる。」
「うん、よろしくー。」
夕飯時になったので食堂で食事を取ることにした。ミカと二人なら別に食べなくても平気だがアカネは食事が必要だ。食堂はエルフの若い女性が一人で取り仕切っているようだ。メニューはパンとシチューと野菜サラダ、そしてステーキだった。労働者用の食堂ということだったのでかなり量が多い。
「「「いただきます。」」」
和の国でも挨拶は日本風なようだ。3人で合掌してから食事を始めた。
「吸血鬼って他に仲間はいるの?この世界でも存在自体がファンタジー扱いみたいだけど。」
「今は私一人だけだよ。」
「今は?」
「ちょっといいでござるか?」
アカネが話に割って入る。
「この世界と言ったのはどういう意味でござる?」
「私は女神に送り込まれた転生者なんだ。パンダを知っていたしアカネも転生者なのかと思ってたんだけど違うの?」
「転生はよくわからないでござるが、和の国では前世の記憶を持って産まれるものが多いのでござるよ。多くのものは記憶というより知識として持っているだけでござるが。それでパンダを知っていたでござる。」
転生者ではなくてもパンダを知っている人がいるのか。
「「「ごちそうさまでした。」」」
食器を片づけ、食堂のお姉さんに挨拶してから民家へと戻った。




