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鳥になりたい



目の前に壁がある。

立ちすくみ、ほとほと困っている小さな彼。

進めない。

これ以上は。

そんな時、彼女がダイナマイトを持ってきてくれた。

扉を爆発し、粉々に砕く。

彼女は言う。

さあ、これで通れるよ。

なんて頼もしい友達がいるのだろうか。

彼は嬉し涙をこらえて笑った。



今、目の前に大海原が広がっている。

ほとほと困っている小さな彼女。

進めない。

これ以上は。

そんな時、彼は修行をして鳥になってきてくれた。

彼女の両肩を掴み、空高く舞い上がる。

大海原を飛び越えて、滑空した。

彼は言った。

さあ、これで次の大陸へ行けるよ。

なんて心強い友達だろう。

彼女は雄大な空の光景にうっとりとした。



例えばいま、彼の前に強大な恋敵が現れた。

戦うが勝てない。

無理だ。

旅はこれで終わりだ。

彼はその場にどっかりと崩れた。

そんな時、彼女は言う。

立ちなさい。

私が欲しくば、立ちなさい。

たったその二言で、彼の心に勇気がともる。

彼はまた修行をし、今度は竜になった。

恋敵にリベンジをして、炎の息で焼き尽くす。

彼女は彼にキスをした。

貴方が好きよ。

彼は力強く、彼女の肩を抱いた。



例えばいま僕の目の前に、パソコンがある。

ワードを開いている。

何も思いつかない。

書けない。

これ以上は。

そんな時、窓の外から鳥の鳴き声がした。

立ちなさい。

そう言われている気がした。

カタカタとキーボードに指を走らせる。

例えば。

例えばこんな拙い物語。

それでも一歩を踏み出している。




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