表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/5

桃2

桃は、いつまでも満腹にはならないだろう。桃が佇むそこは金色の箱庭であり、桃は、その身を持って、ここは、俺の墓場やな、と自己主張する。そらは、密閉されたように空虚で、そこは、(くう)であるというだけで意味を持たない存在の無意味さをまざまざと見せつけられるようなそらでしかない。物であれば腐食し、生物であれば腐敗するとあまり知識を持たない桃は夢想する。なるほど、我はどちらでもないのだ。では、我は神か?と桃は意地を張る。空気は腐れないやろう、とその後、思考し、なら、我は空気やろうか、とすこしは自らを省みようとする。……否、なんだろうが、普通、桃は、喋らんと聞いた。ああ、我は桃やないやん!突如、電光石火に真実らしきものを閃き、桃は、顔を紅潮させ、興奮で身を震わせたが、はたと我に返り、だからなんなのだろうと、透明になる思いだ。我は、桃ではないという答えは、余計に桃を沈めさせ、空は変わらず窮屈に桃を密閉する。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ