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ヴァンパイアとパンダ  作者: 怪獣大熊猫
吸血鬼のミカ
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お風呂

 本棚の本を借りて何冊か読んでいるとミカが近づいてきたのでそちらを向く。

「マキなんか臭いな。」

「藪から棒に失礼だな。昨日森の地面で寝たからかな?」

「洗ったげるよ!」


<カポーン>

 ログハウスに似つかわしくない旅館風のお風呂があった。なぜか和風だがミカは日本に詳しいのだろうか。しかしこの吸血鬼真っ裸である。そしてぺったんこである。

「なぜ脱いだし。」

「マキは服を着て風呂に入るのか?変わってるな。」

 そうではないが。見た目は少女だが人外だし恥ずかしいとかそういう気持ちはないんだろう。私もパンダになってしまったので特に問題はないか。仮に雄だと問題あるのかわからんが雌だしな。


「シャワーがあるけど水道通ってるの?」

「地下水を魔法でなんやかやして通してるよ。」

「なんやかやって?」

「なんやかやはなんやかやだよ!」

「おっそうだな。」

 深く考えなくていいか。


 まず体を洗おうとしたがいろんなところに手が届かない。そして毛皮がとても洗いにくい。水浴びするだけでもいいかと考えたが、ミカがこちらの様子をうかがっているので素直に頼むことにする。

「自分で洗えないみたいだから洗ってくくれる?」

「まかせろーバリバリ―。」

「やめて。」

 どこから持ってきたのか洗車用のブラシのようなもので全身を洗ってくれた。自分で洗えないのは不便なので対策を考えたいところだが、人に洗ってもらうのは意外と気持ちがいい。お返しにミカの体を洗ってから湯船につかる。髪も肌もきれいだが吸血鬼だからだろうか。背中に羽が生えている以外は人間と変わらないように見える。


「そういえば吸血鬼は流水を渡れないって話は・・・。」

「もちろん嘘だ。」

「弱点ないの?」

「あえて挙げるならラッキョウが嫌いかな。」

「ニンニクじゃないのか。」

 不死身の怪物に弱点が山ほどあるのは考えてみれば不思議ではあるが、どうしてそんな話が浸透しているんだろうか。


「その他の能力についてはどんな感じなの?やっぱり嘘?」

「煙になるとか血を吸って仲間を増やすみたいなことはできないね。空飛んだり怪力だったり不老不死は伝承通りかな。あとは魔法が得意だぞ。」

「ミカが魔王倒したらいいんじゃないかな?」

「あれは私には影響ないから干渉する気はないよ。」

 とりあえず魔王は放っておいても平気らしいので私も気にしないことにする。


 お風呂から上がり濡れた毛皮を乾かすとすごくモフモフになった。パンダってかわいいな我ながら。ミカも寝間着に着替えているが普通に洋服だ。家のものは全部自分で作ったと言っていたが洋裁もできるのだろうか。


「一緒に寝ようぜ!」

「なんかもう慣れてきたけどぐいぐい来るな。」

「友達だからな!」

 友達というかペットっぽい。慣れない体で疲れた気がするのですぐ休むことにする。不老不死なせいか別に疲れてはいないのだが。


「マキはふかふかだね。」

 ミカがお腹の上に寝そべっている。軽い。なんか既視感が・・・あーこれってトト〇。

「おやすみー。」

「あ、うんおやすみ。」


 いつ出発しようか、どこへ行こうかなどとこれからの旅について考えながら微睡む。

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