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ヴァンパイアとパンダ  作者: 怪獣大熊猫
ドワーフの国ニザヴェリル
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アカネの新忍法 ~幻月~

 山の精霊リューベツァールはミカの知り合いであり、幻惑魔法勝負は有耶無耶のうちに勝利に終わった。でもせっかくなのでアルゴノーツの幻惑魔法を、リューベツァールにお披露目することになった。フィオの魔法はなかなかの高評価を貰い、次はアカネの新忍法の番だ。


 アカネの新忍法には私とエルも協力することになったので、アカネを中心に3人で並んで立つ。

「次は拙者の番でござるよ。」

「どんな忍法か分からないけど、私たちは本当に立ってるだけでいいの?」

「大丈夫でござるよー。さっそく行くでござる。忍法・幻月!」

 アカネが忍法を発動すると私達3人は煙に包まれた。そして煙が晴れると3人ともアカネの姿になっていた。

「おーすごい。それでどうなるの?」

「ここからが本番でござる。忍法・陽炎改!」

 二つ目の忍法で私・アカネ・エルがシャッフルされるように、次々と立ち位置が入れ替わった。忍法・陽炎は、アカネがピンチに陥った際に私と入れ替わるために開発したものだったはずだが、フィオとの修行で性能が強化されたようだ。

「どうでござる?本物の拙者がどれか分かるでござるか?」

 アカネは得意げにそう言い放ったが、私は四つん這いになっているしエルは棒立ちしていたので、質問を投げかけているのが本物なのは一目瞭然だった。

「いやいやお主じゃろ?」

 リューベツァールは当然すぐに本物のアカネを看破して指さした。・・・かに思われた。


「ふっふっふ・・・騙されたでござるな?」

 声のする方を見るとリューベツァールの背後に、もう一人のアカネが立っていた。

「なるほど分身じゃったか。」

「その通りでござるよ。種明かしが必要でござるか?」

「なんとなく分かるけど一応お願い。」

「承知したでござる。忍法・幻月はマキ殿とエル殿を拙者の姿に変化(へんげ)させているでござる。しかしそれは目くらましで、本命は別でござるな。煙幕と拙者が3人に増える演出で相手の注意を引き、その隙にこっそりと分身を作っていたでござるよ。」

「なんだか手品師みたいだね。」

「派手な演出で気を引いて、本命のトリックはこっそり遂行する。まさに手品の手法でござる。単純だけど効果的でござろう?」

「それで二つ目の忍法はなんだったの?」

「陽炎改は本物の拙者が分身と入れ替わる事と、リューベツァール殿の背後に回り込むまでの時間稼ぎが目的でござるな。我々3人をシャッフルしていると相手に思い込ませながら、実際には拙者が分身と入れ替わるのが本命でござる。」

「わしはまんまと術中に嵌ったというわけじゃな。」

「リューベツァールを騙すとはやるなアカネ。私はにおいで背後に近づいているのは分かっていたけどな。」

「ミカ殿には通用しなかったでござるか?におい対策もしないといけないでござるな。」


 アカネの忍法の種明かしが済んだところで、改めてリューベツァールと話をする事にした。その前に紛らわしいので私とエルの変化(へんげ)は解いてもらった。

変化(へんげ)って変身とは違うの?」

「わしの変身魔法は見せかけではなく本当に姿かたちが変化しているから、見せかけだけの幻惑であるアカネの変化(へんげ)とは異なるじゃろう。試しにミカに変身して見せよう。」

 リューベツァールは白い霧に包まれてミカの姿へと変身した。そして翼を広げて空を飛んで見せた。

「見た目が変わるだけじゃなくて空まで飛べるんですね。」

「わしが真似できるのは鳥になって翼を使って飛ぶ、馬になって速く走るというような形質的な特徴だけで、魔法や固有の能力をコピーできるわけではないがのう。小さくなったり大きくなったりもある程度はできるぞい。」

「便利な魔法でござるな。ミカ殿とフィオ殿も使えるでござるか?」

「姿が変わらないのが不老不死の能力の一部だから、私は変身は使えないぞ。」

「吾輩は変身魔法を使えるが、体積や質量が大きく変化するような変身は無理だな。リューベツァールの魔法は違うようだが。」

「精霊の姿など有ってないようなものじゃからのう。老人の姿が一番落ち着くから、普段はこの姿でいるがのう。」

 リューベツァールはミカの姿から元の老人の姿に戻りながらそう言った。


「ところでアカネは分身なんて使えたんだね。」

「フィオ殿との修行で魔力量が増したから、使えるようになったでござるよ。魔法だとエイリアスというようでござるが、忍者的には分身の術でござるな。」

「分身は勝手に動いているの?本体とは完全に別行動をとっていたけど。」

「本体も分身も拙者が操っているでござるよ。並列処理能力が上がれば分身の数を増やせるらしいでござるが、今は1体出すのが精いっぱいでござるな。」

「なるほど。アカネはどんどん強くなってるんだね。」

「日々の鍛錬の成果でござるよ。フィオ殿から攻撃魔法も習っているし、まだまだ強くなるでござるよ。」

「私も魔法を習ってみようかな?」

 エルも魔法に興味を持ったようだ。ドワーフは魔法の適正が低いらしいが、アカネのような亜人も魔法適正は高くないらしいので、頑張れば使えるようになるのだろう。私は魔法適正が皆無なので無理だけど。


「お主らの幻惑魔法を見せてもらったことだし、わしからのクエストは達成じゃな。ギルドにはそのように連絡しておくわい。それとわしの家に招待するぞい。お礼に昼飯くらいは用意しよう。」

「精霊の家でござるか?なんだかすごそうでござるな。」

「期待してるところ悪いが、結構普通じゃぞ。」

「私もお前の家は見た事が無かったな。どこにあるんだ?」

「少し山を下りたところじゃよ。遠くはないので歩いて行こうかのう。」

「はい、お世話になります。」


 リューベツァールの家へと招待されて、お昼をご馳走してもらうことになった。リューベツァールが何者なのか、ミカとはどういう関係なのか等聞いてみたいな。

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