第四話 牛狩りのはなし
どんどん設定が適当になっていきます。
麻衣から、フルダイブ機をもらった翌日、私は学校から帰り、『UDO』にログインした。
そして昨日のように焼き鳥を買おうと、お店に向かって歩いていく。
あと少しで屋台という時に、あることを思い出した。
「お金、なくない」
そう昨日、焼き鳥に全財産をつぎ込んだのだ。
まさか、そんな馬鹿な。
と思ってステータス板を開いてお金の項目を見ると、自業自得の結果と言わんばかりに
[残高 0ミル]
と書かれていた、これは流石にまずいので、私はここから一番近い北の森に向かう。
10分ほど歩いて、北の森に続く門に着く、
が不思議なことに、プレイヤーがあまりいない、いても私みたいなソロではなくて、
アタック
タンク
ヒーラー
の三役割が揃ったパーティーだ。
「もしかして、北の森って激ムズ…」
そんな予感は的中して、北の森に行く人はよほどの馬鹿かベータテスト経験者くらいだ、もちろんこんな事、今のクノに知るすべはないが。
そんなパーティーの中にピノ(麻衣)と、昨日会ったロスタスさんのパーティーもあった
他にも二人ほどメンバー居た。
まあめんどくさいので、話かけないが。
ピノのパーティーの事は無視して北の森に入る、幸いなことに最後までピノは私に気が付かなかったので、今日は吉日だろうか。
そんな事はさておき、
北の森をどんどんと奥に進んでいく、出発から2分で一体のモンスターを見つけた。
私は咄嗟に近くの茂みに身を隠す。
見つけたモンスターは牛が二足歩行になって、全身に筋肉をつけてたようなモンスターだ、私はそのモンスターの名前を見るべく、目を凝らす(麻衣の言ってたこと)
そしたらモンスターの頭上に名前が出る
[筋肉牛]
、まあ名前はどうでもいいとして、見た目的にはとても強そうだ
私の紙装甲では、ワンパンでデスするかも知れないので、
とりあえず昨日食べた、焼き鳥の串を筋肉牛に投げつける。
ちなみに焼き鳥の串は残高確認の時に偶然見つけた、その串を投げようと思ったのは、近づくのに少々遠かったからであり、別に怖かったわけではない、ホントだよ!
まあ、それはいいとして投げた串だが、あっさり弾かれると思ったが串は少し筋肉牛の肌を傷つけて地面に落ちた。
HPバーがないのでどれほどのダメージを負ったのかは分からないが、少しでもダメージが通ることがわかったので続けざまに串を投げ続ける。
最初は不思議そうに周りを探す程度だったが、続けられるダメージによってやっと筋肉牛は敵の攻撃と悟ったのか異常発達した腕をブンブンとデタラメに振り回す。
どうやら串の一本が筋肉牛の目に当たったのか周りが見えずデタラメな攻撃をしているようだ。
そんな事を続けていたら串がなくなったので、初期武器の短刀を筋肉牛の頭部めがけて全力で投げる、短刀は綺麗な軌道で筋肉牛の眉間に深々と刺さる。
刺さったあとは筋肉牛が光の胞子になって消えて、私の前にレベルアップ通知とアイテム取得通知が出る、
とりあえず周りに落ちている串と短刀を拾ってアイテムボックスに片付ける。
筋肉牛は倒せることがわかったので、ステ振りと戦利品の確認は後にして、筋肉牛をこのあたりで、
サーチ&デストロイをして狩りまくる、時たまに集団の筋肉牛が現れるが、特に方針は変わらず串を刺して終わる。
その、もはや作業と変わらないことをして一時間、あと一体倒したら終わろうと、奥に進んでいくと、
普通の筋肉牛よりも大きな3mの筋肉牛がいる、名前を見てみると。
[戦士牛]
となっていた、ちょうど最後の一体に相応しい敵が出てきたので、まずお手並み拝見に串をアキレス腱に投げる、
串はそのまままっすぐ飛んでいきアキレス腱に当たるがダメージを負うどころか、串が砕けてしまった。
これまでにも何本か折れたり、壊れたりしたが、さっきの串はまだ一回しか使ってないので、少しばかりショックだった。
とりあえず串は効かない事がわかったので、短剣を持って相手を待ち構える、(VIT不足で走るとすぐ疲れる)
そこに戦士牛は2mもある両手剣を大きく上に振りかぶって突っ込んで来る、そして両手剣の間合いに私が入ると、勢いよく振り下ろす、その斬撃を少しそれて避け、剣が地面に突き刺さったのを確認して、完全に止まっている戦士牛の手足を強引に切り落とす、そして達磨状態になった、牛の腹に短刀を突き刺す、
「グガァーーーーーーー」
「うふふ」
牛の叫び声を聞いて、少し笑いが漏れる。
それからは戦士牛にとっては地獄でクノにとっては天国だった。
戦士牛の硬い筋肉が短刀でブロックの形に切り取られ、それをクノが食べる。
そこから
牛が喚き、私が妖艶に微笑む。
そんなことが一分ほど続く、ついに牛が消滅した、消滅する直前に安堵の表情になったのは、気のせいではないだろう。
それから少ししてクノも正気に戻る。
「また、おかしくなっちゃった」
クノは今、起きた残忍なことは忘れようと、町に向かって歩き始める。
この小説は作者の好きなように変わっていきます