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第七話 店長さんのはなし


ロスタスさんを、光の胞子に変えてから七日、あの事件以降、ロスタスさんとは合っていない。

別にこちらから避けている訳ではなくて、普通にプレイしてても、合わなくなったのだ、最初の三日間は白き流星のギルドホームの前で、焼き鳥を食べながら待っていたが、全然ギルドホームに帰ってこなかった、居場所を知ってそうな、ピノにも聞いたがどうやら、秘密らしい。


あと、変わったことと言えば、あの事件から三日後に運営から、ダイレクトメールがきた、内容は


『基本、町中でのキルは禁止ですので、勘弁してください』


みたいな内容だった、スキルの修正をしろよ、と思ったので、そう返信すると。

どうやら、このスキルはある天才が作ったものらしく、修正するためのファイルが開けないんだとか、なんとも迷惑な話だ。しかも、[喰べる]スキルは武器を持つとその武器にダメージを与えるのでおいそれと武器を持つとすぐに、壊れる。

そのせいで、串投げはできないし、初期装備の短刀はもう、壊れてしまった。


「あーあ、破壊できない武器とか、ないかなー」


近寄ってきた、筋肉牛を触れて倒しながら考える。

一様、攻略サイトを今ある分だけ読みまくったが、破壊できない武器がある事は確認できなかった。

本当は武器なんて、いらないんだが、せめて遠距離攻撃が欲しい、それがないと敵が近寄ってくるのを、まっていると、結構時間をくって、効率的ではないから。


狩りを終わらせて、いつもどおり換金を済ませる、そしてこれからは町にある、飲食店を回るのが私の日課になっている。もう南の飲食店は全て、行ったので今度は東に行く。


東の大通りを歩いて、飲食店がないか探していると、飲食店ではないが気になる店があった。

看板に書いてあるお店の名前は


『呪いの武具店』


呪いの武具は、普通の装備とは違って、性能はいいが、デメリットの方が大きいので装備する奴は皆無と言っていい。そんな店が大通りに出たからと言って儲かる訳がないのだが。

その店は、意外と儲かっているようだ、今でも三人くらいがカウンターの前に並んでいる。

私の予想だが、[解呪]のスキルレベルが高いんだろう。

[解呪]は呪いの武具の呪いを消すスキルで、実際は知らないが、メリットが強い呪具ほど、解呪の難易度はあがるらしい。


まあ、これはあくまでも予想なので、『呪いの武具店』の人が解呪のスキルを持っているかどうかは知らない。

そんなことよりも、気にいなるのが、呪いの武具なら壊れない武器があるんじゃないの?ってことだ。

善は急げ、だちょうど店に着くと、さっき並んでいたお客?はいなかったので、一人しかいない高校生くらいの女性定員さんにそういう武器があるのか聞いてみる。


「いらっしゃいませ」

「壊れない武器ってありますか?」


その言葉を聞いた、店員さんは何故か目をキラキラさせて、奥に引っ込んでいった。


「………えっ?」


なぜか、定員さんは店の奥に行ってしまったので、私一人が店の中に残される。

待ってたらいいのかな?

ぼー、としながら待っていると、一分ほどで帰ってきた。

が、さっきとはまるで違う、真っ黒なドレスを着込んで、右目はカラーコンタクトで金色にしている。

どういうことか説明をまっていると、定員さんも困ったような顔をした


「とりあえず、あっちに部屋があるんで、ついてきて下さい」


テンションが最初の時とまるで違うので、多分あの格好に反応して欲しかったのだろう、少々可哀想になってきたので、部屋に着く前に、ドレスのことを褒める


「そのドレス可愛いね」


定員さんの歩みが止まった。


「でしょー、この服は私のオリジナルでね、素材も上質な物を使っていて、デザインも私が考えたんだよ、他にもいろいろな服も作って倉庫に眠っているから、今度、君にもきさしてあげるよ、例えばー私のと同じ、ドレスでもいいよ、他にもいろいろあって―――――」


そこから先は頭に入ってこなかった。


その後、数十分で、部屋についたなんだか、同じところをぐるぐる回っていた気がするが、気のせいだと思っておこう。


部屋の中は定員さん、て言うかこの店に入ってから、他の人を見なかったので、一人で店をしているのだろうか?

だったら定員さんじゃなくて、店長さんなんだか、まあいいか。


部屋の中は店長さんのドレスと同様で黒を中心とした部屋だった。

しかも、壁には呪具のようなものが、立てかけてあるので禍々しい部屋だった。


「とりあえず座って」


私は店長さんの言葉に従い、部屋の中心に置かれている、ソファーに座る。

座る場所はこのソファーしかないので、店長さんは立っているんだろうか?

という私の予想を店長さんはぶち壊した。

なんとソファーに座ってきたのだ、普通、初対面の人と一緒のソファーにすわるか?

しかも今座っているソファーはギリギリ二人が座れるくらいなので、お互いの肩があたっている状態になっている。

正直、今すぐにでも、立ち上がって部屋から出ていきたいがなぜか、店長さんは頬を赤らめて、そっぽを向きながら、腕を私の体に絡ませてくる。

なにこれ、恥ずかしい


ちなみにどうでもいいことだが、スキル[喰べる]には、[プレイヤーへの攻撃を無効化]というのがあったので今はその効果をオンにしている。


「あっ、あのこれはどういう――」


私がこれはどういうことか聞こうとすると、店長さんが私の声に被せて、言ってきた


「私と友達になってください!」


「………はい」


店長さんの言葉に一瞬どうすればいいか、困ったが私も友達は多い方がいいと思っているので了承した。




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