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5 魔法って

「騒がしいですけど何か・・ってアトリーナ!なにをしてるの!?」


「い、いやぁ・・・こいつがさぁ」


「ルシアねぇ!!怖かったよぉぉ」

メルティークが半泣きになりながらフェアルシアのスカートにしがみつく。


「アトリーナ、あまり妹をいじめちゃだめでしょう。それに今日はお客様もいらしてるのよ」


あたしはフェアルシアさんに隠れながら中の様子を覗いて見ると中に高校生くらいの女の子がいた。

メリハリのある抜群のスタイルでちょっと目のやり場に困るような格好をしている。

腰まである長い黒髪がとても印象的だった。


「フェアルシア、その後ろに隠れてるちっこいのは誰だ?」


「アトリーナは昨日いなかったから・・こちらはありささん。あちらの世界から来られた方なの」


「あっ、は・・はじめましてっ」


「子供がこんな所に遊びに来てなにをしようってんだ?」


「アトリーナ!そんな言い方ないでしょう。でも・・昨日お会いした時はアトリーナと一緒くらいでしたのにね」


その事に関してはあたしの方が聞きたいくらいなので説明しようがない。

そしてメルちゃんも不思議そうにあたしの事をジロジロみている。


「ありさねぇ??今日はちっちゃくなってメルと一緒だね!・・ん?そのお洋服メルの?すごく似合っててかわいぃぃ」


「あはは・・、メルちゃんの洋服借りちゃった。ごめんね」

あたしは照れながらメルちゃんに答えた。


「サイズも丁度ぴったりでかわいいでしょう。メルが二人いるみたいね。ふふっ」

フェアルシアさんは嬉しそうにあたし達二人の頭をなでてくれた。


アトリーナが見下したような感じで

「へぇ~、ユニオンもたくさん持ってるし魔法もしっかり使えるってことか?」


「い、いえ・・まだ昨日来たばかりで魔法とか全然分からなくて」


「何だそれ・・ゆうやみてーにババッとできねーのかよ」


「す、すみません・・」

なんであたしこの人に怒られてるんだろ・・あたしが泣きたくなっちゃうよ。


「アトリーナ!あまり強く言わないで。ごめんなさいね、ありささん。アトリーナは悪気があるわけじゃないんです」


「大丈夫です。こういうの慣れてますから・・あははっ・・」


「すみません。でもありささんがもしこれからもこちらに来られるようであれば、やはり魔法は使えないと大変危険なので・・

ありささんのお気持ちが固まっているのであればお教えいたしますが・・・いかがでしょう?」


フェアルシアさんに言われてあたしは少し戸惑ったけど

「ぜひお願いします!あたしが力になれるか分からないですけど、少しでもお役に立てるのであれば」


「ありがとうございます。でも無理はしないでくださいね。では魔法の事をお教えしますので一度お庭のほうに」


あたし達四人は中庭の方に移動することにした。




広い中庭に出るとさっそくフェアルシアさんが


「では今から魔法の説明をしますね。昨日も少し説明しましたが、こちらの世界の魔法は攻撃属性、守備属性、回復属性、特殊属性などにわかれます。

そして私達は全ての魔法を使いこなせる訳ではないのです。

私は回復属性、アトリーナは攻撃属性、メルティークは特殊属性といったように一人一属性しか使えません。

ただありささんや、ゆうやさんのように、そちらの世界から来られた方はユニオンを一つ消費することによって一時的に一つの属性の魔法を使えるようになります。

つまり一度に四つ使用すると四つの属性すべての魔法が使えます。

でも今ありささんがユニオンを消費して攻撃属性になったとしても魔法自体を知らないと使えないので、

そこからは私達がお教えします・・・なんとなくお分かり頂けましたでしょうか?」


「つまりあたしはユニオンを消費すればどんな魔法でも使える。ただしこれから習得しないといけない・・ってことですね?」


「そうですね。あとこれも昨日説明しましたがユニオンはこちらにいるだけで少しずつ消費してしまいます。

そしてありささんが元の世界に帰られるときにも必要になってきます」


「もしこっちにいる時にユニオンが無くなってしまったら?」


「多分・・もう帰れなくなってしまうんだと思います。実際にどうなるかは私にもわかりません」


あたしは一瞬血の気が引く思いをした。もしユニオンが無くなっちゃったら帰ることも魔法を使うことも出来ない・・・。

だからきちんと余裕を持って行動しないと・・そう心のなかで呟いた。


「わかりました。幸い今日はユニオンもたくさんありますし。」

何故か昨日と違ってユニオンは10個もついている。

ただ今日ここに来た時は11個合ったはずが一つ無くなっているということは、おおよそ一時間に一つ無くなる目安なのかもしれない。


するとアトリーナが横に立ち

「あんたそれ10個も持ってるんだな。ゆうやはいつも5個くらいしかなかったから・・・もしかしたらすげー才能の持ち主かもな」


「いえいえっ、そんなことないですよ~」

初めてアトリーナさんに褒められて嬉しくなり微笑むと


「まぁおこちゃまだし、そんなに期待はしてないけどな!はーっはっは」


もぉ・・この人ぜったい性格わるいでしょ・・。あたしはほっぺをポッコリさせていた。


フェアルシアさんは申し訳なさそうにしながら


「アトリーナの事あまり気にしないでくださいね。では今から始めたいと思いますが、一度にたくさんの魔法を覚えるのも無理なので・・

まずはありささんがこちらに来られた時にすぐこのお屋敷まで来れるようにしましょう。

瞬間移動の魔法になるのでメルティークに教わることになります。ではメルちゃんよろしくね」


待ちくたびれていたメルティークは


「はぁ~い!!やっと出番がきたよぉ。もぉねぇ・・ほったらかしにするから寝ちゃうとこだった。じゃあメルが今から瞬間移動をお見せしまーす」

そういうとメルちゃんは目を閉じ、今までにない真剣な表情になった。するとメルちゃんの身体は一瞬にして消えてしまった。


「えっ・・メルちゃんがいない!もう魔法を使ったってことですか??」


「そのようですね。どこに行ったかはわかりませんがこれがこちらの世界の魔法で、瞬間移動になります。

自分の行ったことのある場所でその場所を鮮明にイメージすることによって移動が可能になります」


あたしは呆気にとられ魔法というものを目の当たりにしたのに未だに理解出来ずにいた。

「・・・すごいですね。あたしのいた世界には魔法というものがないのですごいとしかいいようがないです・・」


「おいおい、これからあんたにはもっと覚えてもらわなきゃいけないんだからしっかり頼むぜ」


「あはっ・・は、はい」

やったことも見たこともないのに頼まれてもわかんないよぉ。やばい・・すごく不安になってきた・・。


「ありささん、焦らずにゆっくりでいいですよ。一緒に頑張っていきましょう」


「はい!よろしくお願いします」

できることならフェアルシアさんだけに教えてもらいたい。アトリーナさん怖すぎる・・。


「あっ、あとありささんがこちらで魔法を使う場合なのですが、帰られる時と同じ様にユニオンを1つだけ強く握ってください。そして最初に発動した魔法で属性が決まりますので」


「なるほど、なんとなく分かりました。あとは実際に魔法を使ってみないと」



「・・・てかメル遅くねーか?すぐ戻ってくりゃいーのに。またどうせ外で遊んでるんじゃねーのか?」


「確かにそうですね・・メルちゃんがいないと話が進みませんし、探しにいってみましょうか」


あたしはこの時少し胸騒ぎを感じた・・。







あたし達はメルちゃんの名前を呼びながら屋敷の中をくまなく散策し反応がないので外を探してみることにした。すると・・


「・・・・おい・・なんなんだよ・・あれはっ」


あたし達の視界に入ってきたのは黒い霧をまとった蜘蛛のようなものだった。

あまりの大きさと初めて見る魔物らしきものにあたしは恐怖感をあらわにした。


結界が張られているはずの塀垣も破壊されていて、その瓦礫の所に子供が倒れている。


「メルッッッーーーーーー!!!!!!」

アトリーナが走りだしメルちゃんの元へ駆け寄っていく。


「アトリーナ!!近寄ってはダメッ!戻りなさいっっっ!!!」

フェアルシアさんの大きな声であたしはビクッとした。


「くっ・・よくも・・よくもメルを・・。フェアルシア!!メルの蘇生を頼む!こいつはあたしが片付ける!!!」


その瞬間、蜘蛛が雄叫びを上げ大きな霧の中から黒い塊がこちらに向けて放たれた。


「はっ、早いっ・・」


アトリーナはとっさに魔法でこの場に衝撃の様なものを与え、その威力であたしとフェアルシアさんははじき飛ばされた。


ほんの一瞬だった・・・。


「アトリーナさんっ!!」


あたしが叫んだ時にはアトリーナさんは微動だにせずひれ伏したままだった・・。

そしてその黒い塊はアトリーナさんの生命を奪うように少しずつ飲み込んでいった。


「アトリーナさぁぁぁんっ!!」

あたしの目から大量の涙がこぼれ落ちた。

なんで・・どうしてこんなことにっ。

もう二人共死んじゃったの・・??どうすればいいのっ・・


「ありささん!!すぐにお屋敷の中へっ!!」


声の方に振り向くとフェアルシアさんまで黒い塊に身体が半分飲み込まれた状態になっている。


「そ・・そしてお屋敷の地下に・・」


微かにしか聞こえなくなったフェアルシアさんの元に行こうとしたが足元の地面が段々黒く染まってきていた。


「うっ・・うわぁぁぁん・・・・」


あたしはどうすることも出来ず屋敷の中に戻り勢い良くドアを閉めた。


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