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表裏世界と何でも屋  作者: 砂原凜太郎
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第五話 クリス・シルバーを訪ねて後編

投稿って楽しいですね。ついつい本職よりこっちを書いてしまう。

 理解できなかった。俺は、ミヤビ先輩がどうしてそこまで自信を持って居るのか。でも、根拠のない言葉には聞こえなかった。付いて来いと言われた。それでついてくる奴は大馬鹿だ、そして、どうやら、俺はその大馬鹿みたいだ。俺は、無言でついていく。

「ん?どうしたヘリム、なんか清々しい顔してんじゃねぇか。」

「いえ、何でも、それより、有難うございました。」

 照れ隠しかな、こんな言葉しか思いつかなかった。でも、ミヤビさんは笑って、

「そうか、良かったな!」

 と言ってくれた。

 俺たちは、ミヤビ先輩がいるといった場所へと向かって行く。


「そういえば、ミヤビ先輩はどこへ向かってるんですか?」

 ふと、疑問に思ったように聞く。

「それを答えるにあたって、いくつか質問に答えてもらうぞ。問1.依頼人に聞いた情報から、クリ

 ス・シルバーの母親は自殺だと断定できる。状況から、突発的な殺人と言える可能性があるという

 やつがいると思うが、それはあり得ない。その理由を答えよ。」

「遺体が河に流されてること。もし計画的な犯行なら、川に落とすのは、殺し方として四流以下で

 す。睡眠薬などで眠らせ、異界に連れて行き、拳銃やナイフで的確に殺す。これが正しい殺し方と

 いうもです。突発的な殺しなら、犯人は恐れて逃走する。被害者宅に潜り込んで遺書を作るなんて

 賢い真似は出来ない。」

「正解だ。じゃあ問2.クリス・シルバーの置かれた境遇とは?」

「え?いじめられていた事じゃ無いんですか?」

「大不正解だ。」

「へ?」

「獣人族は、アメリカなる国があったときの黒人の様に虐げられてきた人種だ。よって、どの種族よ

 り嫌ってる境遇がある。そして、趣味の悪い人間(クズ)どもはその境遇に彼らをおとしいれた

 がる。だから無くならねぇんだ。奴隷は。」

「つまり、彼は、母親に楽させるために、体を売ったんだよ。片や、息子のため、片や母親のため

 に、己を傷つけることを顧みなかった。その結果これだ。人生は残酷だな。」

 と、しんみりと言う。

「は、はぁ……………。」

 根も葉もない推理、本当に合ってるのか?解らない、この人の事は。

「ここだ。ここら辺で人身業者って言ったら、ここしかねぇ。」

 付いたのは、町はずれの小さなバーだ。ここに要るらしい。

 扉を開けると、中年の小太りの男が、道具を磨いていた。

「マスター『レクイエム』を。」

 と、言うと、

「畏まりました。」

 と、言い、少しして、後ろの扉が開く。

「招待客様でございますね?どう………なぁ?」

「本当なら、こんなやり方は好きじゃぁないんだよ。もう少し泳がせてから現行犯で捕まえるつもり

 だったんだけどなぁ。クライアントの頼みは絶対だ。ここで捕まえさせてもらうぜ。ケン・マリア

 ン!」

 すると男は舌打ちし、

「ばれてたのか?まあいい、お前たち、殺れ!」

 ケンと言う男の声に隠し扉から、黒服の男たちが出てくる。まずい!とっさにそう判断した俺は、腰に着けていた特注品のポーチからピンク色の球を一顧取り出す。それを男の一人に弾き飛ばす。その瞬間、能力を発動させる。ピンク色の球は一人の男の頭を消し飛ばした。

「なっ!」

 黒服に交じり、先輩まで驚いている。

「言ってませんでしたね。僕の能力は一言でいえば、『運動量を操る能力。』今のは、岩塩を削った

 弾を、指で物をはじいて、相手を殺す古流殺人術、『如意種』の効果を、能力で最大限高めたもの

 です。弾は塩なので、証拠は残りません。これが僕の売りだったんですよ。証拠の残らない狙撃。

 発砲音どころか、弾丸すら残らない究極の銃。」

「指でって………そんなんで人殺せるのかよ………。」

「達人の如意種は、拳銃より火力も弾速も勝りますよ。確かに使い手を選ぶ暗殺術ではありますが、

 使い手の人は、『消音機(サイレンサー)』なんて二つ名が付くくらいですからね。」

 こん位解説すれば十分ですよね。

「先輩は奴隷たちの救出を、私がこいつらを撃退します。」

「お、おう、任せた。」

 それだけ言うと、先輩は隠し扉の奥へと向かって行った。さてと、この数をつぶすとしたら、一発ずつ、ちまちまなんてのは時間がかかりすぎる。なら、

「『神器解放』!」

 邪魔されないように、魔力フィールドを張り高らかに宣言する。俺の手元に、深緑色の巨大な卍手裏剣が出現する。四つある刀身の一つを挟むようにして持った。

「『空間神剣カオス・エメラルダス』」

 これを見た黒服の間から思わず後ずさるものがいた。

「う、嘘だろ、神々の武具(ゴッズウェポン)?」

「知ってるんだな。今からこいつに蹂躙されるか、尻尾巻いて逃げるか、どっちがいい?」

「ふ、ふざけるな、いくら神々の武具(ゴッズウェポン)だからって、これだけの数ヴォ!」

 そういった黒服の顎を、容赦なく撃ち抜く。

「要は、全面戦争と、仕方ねぇな、乱れろ、《カオス・エメラルダス(相棒)》!!!」

 俺は、渾身の投擲をする。それは、思いっきり飛び、正面の黒服を跡形もなく消し飛ばす。すると、カウンターに当たる前に、カオス・エメラルダスは、不自然な急ブレーキをかけた。此奴の特殊能力は、適合者の意志の通りに、軌道を操れること。そして適合者以外に効く、撃った勢いの二分の一の威力の魔法光線を、辺りに無差別にまき散らすこと。黒服たちは、一人残らず吹き飛んだ。

「逃げりゃいいのに、」

 ホントに、逃げりゃいいのに、俺の為にも。すると、先輩も戻って来た。

「奴隷たちは?」

「安心しろ、全員逃がした。あと、吉報だ。対象(クリス)居場所(雇用先)が分かった。」












次回、クリスのいる屋敷へと向かいます。お楽しみに。

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