第五話 新スキル
ゲームの敵相手に、自分の本性が少しだけでてしまったことに、若干気落ちしながら、町に戻る。
まあ、北の門が見えてきた頃には、焼き鳥の事で頭の中がいっぱいになっていたので、さっき気落ちしていた気分は、遥か彼方に飛んでいった。
そしてすぐ、換金しないとお金がないことに気づき、別の事で気落ちするが。
「換金はどうやってするんだろう?」
普通に換金の仕方を知らないので、人に聞いてみようと思ったが、自分が若干の人見知りなことに気づき、諦める。
無理なことは置いておいて、北の森に行った成果を確認する、まずはアイテムから
アイテムボックス
筋肉牛の肉
筋肉牛の骨
筋肉牛の革
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・
と[筋肉牛の〜〜]が、大量に並んでいる。
最後の方には、戦士牛の素材と、戦士牛の持っていた2mの両手剣が入っている。
少し興味があり、周りに誰もいない事を確認して、戦士牛の持っていて両手剣を取り出す。
そして両手剣を持っていみると、
持てるがすぐに疲れる、一回だけ敵を縦一文字に切り裂く事は可能だが、その後に疲れて顔から地面に衝突してしまうので、この両手剣も換金決定となった。
次にステータスを見る。
クノ
レベル 19 ポイント54
HP 80/80
MP 35/35
STR 550
VIT 0
AGI 0
DEX 0
INT 0
ポイントが[54]も溜まっていたので、全部STRに割り振る、これで
総STRが604になった。
ステータスの変化は、他にもあった、なんとスキルが増えていたのだ
スキル
[STR二倍]
[無傷の生還]
[喰べる]
まず上から順に説明を見ていく。
一番上の[STR二倍]は、その名の通り、STRを二倍にしてくれる。
このスキルを合わせると総STRが1208になる、ちなみに習得条件は、一時間の間に自分より高レベルのモンスターを、一人で100体倒す。
というのが条件だった。
ちなみに普通の人は、自分より高レベルのモンスターを倒せることはできても、時間に間に合わないか、デスするだけなので、今このスキルを持っているのは、クノだけということになる、もちろんクノはこんな事は知らないので、
簡単だったなー、と思っている。
次のスキル[無傷の生還]は一度だけHPが0になっても、1で耐えることが出来るスキルだ、ついでに取得条件は、自分より高レベルモンスターと一時間、ソロで連戦をして無傷で町に帰ってくることだ、このスキル取得もクノにとっては簡単だった、最初は危うくダメージを受ける場面が少しあったが、レベルが上がるにつれて、クノの近くに行く前に串で眉間を刺されて撃沈していたので、楽チンだった。
是非このスキルが欲しい人が聞いたらがっかりして、クノにものすごい嫉妬をするだろう、まあ、このスキルを知っているプレイヤーはいないので、そんなことにならなくてすむが。
最後に[喰べる]。
このスキルは、ソロで自分よりレベルが圧倒的に高い、モンスターをHPドレインで倒すと手に入るらしい、
そして効果は、自分の体(防具越しでも可)に触れたもののHPを自分の総STR分だけ削り、与えたダメージの分だけMPを赤い胞子にして身にまとわせる事が出来る、
最強クラスのスキルだが、欠点がある
それはHPを削る分に比例して自分の空腹感が満たされていくのだ。
聞こえはいいが成人男性なら相手に100ダメージ与えると満腹で動けなくなる、
これは無尽蔵の食欲を持っているクノだけが使えるスキルである。
これが北の森に入って得た成果だ、
アイテムは換金をすればいいし(どうするか知らないけど)
ステータスアップは普通に嬉しい。
最も今日、一番の成果はスキルだ、それも[喰べる]のスキル、このスキルは私のためにあるとしか、思えない
MPの使用方法は未定だが。
とりあえず戦力は大分上昇したので、もう戦士牛も楽勝だろう。
そんなことを考えていたら、北の門にピノたちが見えたので、歩いて近づいていく、
そしたらピノも気付いたのか、こちらに手を振っている。
「おーーい クーちゃーん」
ピノが私の名前を大声で呼ぶ、そしたらピノのパーティーメンバーが全員「なんだ?」みたいな顔をする、そして近づく私に気がついたのか、
ピノ以外のパーティーメンバーが私に頭を少し下げて会釈する、そこにはロスタスさんも入っているので、少し疲れるがダッシュして白い流星の面々に挨拶をする。
「白の流星の皆様、こんにちは」
ピノだけがいるなら、こんな堅苦しい挨拶はしないが、一様、知らない人もいるのでこうなってしまう。
「そんなに、堅苦しい言葉はよしましょう!」
「そうよクノ、ロスタスさんの言うとりよ」
私はロスタスさんの言葉に少し嬉しくなった。
理由?そんなの敬語なしでしゃべれる人なんてピノがいるくらいだからだ。
そんな事はさておき直球に要件を尋ねる。
「素材の換金ってどうするの?」
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あとがき
[喰べる]スキルをプログラムした人は世界一天才で世界一意地悪だった、
世界一の天才曰く
このスキルを得たやつざまー、これでまともに味方に触れねーぜ、なんたって触っただけでもダメージ判定だぜ、
さわった味方はダメージを受け、武器の耐久値は触ってるだけで減っていく、しかも魔力の塊の赤い胞子が鬱陶しい、しかも腹が膨れる、これでこのスキルを取った奴は、ゲームで
ぼっち 武器縛り 短期試合しか無理 赤いのが鬱陶しい
この四つの試練を乗り越えられるならやってみろー
と言って死んでいった
しかも運営側がこのスキルを消せないように、最強プログラムもかけていった。