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8 新たな出会い

バラバラに散らばった破片の中に生き物が倒れていた。


その生き物は真紅に染まった翼を持つ鳥のようだった。

ただ頭を打ったらしくゴリゴリとこすっていた。



「いたっ・・ごっつ痛かったで!もぉ!もーちょい優しく召喚してーや」



!?



「鳥・・?と、鳥がしゃべった・・」


「はぁ・・・自分、失礼にもほどがあるで。せっかくの爽やかな目覚めは虐待から始まり、第一声目が差別や。

わいがなにしたちゅーねん!!ずーっと暗くて狭い中におったわいの気持ちも考えてみ。もうね、寂しくて寂しくて・・」


「すっ、すみませんっっっ!でも・・壺が倒れたのは不可抗力でして・・それに鳥さんが喋るなんて初めてで・・」


「すーちゃんでええで」


「えっ!?」


「わいの呼び名や。自分人間界から来たんやろ?なんかうまいもん持ってない?」


「・・・」


なんなのよ・・。この鳥は。

変なしゃべり方だし、なんか偉そうだし・・。自分の事ちゃん付けだし・・。

でも幸い言葉は通じるみたいだからこの屋敷の事とか聞けるから良かったのかも。


「こんなのでよければ・・」


あたしはポケットに入っていた柿ピーの小袋を差し出した。

柿ピーはあたしの大好物で部屋にはいつも置いてあり、ポケットには必ず忍ばせている。


「なにこれ?うまいもん?」


「ええ、あたしは大好きです。ただちょっと辛いかも知れませんが」


「・・下にまいてよ。食べれへんやん。自分まったく気がきかへんねー」


ホントに何・・この鳥。

あたしは少しイライラしながら柿ピーを床にばらまいた。

頭を前後に揺らしながら柿ピーに近寄り、コツコツとくちばしで器用に食べ始めた。

もう・・鳩にしか見えない・・。


「うまっ・・うまっ・・」


黙って食べればいいのに、いちいち声が漏れてうるさい。


「うまっ・・これほんまうまいでぇ!このポリポリ感がなんとも・・・・って辛っっ!!!

なんかめっちゃ辛なってきたっ!!ピリピリするわっ!!お水ちょーだい!お水」


「くぅぉぉのクソ鳥がぁぁぁぁぁ!!!!何がすーちゃんだぁ??○ちゃんに連れてって手羽先にしてやんぞっ!!それにこっちは時間がなくて困ってんのよっ!」


豆鉄砲を食らったすーちゃんはポカーンとしていた。


「ははっ!え、えらいすんまへん!お力になれることであれば何なりとお申し付けをっ」


もぉ、最初からそうやっていてくれればいいのに。

あたしはざっくりと今までの出来事をすーちゃんに説明した。



「ふむふむ、つまりありさ殿は三姉妹の危機に立ち会い、言われた通りにこの屋敷の地下に来たけど何をしていいのかわからない。

それに三姉妹を助ける方法は?あとユニオンが残り少ないから急がないといけない・・とゆーわけですな?」


心なしかすーちゃんのくちばしが赤く腫れている。あたしはあえて突っ込まずに


「そーなの。すーちゃん魔法とかつかえないの?」


「わいは召喚獣なので魔法はちょっと・・。でも移動手段なり攻撃補助の役目は果たしますぜ。

あとこの地下で何をしたらええのかは・・・わいもわかりまへん。それに三姉妹も状態を見てみないことにはなんとも・・。

とにかく今はありさ殿が一度人間界に戻られた方がええと思いますー。ユニオンが無くては何も出来まへんので」


「・・・そうね。わかったわ。でもこの地下からの出口もわからないの」


「ここの出口なら廊下の突き当たりに梯子がありまっせ。お供いたしやすっ」


そういってすーちゃんは部屋を出て案内してくれた。

あたしが入った部屋からかなり歩いた所に所に突き当たりがあり、そこには仄暗い天井に向かって鉄製の梯子が続いていた。


「この梯子大丈夫かな・・?登ってる時壊れたりしないよね・・」


見た感じ結構年期が入っていてところどころ腐食していた。


「わいは飛んでいきますので、ありさ殿に万が一の事があればこの身を盾にしてでもお助けしまっせ」


「うん・・でも・・・すーちゃん先に行って」


「えっ!?そないしたらありさ殿が落っこちた時に・・」


「いいから早く行ってってばっ!!」


「へぇっ!!」


すーちゃんはそそくさと天井の暗闇に消えていった。


スカートなんて借りるんじゃなかったよ・・ってゆっくりはしてられないんだった。どうか梯子がこわれませんようにっ・・。


体重をかけるたびにミシミシ音がする梯子を慎重に登っていく。

どうやら腐食していたのは下のほうだけで途中からは綺麗な状態になっていた。

ただあたしが今の小学生みたいな体型じゃなかったらって思うと背中がゾクッとした。


「ありさ殿っ!大丈夫でござるかー?」


「はいはいっ、大丈夫だよ」


「ここの天井を開ければ屋敷一階に出れますー」


「わかったー。これねっ!・・・う~んっっっ、す・・ご・・く・・重いっ・・」


片手で押してもピクリともしないので、あたしは身体の自由がきく部分すべてを使って精一杯押してみた。

するとゆっくりと天井が開き、なんとか一階に戻ることが出来た。


「ここって・・入り口のとこじゃん・・」


地下から出れた場所は入り口から入ってすぐ視界に入る階段の真下だった。

こんなの・・こんなの完全に隠し部屋じゃん・・。あんなに探しまわったのにぃ・・ぐすん・・。


その頃すーちゃんは久しぶりに羽を伸ばせて嬉しいのかバタバタと飛び回っている。


「ちょっとすーちゃん!!ここからあたしはどうすればいいのーーーっ」


すーちゃんはビクッとして直ぐ様戻ってきた。


「ではわいがありさ殿をトンネルまでお送りしますー。たださっきのお話から推測すると正面入口は危険かもしれへんので中庭からいきまひょ」


魔法も使えないっていってたのにどーやって送ってくれるのよっって突っ込みたかったけどやめておいた。


あとフェアルシアさん達の状態は気になるけど、今はもう時間がないのですーちゃんの言われたとおり中庭に向かうことにした。




中庭に出るとさっそくすーちゃんが



「わいはビッグになるでぇぇぇぇ!」



と叫びだした瞬間すーちゃんはみるみる大きくなりあたしが背中に乗れるくらいの状態になった。


すごぉーい!って声に出そうになったけど、あたしの反応を待つすーちゃんがニヤニヤして気持ち悪かったので



ドスッ


あたしはすーちゃんの背中に飛び乗り


「じゃあ、よろしくお願いしますっ」


「ぐふっ!!・・あっ・・あの、土足は・・」


「早くしてっ!!!」


「ははっ!!」


すーちゃんはバタバタと飛び立ち、瞬く間に辺りが見渡せる高さになった。


あたしはそっと靴を脱ぎ、すーちゃんにトンネルまでの道案内をした。




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