苦悩~私は無になりたい
掲載日:2017/05/24
扉が閉ざされてから、どれだけの時が経ったのかしら?
もう、私のことなんか忘れて下さい。
もう、扉を叩くのはやめて下さい。
扉を閉じたのはあなた達なのですから。
あなた達は何故、他人を羨むの?
あなた達は何故、他人から奪うの?
あなた達は何故、他人と殺しあうの?
私は悲しんでいます。
私の心は痛んでいます。
もう私の言葉は届かないの?
私は無になる事を望んでいます。
私が無になる事を許して下さい。
そんな目で私を見ないで下さい。
今まで私の言葉を信じてくれたように
私の最後の言葉を信じて下さい。
お願いですから、皆に伝えて下さい。
私はもう、神なんかじゃないのです。
あなた達にはもう、私なんか必要無いのです。
あなた達自身が神になろうとしているのですから。
さようなら、私の愛した者たち。
さようなら、私を愛した者たち。
その後、扉の前に立つ者が現れた。
彼らは指導者と呼ばれた。
彼らは言葉を発した。
神の言葉だと偽って……。
そして
人々は奪いあった。
人々は殺しあった。
言葉が神の言葉だと信じて、滅亡への道を歩き始めた。
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