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あなたは死ぬ必要がない  作者: 盛 奨
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01--決戦にて

「あなたは死ぬ必要がない」


 だからこそ、

 俺たちは生きている。

 そう――


 ――生きているんだ。



 通称、エクステリア。

 能力具現化を目的とする、本当の能力者強化装置。


 どんな代物か、それはかの英雄――

 ――佐部佑の、話につながる。



 エクステリア起動シークエンスに入りました。

 メイン、サブシステム共に正常に作動。起動とともに更新されていたバージョンを認識。最適化に成功しました。次にシステムエラーを起こすプログラムを検索しています。こちらも正常。次に各ブースターの数値化データを演算領域にて展開。それらを演算システムの主要データとして換算。正常に作動しました。イアーインターフェースセットから電磁神経パルスをパイロットによる接続を確認しました。同期しています。50%、80%、90%。同期完了しました。メインシステムにて作戦データが海馬領域に保存されていました。視覚化するため、一度サブシステムにて展開します。完了しました。地図データを自動更新、旧九州エリアから新九州エリアにGPSにてダウンロードします。GPSは接続できない状況です。ただちに接続できる場所へと移動してください。メインシステムに既存の新九州エリアの情報がありました。使いますか。はい了解しました。地図データ正常に作動しました。土地データをメインシステムにてモニター可視化デバイスにて展開します。尺倍を最適化。イアーインターフェースから神経パルスを経由してパイロットの身体データを更新します。情報酔いにご注意ください。限界値まで反射神経をあげました。パイロットの過剰な情報処理を最適化しています。ゾーンに入る際に、身体への影響を最適化しています。神経パルスからFDADを散布して、負荷領域にある無意識化の防衛本能を抑制しています。最適化されました。共感覚システムを神経パルスを通じて負荷領域とメインシステムにて展開、同期を開始します。50%、90%。完了しました。

 メインサブパイロットの負荷領域とのシンクロを開始します。感情のデータをこちらから情報処理をして、アドレナリンによる肝臓へのダメージをリライトシステムで肩代わりします。

 戦闘が終了次第、NMNによる身体へのダメージを承諾しました。エラーです。NMNの残存量がゼロとなっております。トップシークレットモードによる起動を確認しています。承諾されました。安全装置、及び、戦闘外での蘇生システムの構築がなされていません。トップシークレットモードに移行したため、蘇生システムを承諾できませんでした。次にブースター予備動作の確認をしております。ブースター、両上翼、両下翼、正常に作動しました。同時にSFMS〈Super Flight Management System〉(スーパー・フライト・マネジメント・システム)をサブシステムで展開されているのを承諾。異常はありませんでした。人型飛行の加速、高度維持、平行調整を自動的にマネジメントさせていただきます。次に高度赤外線センサー〈High Concentrotion・Ultraviolet sensor System〉により、地球経度12.22553度までの領域、距離にして五千キロすべてを時間距離の比率、誤差0.0000000000005パーセントまで認識可能となりました。

 機体と身体の神経同期を完了させています。脳内にある誤差認識データをこちら側でアップデートしました。

『ようこそ、終わりの始まりへ』

 たった一秒の出来事であった。僕はいつのまにか機械によるバックアップで超人へとなっていた。いまはなにもおもうことはなかった。それらは確実にこの頭を機械にイジられたからである。

 急激な加速により過重力バリアを展開。重力による飛行時の計算をメインシステムに回します。感覚だけで飛行できる状態になりました。いままでのパイロットの意識データをダウンロードして経験を付与させます。情報酔いにご注意ください。

 僕は情報酔いのおかげなのか、すこしだけ機体が膝を付けたような格好になった。

 そしてすぐさま立て直して、機械によって更新された感覚でエクステリアをシャフトへと移動させた。

「初実戦大勝利が君の肩にかかっている」

 あたりまえのようなことを言っていた司令官。僕はプライドで押しつぶされるようなことはなかった。それはエクステリアが、僕の感情を制御しているからである。

 だからこそ、僕はこう返した。

「人類は僕に任せてください」

 簡単に終わらせるという自信があった。それは機械のおかげなのか、それとも、僕の自ら沸き上がってきた自信なのかはわからない。だけど、僕は言うべくして言うのだった。

「さすがはこれから世界を救う英雄になるだけはあるな」

 なにも言うことはないと、司令官は通信を切った。

 僕はにやりと口があがったのを、自分でわかったのだった。

 それから僕は、一瞬の間に、自分がどのような作戦を行うのか頭の中で、復唱をするのだった。

 僕が先んじて行うのは、敵の殲滅ではなく、月の消滅である。

 月が消えたどころで、地球への影響はない。それはいままでの科学者でも考えが及ばなかったからこそ、それらしい意見を言っていたのである。実際のところ、月がなくても地球上の生物はどうとでもなる。

 僕は、この機体に内蔵されている怪死弾を使って、月を確実にして消滅させることだ。

 そして、メテオムーンを未然に防ぐ。

 たったそれだけであった。


 簡単だ。

 それまでの道のりは、先ほどきた、YSそして旧日本能力者支部の、僕と同じような能力者たちが、支給されたエクステリアで戦い、僕が月へと向かうための道を作るのだそうだ。

 犠牲がいくらでるなんて考えなくも大量にでるのだろう。

「知ってもいると思うが、我々も君と一緒に闘おう」

「はい。この地下基地が戦艦だったなんて僕は気づきませんでしたよ」

 このことは、エクステリアの接続で知り得た情報だった。この人工洋裁隔絶都市型戦艦『ラスト・フォート』は、旧日本帝国軍が使用していた、巨大戦艦大和を催して作られた要塞だった。

 大きさにして、奄美大島ほどの大きさがあり、元の戦艦大和とは桁が違うような大きさとなっている。

 主砲グングニル。元は人工衛星で発射されたビームを反射させて、地上を焼け野原にする兵器であったが、いまは、目標を三次元でとらえた後に、物体ごと焼ききる。超濃度マイクロ波によって、物体を灼熱のものへと照射させて変化させることができる主砲である。あまりに早く温度が変わってしまうために、物体がなくなってしまったかのようにみえてしまう。

 サブウェポンは、オールレンジレールガン。文字通り、物体が視界情報にある限り、どんなに遠くにいても当てることができる。これはロックオンをした物体に、弾丸が地場を瞬時に判断して当てるという兵器である。

 これによって地球の反対側にいても、認識できていれば、的射することができる。

「まさかこんな超古代文明的な何かがあるなんて僕には予想ができませんでした」

 僕は、驚いていたわけであるが、薄々には気づいていることだった。

 なぜなら月と対峙するにしても、エクステリアだけではどうにもならないと考察していたからである。

 あのようなとんでもない物質が地球に振ってくるだけでも、この僕が、乗っているエクステリアでは絶対的に状況は変わらない。いいや変わることはない。

 それこそ、神の一撃に等しいような破壊力を持っているものでなければ、月と対峙するなんて無理な話だ。

「古代兵器……、なんともおもしろい例えだな」

 不適にわらう司令官、いいや正しくは機動戦艦ラスト・フォートの船長である。

「ではいかせてもらいます。後方支援はあなたたちにまかせました」

 僕は機械的にいうのだった。別にそれだけであったのだだけれど、言うのは悪くない。

「エクステリア『虚無』出ます」

 立て続けに、僕は出撃をするのだった。

 ダッシュパネルが、僕のエクステリア『虚無』のパージによって、脚部から離れていく。

 そして導かれるようにして、外に出た。

 頭の中にデータとして出されている滑空スキルを感覚によって成し遂げている状態であった。

 スピードは体感速度を無理矢理にして早くしているために、マッハ2.4、毎時キロメートル計算にして、2937.6km/h となる。

 今は最大加速の60%の飛行速度であるため、実際のフルバーストならば、マッハ4、毎時キロメートル計算にして、4896km/h になる。

 端的に言えば、60%であっても、すごい早さであったのだが、ここまでの飛行機能を追加する必要があるのかと考えれば、地球の裏側まで行くのには手頃なのかもしれない。

 このエクステリアを使ってなにをするのかは、僕には一生にしてわからずに、生きていくのだろう。

 別に知ってしまったからといって、どうにかなるような問題でもない。

 たぶん知ってしまっても、僕にはどうでもいいことであった。




ラスト・フォート、第一艦橋にて。


「出たか……」


 座りながら、両手を前にして、シオの発信を見て呟いた男。

 その男はこの戦艦の、船長である。

 液晶ディスプレイがあたり一面に、まるで六角形の形を催しているように、配置されていた。

 中央の船長席からは、副長席、全モニター、全制御装置、艦橋要員すべてのことが見えた。


「司令官改め、船長。S、A級技術者の選別ともに、そのほか技術者の避難を確認しました」


 艦橋要員の一人が、艦長へとそういった。

 現時刻をもって、司令官という役柄は終わり、船長へとなったのだった。


「技術選別者〈エンジニア〉に、パルス接続による情報配布を」


 漠然と構えながら、船長はそう答えるのだった。


「了解しました、選別者に連絡をします」


 艦橋要員は、この船に迎え入れている要員へと連絡を入れていた。

 そして、モニターのひとつであるサブモニターに映像が流れた。

 要員のひとりが、敵影を捉えたのであった。 


「戦艦直上の、月勢力アルテミスの下僕、ブラックムーンを映像で捉えました!」


 緊迫した声音からは、敵軍の多さに恐れているようだった。

 近くでみていた要員の一人も、その映像に唖然している。


「よし、メインスクリーンへ映せ」


「はい」


 映像が切り替わる。

 目標は確かに、黒い月であった。

 しかしながら黒い月でありながらも、それは敵影によって黒く染まっているのであった。

 あまりの敵の多さに、要員たちはたじろいでいた。

 一人は、口が開き、元には戻らず。

 一人は、その光景に体が固まっていたのだった。

 ここまで大群であると、要員たちの士気がさがってしまう。

 だが、船長はその映像を変えることはなかった。


「この量が私たちが戦う敵勢力の量だ」


 顔は迫真に満ちた、狂気なる眼光を見せている。

 まるで本当に勝機があるのかと誰もが疑うその顔。

 トチクるってしまったのかという考えが要員たちのなかであった。


「だが、あきらめることはない」


 なぜなら、あの男がいるからだと、船長は不敵な笑みを浮かべた。

 そして要員のオペレーターが状況を伝える。


「第2部隊と思われる勢力がこちらへと進行を変えました」


「奴らめ、こちらに気づいたか」


 モニターが切り替わり、敵部隊の先頭の様子が映し出された。

 まるで旗を掲げるようにして、その腕を上げている。


「敵対勢力の総数は?」


 そんな敵機のことなど、どうでもいいのか、話題を切り出した船長。

 要員の一人が、コンピューターを使って数を洗い出しているのだった。


「数にして一万、戦艦クラス六百との結果がでました……」


 その要員は青ざめている。

 初めての実戦でここまでの敵機の数に、苦しくなった。


「まさに神の勢力といったところか」


 船長は、そのような皮肉を出した。

 人ではたどり着けないような、とんでもないような生産性に、皮肉が出たのだった。


「敵機部隊戦艦クラスから極大熱源反応を確認!」


「この戦艦にも気づいたようだな。システムでダメージシミュレーションを!」


 船長の的確な指示に、啞然とした空気の中であった要員達は、動いたのだった。

 まるで鶴の一声である。


「情報統合システムによるダメージシミュレーションを開始ッ!!」


 ひとつのモニターで膨大なシミュレーション計算が開始されたのだった。

 膨大な数の文字数に、三次元的解釈に基づいた、最新のシミュレーションシステム。


「第一破で、地盤融解です。戦艦へのダメージは第一装甲板が80%のダメージです」

 なおも、モニターをタッチパネルで操作を続けて、部隊の被害も出した。

「エクステリア部隊、約30%の弊害があります」


 ふむと、船長は眼光を光らせた。

 しばらく、腕を顎に当てたような格好になったのだった。

 それらを、なにをしているのかと要員たちは見ていたのだった。


「補助電圧システム起動を確認!」

「各種武装システム正常に作動!」


 アナウンスのような各部各員たちからの通信が流れるのであった。

 まるで船長の発信の合図を急かしているように。


「そうか」


 しかし、そんなことは意にも止めず、いまだにモニターをにらんでいる。


「船長、第一破に続いて第二破が来れば、我々の戦艦は持ちませんッ!」


 一人が、こらえきれずに不満をぶちまけたのだった。

 ほかの要員たちも真剣な表情をしている。

 だが、、船長だけは、冷静な表情であったのだった。


「そう狼狽えるな、各自衝撃に備えろ」


 ダーーーーン!!!

 すさまじい衝撃音とともに、この戦艦が、とんでもないほどに大きな船がゆれたのであった。

 これほどまでに大きな衝撃に、敵機のすさまじい破壊力が、要員たちの頭の中で想像が働く。

 またひとり、ふたり、そしてなんにんも。


「「「船長!」」」


 声を上げたのだった。

 このままではこの船は沈んでしまうという悲鳴だったのかもしれない。


「ダメージ照査、大まかな、シミュレーション通りのダメージです!」

「地盤融解、第一装甲板85%まで大破、割れた地盤のおかげで敵機からはまだこの船は見えていません」


 要員のオペレーターの一人が、そう状況を説明するのだった。

 いくら敵に見えていないからといっていても、場所はばれているし、あの破壊力だった。

 次を食らえば確実に、この船は沈むであろう。


「こちら八十ブロック左側部攻撃班、七十代前半から後半までの装甲板が崩壊している!」


「第七十八ブロックまでを閉鎖しろ!」


 言い合いをしているように、要員たちは、連絡を取りあっていた。


「まだだ、合図とともに、メインウェポンであそこの高台を狙え」


「そこは無人の高台です。発進条件が合えばの話ですが…… こちらで情報解答を」

「え……? 条件はそろいましたッ!」


 地形には、この地域ちかくの五百メートル離れているところに、自然にできた高台があった。

 その高台は、デブリノイズの電磁波を生むような性質を持っている鉱石がある。

 これまでの短い敵の傾向から、敵は鉄分の量によって敵機を判別していたとわかったのだ。

 なぜこの短い時間でその情報を知っていたのか、この船長がどれほどまでの男か要員はきづいたのだった。

 同時に、希望もあふれてきたためか、顔も引き締まった表情になった。


 各部の各員たちの最終チェックが大詰めを迎えている。


「メイン動力源、多重力反転機関接続準備よろし!」

「縮退炉接続準備よろし!」

「飛行ホイール接続準備よろし!」


 飛行ホイールが接続準備についたところで、船長はついに声をあげたのだった。


「よし、総員配置につけ! 着弾とともに、本艦を地上と垂直にして急速発進!」


「宇宙へということですね! くぅ~行くぜ!」

「総員第一種戦闘配置! 総員第一種戦闘配置!」


 一人の要員の興奮した声が他の要因たちも元気づけたのであった。

 そして同時にブザーが鳴り響く。


「全発進システム接続へと移行!!」


「システム移行! システム移行!!」


「行くぞッ!! 第一世代実践機恒星光速移動決戦超超弩級戦艦ラスト・フォート発進ッ!!」



 一か月前。




最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

この世いろんなことがあります。

それは自分でやるか、他人にゆだねるかの判断です。

私は、そこそこアイディアをもらっていました。

しかし現在、サイトでは機械化の流れが、ランキングからいろんなものでわかります。

私も頼ったことがありますが、誰でもいえると思います。

『一から、書いてみよう』

こんな発想が。

私もそんな思いでこの作品を書きました。

最後の『ロボットもので書き終わった』作品。

更新は十八時にします。

今後ともよろしくお願いします。




BGM--Awake and Alive

スキレットの曲

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