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俺、フィンリー・ハンバーの魂がブリキ人形に入って、一週間と五日が過ぎた。
俺の本体のタイムリミットは、いつ来てもおかしくない。もしかしたら、本体はすでに腐っていて、ここにいると思っている俺は、魂の残滓だけで動いているのかもしれない。明日、いや今日を終えるより先に、俺の魂は消滅するかもしれない。そんな不安が、もうずっと、ブリキの胸の中で渦巻いていた。
しかし、レナやパトリシアの言うとおりなら、肉体がダメになると同時に、魂は消えてしまうらしい。こうしてブリキ人形として動き回れている間は、まだ助かる見こみがあると、そう思っていいはずだ。
事ここに至っては、あたふたと慌てたところで、何かが好転するわけでもない。なるようになる。だから、いまはとにかく、本体を探すために、全力を尽くそう。ブリキの体でやれることは多くないが、なにもひとりで探すわけじゃないんだ。
最後がいつ来るかなんてわからない。
でも、それまでは、必死にあがいてみよう。
そしていつか、レナの力で、この魂を本体に戻してもらうのだ。
アスポートと呼ばれる、類い稀な力で。




