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7 地下探索

底の暗闇をあまり直視しないように穴の縁に手をかけぶら下がる状態になってみた。

当然だが足元に感触はなくぷらぷらと空振りするだけだった。

体型が子供だったことを忘れていて予想より穴の深さを実感する。

急に落ちることの怖さに襲われ這い上がろうとしたが腕力も低下していて思ったように力が入らない。

「つ・・辛いよぅ・・手がっ・・」

握力もなくなり指が痺れ、ついには手を離してしまった。

「きゃっ・・きゃああぁぁぁーーーーー」


深さはそれほどでもなかったが、螺旋の滑り台のような感じで水のように流れて落ちていくしか出来なかった。


ドサッッ


「ごほっ・・ごほっ・・・何これ、すごく埃っぽいっ」


辿り着いたところは薄暗く、廃坑のような感じだった。

ちょうどあたしが落ちてきたところには大量の毛のようなものがクッションになってくれていて、幸い怪我に至ることはなかった。


「これってゴミとか捨てたりする場所だったのかな・・気持ち悪くてシャワー浴びたい気分だよぉ・・」


でもこれがフェアルシアさんのいってた地下室なのかな?

こんな行き方しかないなんて無理やりすぎる・・


・・・てゆーか、あたしここからどうやって帰ればいいの!?


落ちてきた穴を見上げるととても登れるような高さではなかった。

あたしはドキッとして左腕を確認する。


「3つしか残っていない・・」


身体から血の気が一気に引いていく。


強く目を閉じ強く握る拳からは汗が止まらない。


もし・・もしユニオンが無くなっちゃったらっ・・


だめっ!今はそんなこと考えてる場合じゃないっ。

とにかくここに何かがあるのを突き止めなきゃ。今はもう悩んだり後悔してる場合じゃない。


目の前にはどこまでも続くような石壁の長い廊下のようなものがぼんやりと照らされていた。

前に進むことを再度決意し、周りに警戒しながら少しずつ進んで行くと右手に扉を発見した。

だが固く閉ざされていて中を確認出来なかった。


「どこも入れるところもなくて、このまま行き止まりだったらどうしよう・・ああ~ん、すぐマイナス思考になっちゃうなぁ」


長い間隔で石壁に設置してあるランタンはぼんやりと瞬いている。


少し進んだ所にまた扉を発見し、中にはいることができた。


ギギッ


「し、しつれいしまーす・・」


そこは誰かが使っていた部屋のようで使い古した机や大きい本棚、ベッドなどがあった。

「勝手に入っちゃうのも失礼だけど、調べさせてもらいますね~っ」


あまり悠長なこともしてられないので、あたしは気になるところを調べてみたが特に変わったものなどはなかった。


本が沢山あるけど・・読めるのかなぁ。

あたしはおもむろに本棚から一冊手に取ってパラパラとめくってみた。

・・・う~ん。見たことのないような文字ばかりでまったくわかんないよ。

机の上にも何冊か置いてあったので目を通してみると


「これ・・・この本、もしかして魔法書みたいなものかも・・」


ところどころにイラストのようなものが手書きで書いてあり、その雰囲気で魔法を使っている様子が伺える。


「でも・・だめっ・・。あたし全然わかんないよ。書いてある言葉が理解できない・・」


これがフェアルシアさんの言ってた地下に行く理由だったのかな・・。

だとしたら・・あたしには無理だよ。どうすることもできないよ。

でも・・あたしがここで諦めたら・・すべてが終わっちゃうんだ。

まだ・・まだ他に何かあるかもしれない。他に調べていない部屋があるかもしれないし。

あたしは本を最後までパラパラとめくり閉じようとしたその時、最後の背表紙に貼り付けてある紙質が違うことに気付く。

それは明らかにあとから貼り付けられたようなものだった。

あたしは少し考え、もしかしたらと思いその紙を躊躇なくはがしてみる。

すると背表紙と張り紙の間に窪みがあり、そこには鍵が収められていた。


「これってどこかの部屋の鍵なのかな・・」


あたしは少し希望が見えた気がして笑みがこぼれた。


「う~ん・・でもよく考えたら、こんなわかりにくい所に鍵を隠すなんて・・」


複雑な気持ちのままさっきの閉ざされた扉のほうに向うことにした。


閉ざされた扉の前に到着しドアノブ付近に鍵穴がないか探してみると

「見つけたっ、どうかこの鍵で開きますようにっ」


鍵穴に差し込みグリグリ回してみるとカチャリと音がなった。


「やったぁ!!これであってたみたいねっ」


あたしはドアノブを回すときに一瞬ドキッとしたが気持ちを押し切って扉を開いてしまった。


「うっ・・・なに・・この匂い。・・・それに今までと雰囲気が違う・・・」

部屋の中は真っ暗でどこになにがあるのかも全くわからない。

なんとも言い表せない匂いがあたしの嗅覚を突いてくる。

ただ・・ただ何かがいる気配は鈍感なあたしでも感じ取ってしまった。


「ど・・どうしよう、すごく・・怖い・・怖いよっ」

あたしは部屋に一歩足を踏み入れた瞬間から恐怖で動けなくなっていた。


体中鳥肌が立ち、小刻みに震えていた。


「これって・・もしかして入っちゃいけない場所だったのかな・・。」


胸の鼓動が高なりつつも暗くて全く状況がわからないので、恐る恐る携帯のライトを照らしてみた。


するとそこにはたくさんの棚に大小様々な壺が大量に並べられていた。


「何なんだろ・・これ。梅干しとか作ってたのかな・・あははっ・・」

あたしは恐怖心をかき消そうと必死に試みた。


辺りを見回したが所狭しと壺が置いてあるだけで、誰かいる様子はなかった。

ゆっくりと一歩一歩進み、棚にある一番近くの壺に近づいてみた。


「見た感じはどこにでもあるようなものだけど・・何が入ってるんだろ」


あたしは何が入っているのかすごく気になった。でも・・あけちゃいけないような気もするし・・。

どうするべきなのか苦悩していると突然奥の方でゴトッっと物音が


「きゃあぁぁぁーーーーーー!!!!!!」


あたしは物音に驚き身を引いてしまった。

その時勢い良く背後にあった棚にぶつかり息を飲んだ瞬間、バリンっと重い陶器が割れる音が鳴り響いた。


「やっ・・・やっちゃったぁ・・・」


少しずつ後ずさりし足元からゆっくりライトを向けるとそこには・・







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