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表裏世界と何でも屋  作者: 砂原凜太郎
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第八話 アルスター組の復讐

すみません!攻め込むところまで持っていけませんでした。この行為万死に値(ry

 復讐。彼はそう言った。彼の眼は怒りに燃えていた。俺もだ。さっきまでの悪寒とは違い、ふつふつと怒りが湧き上がってくる。すると先輩がクリスの肩を叩いた。

「復讐ねぇ、お前に出来るのか?」

 え?ちょっと先輩、何水差すようなこと言ってんですか?

「何言ってるですか?」

「まずその男の情報だが、どうやって集めるつもりだ?」

「それは………。」

「だがお前は運がいい。俺達を雇え、そいつの事を経歴から何まで丸裸にしてやれるぜ。」

 あ、なるほど、商売の話か。ッてガメツイなおい、待ってりゃまた来るだろ。

「ええ、では宜しくおn「お嬢様!クリス!すぐ来ていただけますか?旦那様の容体が!」何ですって!」

 スピーカーからいつの間にかいなくなっていたもう一人の青年ケイの声が聞こえる。旦那様って、クルーガ・アルスターが?どういう事だ?

 そんな俺の考えをよそにクリスと、クルーガの愛娘、アルタ・アルスターは、向かって行った。


 しばらくして、ガチャリ、と、扉が開いた。そこには、暗い顔をした三人が居た。何があったかは、言わなくても気付く。ああ、死んだんだ。クルーガ・アルスターは、

 ふと、もう一つの事に気が付く。変わっていたのだ。クリスが持て居た槍と斧が無くなり、代わりに不思議な形の棒が目に入る。先端が三つに分かれているのだ。何だあれ?

「旦那様が亡くなられました。申し訳ありませんが、今日はお引き取り下さい。依頼の件ですが、一週間

 後に、改めて。」

 ケイにそう言われた。

「解りました。それでは。」

 そうですね、先輩。彼の葬式の件などもありますし。

「さぁ、サキさんも行きますよ。」

 そうして、俺たちは一度拠点へと戻っていった。


「この度は有難うございました。」

 後日、事務所に来たサキさんからお礼を言われた。

「クリス君の復讐の事はあなた方にお任せします。私たちは文通することになりましたから。」

「そうなんですか、そいつは良いかった。」

「今回の事は、大変お世話になりました。こちらは依頼料です。」

 と、茶色の封筒を置いて行った。

「先輩、どうでしたか?今回の依頼は、」

「おいおい、それを言うにはちと早いぜ、ヘリム。」

「はい?」

「いいか、この事件には続きがある。まだ事件(ケース)解決(クローズド)してねーんだよ。」

「なるほど………」


 その後、依頼が来る前に、アキラ先輩が帰って来た。何だか疲れたような表情をして。

「………?どうしました先輩、何かありました?」

「ん?いや、何も。」

「そうですか。」

 こりゃ、話してくれそうに無いな。

「………なぁ、ヘリム、」

「………?どうしました?先輩?」

「お前は、もしお前が理不尽な環境に置かれたら、どうする?」

 難しいことを聞くな。

「受け入れるしか無いんじゃないでしょうか。」

「は?」

「受け入れて、努力して、力で、別の楽しみ方を選ぶ。『それがおかしい』と考えず。『それが普通』と

 考えるんですよ。そうすれば、もしかしたら選択肢が見えてくるかもしれません。」

「それなら、選択肢が見つからなかったら?」

「そん時は、ぶっ壊せばいい。抗って、もがいて、抵抗して、それで疲れて倒れたら、それまで。倒れる

 まで戦い続ければ、案外うまくいくかもしれませんよ。」

「そうか、お前はそう考えるんだな。」

 そういうと、先輩は自室へと向かって行った。


 アキラは、自室に入ると、べットの上で仰向けになった。ポケットに何か入ってる感じがしたので、取り出す。木彫りの魚がポケットから出てきた。彼女の遺品だ。その途端、彼女の顔が浮かんできた。声も。

「私は………私は………!」

 そう言い、幼さの残る顔を苦しげに歪め、言葉を詰まらせる彼女、

「ヘン!そんなの、腹の足しにもなんねぇよ。」

 そう言い、頬を赤らめ、獣人族特徴の耳の先を少し赤くさせながらそっぽを向く彼女。

「でも………まぁ………アリガトな。」

 照れくさそうにそういう彼女。

 数秒後、そんな光景は崩れ去り、横たわる彼女をつまみ上げる黒を基調とした。金の装飾付きの高価そうな服を着、野性的な顔で笑う男の顔が蘇る。

「こいつ、もらってくぜ。」

「待て!彼女をどうするつもりだ!?」

「さあな?悪魔が何しようと勝手だろ?」

 そう言い残し、飛んで行った。

「救えなかった。」

 そう言い、歯を噛み締める。

「畜生、死んじまったら、何にもなんねぇじゃねぇか。」

 そうつぶやく彼の眼からは、涙がこぼれていた。


 数日後、再びアルタ・アルスターが、クリスとケイ、もう一人、ふわっとした銀髪の青年を連れてきた。彼はジョセフ・アルスターと名乗った。アルタさんの弟だそうだ。

「で、本日はどの様なご用件で?」

 と、ミヤビ先輩は聞いた。………解ってるくせに。

「もう解っていらっしゃるでしょう。今回は、復讐の協力を依頼しに来ました。」

 彼女、アルタさんはそう言った。

「クリスの件ですね?」

「はい。」

「では、依頼料と、内容をお教え下さい。」

 するとケイが、

「畏まりました。まず依頼料ですが、『今後、雅死神探偵事務所のスポンサーとなる』というのは、如何

 でしょうか?」

「ほう?」

 ミヤビ先輩の眼がキラリト光った。

「我々があなたのスポンサーとなり、今後あなた方に資金を提供するんです。」

 するとニヤリと笑みを浮かべて言った。

「それはそれは、では、ご依頼内容の通り、オーダーメイドで仕事をさせていただきましょう。オプショ

 ンもアフターサービスも頼み放題でございます。」

 先輩、怖いです。

「ではまず、カイセイ・オオタケと名乗る自称弁護士の捜索。アジトと身元の特定をお願いします。」

 クリスはそう言った。

「その件なら、すでにご用意させていただきます。」

 と言い、書類を出した。

「カイセイ・オオタケと言うのは本名のようです。どうやら簡易アジト、と言っても、小型の要塞を改造

 したもので、攻め落とすのには少し苦労すると思いますが、を各地にあり、部下と共に転々としている

 ようですね。金稼ぎの方法は、あなたのような奴隷や、色々な人相手に詐欺を働き、荒稼ぎしているよ

 うです。」

 ひでぇ奴だな。クリスとケイも顔を顰めていた。

「私から、カイセイ討伐に協力をお願いしたい。」

 そう言ったのは、さっきまで口を閉ざしていたジョセフだった。

「畏まりました。ご依頼内容はそれですべてでしょうか?」

「「「「はい。」」」」

 全員の声がハモった。

「じゃあ作戦ですが、」

「いえ、それは一番すっきりする戦法で行こうと思ってます。」

 へ?どういう事だ、クリス。

「正面突破です。」

 ちょっと待て!?今正面戦闘って言った?スッキリすんの?それで?お前は殺人快楽サイコパス野郎か?ヤバいだろ。

「今でもはらわたが煮えくり返ってるんですよ。このような詐欺は、僕にも、母にも、そして何より僕を

 拾ってくださった今は亡き旦那様に対する冒涜になります。」

「全くだクリス、見てろよ社会の塵ども。一匹残らず駆逐してやる。」

 怖えよお前ら!眼が笑って無いし圧がすごいんですけど?

「そうですか、畏まりました。」

 先輩も!何乗り気なんですか?アルタさんはニコニコしてるしひょっとしてまともな人いない?

「ちょ、ちょっと兄さん、もう少し戦略的に………。」

 良かったまともな人がいた。有難うアキラ先輩存在してくれて。

「はぁ、まぁ良いか。」

 良いんですか⁉はぁ、これも腐れ縁ってやつなのか。


 そして、襲撃当日。

「今回の襲撃の目標はカイセイ・オオタケとその一味の抹殺。そのため、突入するのはヘリム、クリス、

 ジョセフだ。」

 クリスは古代武具でフル装備。俺も、神器を開放し、カオス・エメラルダス(相棒)を右手の甲の専用装着機に装着している。こうすることで、相棒を近接武器としても扱える。問題はジョセフだ。彼の装備は左腰に装備した鞭。これは問題ないのだが、腰の後ろ側に装備した細身の片手持ち片刃曲剣(サーベル)。これは問題大有りだ。群青色の鞘には金色の装飾が施されており、恐らく刀身もそうなのだろう。装飾の施された武器は脆い。肉厚の両手剣ならまだしも、細身のサーベルなど正面からぶつかり合えば容易く折れてしまう。そんな脆い武器が戦場で通じるか、答えはノーだ。大丈夫か?こいつ。

「俺、アキラ、アルタは第二陣だ。逃げようと外に出る奴を掃討する。」

「ええ、分かりました。」

 そういう彼女は、軽装鎧と、腰の後ろに装着した二本のダガーそして拳銃そして何より、背中に背負っているアサルトライフル………お嬢様が持つにはえげつな過ぎる武器だ。

「そしてケイ、お前は狙撃で全面支援だ。」

「畏まりました。」

 そういうケイは、いつもの執事服の上に、フード付きのコートを羽織ってる。さらに、口の部分を布で隠し、目にゴーグルを着けている。その理由は、彼の、吸血人族(ヴァンパイア)と、鳥人族蝙蝠種のハーフという非常に珍しい出自からなる。どうやら日光を浴びると肌が焼けるようで日光対策を万全にとらないといけないのだ。そのため、彼は一切の肌も露出させていない。そんな彼の携える古代武具、それは長弓。遠距離に高火力の一撃を見舞う破壊兵器。ゴーグルも曰く付きの代物のようで、遠距離をスコープみたいに覗いたり、照準の役割も果たせるとか。

「それじゃぁ行くか!」

「そうだね!義兄(にい)さん!」

「必ず帰りましょう!先輩!」

「サポート頼みます!ケイ!」

「お嬢様もお気をつけて。」

「解ってるわ。貴方もよジョセフ、突っこみすぎないこと。」

「勿論ですよ。姉上。」

 カイセイ一味掃討作戦が始まった。



















はい、本当に済みません。冗談言ってる場合じゃありませんでした。次話は出来るだけ早く投稿いたします。

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