第六話 やってしまったはなし
ピノに換金の事を聞いて、返答を待っていると。すぐに返答してくれた。
「換金は町の中なら其処らじゅうにある、四角い、換金ボックスでできるよ。」
と言ってピノは私の後ろを指さした、その指している方向に目を向けると、真っ黒い自動販売機くらいの大きさのボックスがあった、私も何回か見ているがアレが換金をする方法とは思いつかなかった。
教えてくれたことに、礼を言って換金ボックスに直行する。
いざ、換金ボックスの前に立ってみても、使い方が分からない。
どうすればいいか悩んでいると、ピノと一緒にいたロスタスさんが近くに寄ってきた。
私はロスタスさんも換金するんだな、と思い場を譲る。
「クノくん、使い方分からないだろう、教えてあげるよ。」
いつの間にか、呼び方がに゛くん゛をつけている。
もしかして、男と間違えたんだろうか?
そんな事は無いと考える、顔も女の顔だし、声も女性の並くらいだし、胸も少しはある。
あと、足りないのは身長くらいだが、一目みたらちゃんと見分けられるはずだ。なので、少し怖いが、意見する。
「私、女ですよ」
その言葉を聞いたロスタスさんは、一瞬驚いた顔をしたがすぐに、いつもの笑顔に戻る。
「ああ、ごめんごめん、一様これでも前は教師をやっていてね、女子はみな゛くん゛づけだったんだよ」
少し納得したが、私はもう高校生だからそういう子供扱いはやめてほしい。
そう口にすると、ロスタスさんはさっきとは比較にならないような、驚いた顔をして、ピノのところまですごい勢いで行ってしまった。
遠目で見ていると、ロスタスさんとピノが話し合っている。
会話は聞こえないが、ピノが頷くとロスタスさん含めた、他の二人も驚いた顔をしてこちらを見てきている。
多分だが、私を小学生くらいの年だと、勘違いしていたのでろう。
そんな事を思っていると、ロスタスさんだけこちらに帰ってきた、さっきほんのすこーしイラついたので、殺気を込めて睨んであげると。
「ひっ」
大いにビビってくれたので、少しは気が晴れた。このままでは、換金ボックスの事が分からないので、それはもう慈悲に溢れたような笑顔で、許してあげた。
「すいませんでした」
そしたら、土下座で謝ってきた。
そこから、ロスタスさんがまともに喋れるまで、10分の時間を要した。私の睨みがそんなに怖かったのだろうか、私はその事実に少しだけ悲しくなった。
ロスタスさんが復活(死んでないけど)してから、換金ボックスの説明を受けた。
換金ボックスに触れると、そこに自分の持っているアイテムが映し出されらしい、次に換金したいアイテムとその個数を選択して一番下にある[換金する]のボタンを押すらしい。
あとこれは聞いていないのだが、心優しいロスタスさんが教えてくれた。
一つ目にレア素材がドロップしたら、換金ボックスじゃなくて、生産をしているプレイヤーに渡せば通常よりも高く買ってくれるらしい。
なんでも、生産プレイヤーはそういうレア素材で装備を作りたいらしい。完全に生産にのめり込んでる、生産廃人は計画性もなく、全財産をやるからレア素材を売ってくれ、というやつも極わずかだが、いるらしい、今後はそういうやつには近づかないように気をつけよう。
二つ目に、素材とお金が揃っていれば、生産プレイヤーがオーダーメイド品を作ってくれるらしい、
だが私は、武器は持つと壊れてしまうし、防具をつけても攻撃が一撃当たれば死んでしまう、紙装甲なので、あまり装備は欲しいとは思わない。
そんなことを話したら、ロスタスさんは脱兎の如く逃げ出そうとするので、待ったの声をかける。
すると、おとなしく止まって、こちらを向く。
「教えてくれたお礼になにかしたいです。どうすればいいですか?」
とても、不器用な言い方だが、私のコミ力を全開にした言い方がこれなのでしょうがない。
返答を待っていると、ロスタスさんが握手をして欲しいと言う。そんなことでいいのかな?と思いながら、ロスタスさんから差し出された手を握る。
そして、ロスタスさんはこれまでに無いような幸せな顔をした。
そして逝った。
「「「「あっ」」」」
もちろんその光景を見ていた私と白き流星の面々は突飛な自体に驚いた。
Σ(ノ≧ڡ≦)てへぺろ