01-08 水氷の密談
「研鑽派に上級精霊が3体ですか……今年は敗色濃厚ですね」
ノースウィンドの分家・ボレアス家の長男かつ魔術派のジャック、アレイズ・ボレアスの発言だ。
「そのせいで、精霊派の馬鹿共もあちらに着くようだしな」
八聖・水のディラン・マナテムが笑いながら言う。
「風聖も、地聖も協力を拒んできましたし、やはりルナフォードとクラモールに組まれたのは痛いですね」
「というか、トウキ。お前、4年だろ、そろそろ降りろよ」
「うるさい奴らだな。お前らのような雑魚に任せてられるか。父上の代からあるこの派閥を」
「なら、トウカさんに任せるとか」
「トウカでは無理だ」
そう言い放たところで、扉が開き、トウカとレイカが入ってきた。
その姿を確認すると、そちらを睨む。
「レイカは誰にやられたんだ」
「すみません、ディアナ・ルナフォードです」
「ちっ……やはり、レイカでは荷が重かったか」
「私でも勝てるかわかりません」
レイカをフォローするトウカ。
「精霊を使ってでもか?」
「……ええ。それと、もう一人の……いえ、なんでもないです」
「なんだ?はっきり言え」
「いえ、不確定な情報なので、もう少し調べることにします」
「そうか。さて、騎士派への同盟はどうなった?」
「断られました」
「くっ……まあいい」
「研鑽派ですが、エース、ジャック、クイーンが入れ替わったようです」
「なるほど、自分の弟にルナフォード、それとアドルートか?」
「いえ、エースが レイト・ルナフォード、クイーンはディアナ・ルナフォード、そしてジャックがデューク・クラモールです」
トウキの眉が少し動く。
「……なるほど。トウカ、余計な事を気にするな。アレは死んだ」
「しかし!養子という情報がありますし……」
「ふん、生きているはずがない。父上が死んだと言ったら死んだのだ。それに、瞳の色は紫とあるではないか。アレとは違う」
「む……らさきですか?私が見たのは黄色でしたが……?」
「幻覚でも使っていたのではないか?もういい、これ以上アレの話はなしだ」
不機嫌そうに話を打ち切ると、黙々とペンを走らせる。




