エンカウントバトル
二人はエルフの国ミッドガルドを目指し森の中を進む。私は四足歩行で歩きミカは空を飛んでいる。魔法でいくこともできるがほとんど観光目的の旅なので歩いていくことにした。森は平坦で特に危険もなく、ミッドガルドまでは徒歩でも数時間の道のりとのことだった。
ミカが私の真上をふわふわ飛びながら話しかけてくる。
「マキー乗ってもいい?」
「ん?乗るって?」
「背中がなんか乗りやすそうだなーと思ってさ。」
「あーなるほど。いいよ。」
四足獣に乗ってみたい気持ちはよくわかるので了承する。
ミカは飛んでいる状態から私の背中に着地した。とても軽いので歩くのに支障はないようだ。
「金太郎の熊になった気分だ。」
「金太郎って?」
「おおまかに言うと森の動物と友達になる昔話だよ。」
「えへへ。」
なんだかうれしそうなのでそのまま進むことにする。
<ガサガサ>
順調に森を進んでいると突如近くの茂みが揺れた。何者かがいるのだろうか?背中のミカは気にしていないようだ。次の瞬間茂みから1メートルくらいのネズミが現れた。
「貴様ら帝国軍だな!」
「しゃべった!?」
「誰でも友達計画で知性のある生き物とは会話ができるよ。知性が低いと意味のある会話にならないけど。」
「そんな能力あったね。」
「そんなことはどうでもいい!今夜はステーキだ!」
言うが早いかネズミが突撃し噛みついてくる。思ったより素早くて避けられない。
「痛・・・くない。不死身でよかった。お返しだー。」
反撃にパンチしてみたがまったく効いていないようだ。
しばらく無為な攻防を続けたがお互いノーダメージでは勝負がつかない。
<ドガァッ!>
ミカが背中から降りてネズミを蹴飛ばした。
「乱入してくるとはとんでもないやつだ!」
ネズミはかなり吹っ飛ばされたが捨て台詞を吐いて元気に逃げて行った。頑丈だな。
ミカは何事もなかったように再び背中にまたがる。
「手ごわい相手であった。魔王軍の精鋭に違いない。」
「あれ魔物でもないただの動物だよ。」
「えー?」
「マキは戦うのに向いてないと思うよ。」
それはなんとなくわかっていたが、普通の動物にも勝てないとは思わなかった。一人で旅をしていたらどうなっていたことか。
「ありがとうミカ。助かったよ。」
「友達が困っていたら助けるのは当り前さ。それとマキは不死身だから襲われても平気だと思うけど、反撃はしない方がいいかもね。」
「え?なんで?」
「そこらの動物でも攻撃がまったく通じないとわかればそのうち逃げていくからね。」
「えー?そうかなー?」
「相手するのもめんどくさい時試してみたから間違いないよ。服が汚れるから避けることにしたけど。」
「何やってんだミカ。」
なるほど、反撃すると攻撃が効いていて抵抗していると思われるのか。無視すればそのうち逃げていくなんて匿名掲示板のレスバトルみたいだな。なるべく戦いは避けるようにしよう。
その後ネズミ以外に出会うことはなく、そのまま森を抜けると町が見えてきた。お昼までには到着できそうだ。




