第閑話 6.5 運営
Unlimited dream online
通称『UMO』は私の所属している開発部が企画した。
もう何年も前からフルダイブ技術は確立されていたので、このゲームもフルダイブ技術を導入した。
企画が通ったすぐに、海外で初の五感の再現が確立した、開発部はこれ運命だーと生き込んで、海外にある
五感の再現をした、人物゛テン・サーイ゛博士のもとを尋ねた。
払える額なら五感を再現した技術を教えてもらおうと、だが博士は無料で技術を渡してくれた。
が、その代わりに私にも、ゲーム開発を手伝わしてくれ。
という、言葉に皆、大歓迎した。なぜならこれで、日本一のゲームが作れるかも知れないと、感じていたからだ。
最初はそう思っていたが、後になって考えると、もしかしたらゲーム性が変わってしまうかも知れないと、開発部のみんなで話し合った。
結論はどうにか、ゲーム性は変わって欲しくないと、みんなでお願いすることにした。
翌日
昨日に話し合った事は全てが無駄と言わんばかりの、発言を博士はした。
「ちなみに、吾輩は一個のスキルを作らせてもらえば、良いから。
ゲームバランスもほとんど変わらんと思うから、安心せい。はっはっはっはっはっは」
博士はとても優しかったのだ、博士の作ったスキルは所謂壊れスキル『喰べる』その性能はゲームバランスの崩壊を意味していた。
効果は
自分の総STR分の固定ダメージ
固定ダメージと同じだけのMP粒子の生成
使うと満腹になっていく
発動条件は
なんでも体に触れたら
こんな壊れスキルには皆、反対したが実際プレイしてみて、スキルを試してみると相手に100ダメージを与えるとお腹がいっぱいに膨れたような錯覚をうみ、動けなくなる。
実際にテレビにも出ている大食いを売りにしている方にも試してもらったが、500ダメージ以上は苦しくなって、動けなくなった。でもこれだけだと少し危険なので、このスキルに限ってプレイヤーが失神したら、
強制ログアウトということになった。
博士曰く、このスキル取得したやつざまー
とのことだった。
ついに、ベータテストも終えて、正式リリースの日になった。
悲しいことに博士は帰国中に石に転んで頭を打って死んでしまった、お供え物は博士と一緒に作った『UDO』のソフトだ。
これであの世でもプレイしてくれるだろうか。
いろいろな事が終わって、ついにサービスが開始した。
博士と同僚の皆と微調整を徹夜でしたので、一日目は成功と言ってよかった。
そして二日目を迎えた。
いままで通りなら二日目もうまくいくはずだった。
皆が小休憩していると、急に全パソコンから音声が流れた。
『スキル[喰べる]がプレイヤーネーム[クノ]様によって取得されました。』
この音声がいつかは流れるのだろうと、思っていたが二日目で流れるのは、早すぎる。
まあ、こうなったからには確認しなければならない。
部屋にある大スクリーンにクノというプレイヤーの画面を映す。
そこには、ソロで戦士牛の討伐をして、町に行く帰るところのクノが映される。
みんなで[喰べる]の使用をまっているとクノは町に着いた。
「なんだ、町についてしまったか」
町での゛プレイヤーキル゛はできなので、みんな残念がる。
それだけ[喰べる]がどんな効果か楽しみだったのだろう。
そこまで見て、みんなが解散して、仕事に戻って行こうとする。
まだ全員が席に座ってない頃、同僚のデレかが叫んだ。
「町の中でプレイヤーが喰われたぞ!!!」
一瞬なんのことか、わからなかったが、そのシーンを観た誰かは、スマホで動画を撮っていたので、その画面をスクリーンに映し出す。
そこには、UDO最強の鉄壁と言われた、ロスタスがクノと握手をして、消滅した。
この場にいる全員が固まる、町中でのPKはできないはずだ。
それが可能なスキル………
全員が自分の席に座り、『喰べる』スキルの修正に取り掛かるが、
修正をしようと思ったら[喰べる]スキルのフォルダにロックが掛かっていた。
『このフォルダは弄らせません。』
と画面に出てきた。
どうしても修正をしなければならないので、ハッキングを全員でしようとなって、全員が頑張る。
が、全く解除ができない。
何回も何回も何回も試していくが全て無駄に終わった。
そんな事をして三日が過ぎた。
「もうだめだ」
「目が痛いー」
「おお英語が立体的に見える」
全員、重症だ
最後の人は病院に行かなければダメなやつだ。
そして、ついに開発長が宣言した
「諦めよう」