男女誕生!??
出来れば最後まで読んでください!
「大変です!」
「どうしたんだ、騒々しい…。」
「そ、それが、ナンバー933の天人が!!!」
「ナンバー933は今日現世へ行く予定であろう?それがどうした。」
「はいっ、それが実は…。」
あたしは小さい頃から、バレエ、ダンス、ピアノ、バイオリン…と、女の子らしい習い事しかやった事がない。
小さい時に一度だけ、バスケがしたいと言ったことがある。そしたらお母さんは、「あのスポーツは男の子がするものなのよ」と言った。
友達のマキはやってるのにズルイって思ったけど、あの時はそれ以上言えなかった。
それだけじゃない。
あたしが、青の壁紙が良いって言ったら、「青は男の子の色よ、女の子はピンクなのよ」って壁紙はピンクになった。
確かそれが4歳の頃の話。あれから10年…あたしは“女道”を歩んできた。
何であたしばっかり!!って思う時もあったけど…今じゃもう、すっかり慣れちゃった。
中学は男女共学の公立中学校に入った。本当は私立の女子中に入らさせそうだったんだけど、あたしが受験に失敗したから入らずにすんだ。あの時は泣いたけど、今は共学に入って良かったと思ってる。
だって好きな男子もできたし、あっちもあたしに気があるみたい。
友達も沢山いるし、本当幸せ!!!
「夏樹ー、海ちゃん来てるわよ〜!」
「はぁーい!」
タタタっと階段を駆け下りる。
ドアに手を掛け大声で叫ぶ。
「じゃっ、行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい、気をつけてね。」
外に出ると、今日は雲一つ無い良い天気。
「んーーーっ!」
思いっきりのびをする。
くすくすっ、と横で笑い声がする。パッと顔を向けると海が笑ってた。
「夏樹、年寄り臭い…!!」
「えー、だって今日の空が綺麗すぎなんだもんっ。」
「何それ〜。」
言いながらまた笑ってる。
海の本名は、錦戸海美。だけどあたしは小さい頃から海って呼んでる。
海は、背中まで伸びた長い髪を下ろしている。小6まで水泳を習ってたせいで髪は胡桃色をしてる。アイドルです、って言えばそれで信じてもらえそうな可愛い顔。女のあたしでもドキッてしちゃいそう。
「夏樹ー?聞いてたー?!」
「え、ごめん。もう一回言って〜!」
「もー!」
ぷぅっとほっぺを膨らませぶーぶー言ってる海。
「あのねっ、今日からあたし達中3でしょっ!だから、もう先輩も居ないし清々できるよねっ。」
「えー!海、先輩の事そう思ってたんだ…。今日メールしておこう。」
「あ、冗談だよー!ねっ、ねっ?!だからメールしちゃ嫌ぁ〜〜〜!」
本気で頼む海。もー、焦りすぎだよ。
「嘘だよー、からかっただけ。」
「ひどっ!」
あー、もう本当にからかいようのある子だよ〜。
「クラス同じだと良いねー。」
急に話題を変えて海に振ると…
「え?!あ、そうだね。うん、また4人が良いな。」
「あたしと、海、すーに未代!!」
あたし達4人は、1年の時から同じクラス。それもすごく仲良し。
そんな、新しいクラスの事を話していたらもう学校。
「あー、同じクラスですようにっ!」
もうクラスは決まっているのに、お祈りする海。
「何か、こういうのって緊張する〜。」
校門から学校に入ると新しいクラス名簿が配られていた。
「おはよう。はい、これ。」
先生から紙を受け取り、自分の名前を探す。
「………あ、あった!あたし4組だ。海は?!」
「…あたし…3組。クラス別々になっちゃったね。」
「えーーー!!そんなぁ。中学校最後なのにぃ〜!」
「本当にがっかり…。」
2人で文句を言いながらそれぞれの教室に入った。
「あっ!!!夏樹ー!」
「え?すー!?何で??」
「ひどーい!クラス名簿見てないの?一緒のクラスなんだよ〜!」
「えー、やったーー!」
海と違うクラスでがっかりしてて同じクラスの人見てなかった〜。
よく見れば、1年の時に同じクラスだった人が多い。
「未代は海と同じ3組になったんだよ〜!」
「そうなんだ〜!じゃあ、2対2に別れたね。」
「そうなんだよ〜。しかも、あっちは姫で、こっちはヤローみたいな。」
海はアイドル並にかわいい。けど、未代は赤い淵のめがねが似合う、いわゆる萌え仔。
それに比べ、昔から女の子らしく育てられたのにあたしはどうも男っぽい。最近髪を肩まで切ったらますます男っぽくなった。
すーは外見は女の子らしいのに喋り方は男みたい。
「やだね〜、それっ。せめて男女にしてほしかったよ〜!」
「そーだな!!ははっ。」
「海〜!3組終わった〜?」
「うん。今行くねっ。」
海はクラスの子ともう仲良くなったみたい。皆が、え〜もう帰るのー?なんて言ってる。
「さっ、帰ろう!未代とすーは、一緒に帰った?」
「うん。さっきね。2人は空手あるんだって〜。」
2人は小2から空手を習っている。あんなかわいい顔して空手できるって、絶対身を守るためだよね…。
「夏樹のクラスはどう、楽しい?」
「うん。楽しいよ〜!皆よく喋るし、それに今日なんてねー…」
その時だった。あたしの耳に一言…「危ないっ!!!」って聞こえた。え?って思ったらもう手遅れ。
ガンッ!!!
「〜〜〜ッ!!?」
あたしは海の方を向いて話していて気付かなかったんだ。
電柱に。
あたしは思い切りそれにぶつかった。
「大丈夫!?」
「…うん……。」
頭がガンガンする。
その後あたしは海に支えてもらい家に帰った。
すぐにベットにもぐり込んだ。頭がガンガンする……。
その後あたしは深い眠りについた。
『いいですか…?あなたはとてもまれにみるケースなのですよ?本来ならば現世へなんてもっての他!それをお許し頂けたのですから、感謝しなさい。』
『そうですよ!私達も出来るだけのことはしますから。母親は女を心から欲しがっている者にしておきます。』
『何せ、現世で男だったあなたが女に生まれ変わるなんて…通常は、女は女に。男は男に生まれ変わるんですからね。』
『そうだ。万一、前世の記憶が蘇りでもしたら…。我々は現世には行くことが出来ぬから、お前がどうにかせんといかんからな……。』
目が覚めた。変な夢だ。俺は伸びをして1階に下りた。
洗面所で顔を洗おう…。
「えっ…?」
鏡に映っているのは見慣れたいつもの顔…なのに俺じゃない。
水がゴーッと流れるように記憶が俺の頭で渦を巻く。
「そうだ俺、生まれ変わったんだ…。」
夢だと思ってたのは天国での会話。
あの時俺は女に生まれ変わろうとしていた。でもそんな事は珍しいから管理長に呼ばれた。注意を受けて女に生まれ変わった俺。
「俺は夏樹…。女。」
言い聞かせるように言ってみた。
前世の記憶が戻った今、俺は女だけど男でもある…。
一体、俺の性別はどっちなんだ!!!?
コメントを出来れば下さい。
これからが面白いので楽しみにして待っていてくださ〜い。