世界が変わるその瞬間まで 3
「よし、追いついたか・・・、女が二人、男が四人か・・・・・、女が一人追いかけられてんだな。」
目視で確認できる程度に離れている所に立ち、確認してたところ。
「うわっ、危ねぇ!」
一条の槍の光が飛んできた。
それを、頭を傾げて避けて、光の通った跡を見るとモノ見事に幾つもの建物を貫通した後、
空に抜けていた。
「まじかよ、いきなり放つか普通。てか、警戒心高すぎないか・・」
そう言うと、建物の近くの空間を無造作に掴み取ると糸が現れた。
「瞑糸か、こりゃ苦労しそうだなっ、うわっ、危ない。」
瞑糸を無理やり解いた瞬間、先ほどと同じ形のした槍の形をしているが、
先程とは形は同じだが、色が違う。
赤、青、緑、白、黒と沢山の色をした槍が飛んでくる。
「ほっ、やっ、とっと、これは付属に悪魔殺しが付いてるなっ!」
狭い路地で百を超える槍を、軽々く避けながら槍の分析をしていた。
「俺から、悪魔の香りを感づくとかもう嫌だ、
何で今日だけこんな大変なんだよ。でも・・・・この魔力どこかで?」
その時、術者の方から魔力を感じ振り向けば
「まじか、この短時間で特級クラスか。うん、これはちょっとヤバイな。」
太陽をイメージする様に赤く丸い形をした
火の玉が術者本人の真上に浮かんでた。
大きさは、人の頭の四倍の大きさ位。
そんな、大きくは無いよだか、
魔力密度がヤバイ。
先程の悪魔殺しの魔法の、二百倍程の魔力が集まっていて、もしあれが
地面にぶつかりでもしたら
ここら辺、一帯が消し飛ぶ力がある。
避けるのも、無理かな。
てか避けたら、ここら辺の建物がぶっ壊れるよね。ぶっ壊れるてか消し飛ぶよな!
「糞ったれ、ここでこんなもん放つなよ!」
どうしよう、もう完成してるよあれ・・・・
「・・・・・はぁ、だったらこっちも」
そう、言って浮かんでる火の玉に右手を
向けた。
「火には水だよな! これで・・・!」
向けてた右手に魔力を通し、同じ特級クラスの魔法を発動した。
最初に大きな水の塊が生まれた、
そこから、形を変え、
ドラゴンの形に変わり、
雄叫びを上げ、火の玉に自ら突撃した。
太陽の様に赤い火の玉とドラゴンの形をした
水の魔法。
火と水が激突し、水蒸気が発生して周りが
何も見えなくなった。
「よし、狙い通り!」
そう言って、一気に追いかけられてた
女の子まで移動した。
まるで、瞬間移動の様な動き、気を足裏で
爆発させて移動する高速移動。
「瞬動」といい、気を使った
高速移動術の一つで気を扱う者なら多くの者が使う技である。使う人間の技術によって、
動きの違いが出てくる技である。
彼の様に、あの様に早く動くには余程の
練達者じゃなきゃ、難しく彼の実力が
そこから分かる。
魔法の方を見てる男四人に気付かれずに、抜き去り、同じく魔法を見てる女の子の側まで
近かずき声をかけた。
「おーい、大丈夫か?」
と声をかけたが何故か反応がないので
ちょっとした悪戯心で耳元に口を寄せ。
「大丈夫でございますでしょうか。
お ・ひ・め・め・さ・ま。」
そう、甘く囁いた瞬間に彼女は顔を
真っ赤にして、飛び離れた。
「なっ、な、なにゅを言ってるにょよ!」
噛み噛みで、何言ってるのか
はっきりわからないが、顔を真っ赤にして
驚いた顔を見せた時の顔はかなり可愛いな
と思ってしまった。
こちらを、顔を真っ赤にしてこちらを睨んで
るのも可愛いと思う。
でも、そこがまた何故か笑いらを誘ってる
感じでつい笑ってしまった。
「何を笑ってるの⁉︎」
怒られてしまった。
何か、でもそこが可愛いなー。
「うん、ゴメンゴメン。何か君が声を掛けても反応しないから悪戯心でね?」
だから、許してと言わんばかりに首を
傾げて答えた。
「悪戯心って・・・」
こちら、睨みながら
両手を強く握りしめて、羞恥心と怒りを
我慢している姿は。
「弄りがいありそう・・・・」
つい、心で思ってた事を口に出してしまう
程であった。
「今、何て言ったの⁈」
小さく呟いた事が、聞こえたのか
こちらを睨んできた。
「うん? 可愛いなーって言ったんだよ。」
にっかり、と笑顔でそう答えた。
「う、嘘よ!今、絶対弄りがいあるとか、
そんな事言ったの聞こえてるんですから!」
可愛いと言われて、少し狼狽えたが直ぐに
立ち直り反論してきた。
そんな姿も、可愛く見えてしまったりすのは
悪い事だろうか?
いや、そんな事は無い可愛い者には
愛でられる運命にある。
だから、悪くない!
そう・・・、この子は可愛いのである。
セミロング位の黒く艶やさを持った髪に、
晴れた日の空の様な碧眼色の眼、
背も低くなく高過ぎずで、168cm位だろうか
スタイルも抜群で絶世の美少女と言えるだろう。
まぁ、美少女類は大分見慣れてるので
緊張などしないし、むしろ弄りがいあるので
楽しくてしょうがない。
そんな時、彼女の制服に気付いた。
「むむっ、君はうちの学校だったの?しかも、同じ学年だね。」
彼女の左胸辺りに着いてる学年バッチを
見て、同学年だと気づいた。
彼女の方も、言われて気づいた様で
「えっ、本当だ同じ制服だ!」
「あれっ?でも貴方を学校で見たことが
無いんだけど・・・」
そう、これだけ目立ちそうな人がいれば
見覚えがあるはずなのだけど・・・
ちらっと、彼の方見て・・・・見た事無いな〜
もしかしたら
「もしかして、SPクラス?」
もしかしたらと思いながら聞いてみた。
「そうだよ。 まぁ、学校にもあんまり行かないから見覚えが無いのも当然か。」
そうか、同じ学校かー、明日面倒だなー。内心、同じ学校だった事で彼女について
の手続きが、自分がやるはめになることが決定したため、明日面倒になることを
想像してショックを受けてた。
「そろそろよろしいでしょうか?お嬢様、椎名様。お楽しみの所
申し訳ございませんが時間を押していますので、イチャつくの
ここら辺で辞めていただけますでしょうか。」
背後から、女性らしき人に
いきなり声を掛けられたが
一人は焦らず振り返り、もう一人は顔真っ赤にして反応した。
「イ、イチャついてなど、いません!」
思いっきり否定してるが、顔が真っ赤にしてるので動揺してるのが分かる。
「久しぶりですね、彩香さん。」
背筋を伸ばして、
丁寧に頭を下げ挨拶をした。
そして、
「やはり、先程の術者は貴女でしたか。うちの組織に、入っていなく、あれ程の
魔法と気の練達振りを考えて貴女しか思いつきませんでしたから。」
そう、戦闘の途中から相手誰であるか
ある程度だが、気づいていた。
煙幕を作り、追いかけられてた少女に
近ずくさいに気の
探り合いをした時に確信した。
だからこそ、追いかけられてた彼女に追いついた後、
警戒心を消して話していたのである。
それは、相手も同じで
だからこそ、会話の邪魔をしてこなかった
のである。
十人中9人は美人だと答える美しさ、
背も高くモデルの様にスタイルも抜群。
腰まで伸ばしている黒髪は誰もが認める
美しさである。
そして、このメイド服。
ただでさえ、美しいのにさらに美しさを
際立てている。
うーん、素晴らしいなメイドって。
そんな事を頭の中で想像していると
「えっ、貴方達、知り合いなの?」
二人が知己の間と気づいて、気になったのか
聞いてきた。
「まぁ、昔。お世話になったんだよ、いろいろと。」
トラウマを沢山量産したよ。
もう、本当に、ええ。
「ええ、昔と言っても、5、6年前ですけど・・・・ 旦那様に頼まれて、
少しお世話をしたのです。」
何故か、楽しそうにそう答えた。
そんな、彼女を見て椎名は思いっきり
顔を顰めていた。
「まぁ、昔話はその辺にして、一つ聞きたいのですが、何故彼女を追っていたんですか?」
彼女程の人物がわざわざ出向いて、一般市民の女の子を追いかけまわすなど、
とてもじゃないが考えられなく、気になっていた。
「ええ、いいですよ。 説明が面倒なので、ぶっちゃけると
お嬢様は、新河茂の長女である新河結菜様でございます。」